日本は一時のアルゼンチンのようになってしまうか
ジョージ・ソロスと二人でクォンタム・ファンドを立ちあげたウォール街の伝説の投資家ジム・ロジャーズ。
『インベストメント・バンカー』ならず『インベストメント・バイカー』という本の著者としても知られています。
彼が7年ほど前に日本に来た時に一緒に食事をする機会に恵まれました。
私は、日ごろ思っていた問題意識を彼にぶつけてみました。
『日本企業は未だに決断のスピードが遅く、年功序列の色彩も強い。欧米に比べて若い人が実力を発揮できないでいる。また、日本の公的セクターは非効率で、財政赤字はどんどん積みあがっていく。このままでは、日本は一時のアルゼンチンのようになってしまうのではないか。』
その後、ジム・ロジャーズとは、彼が日本を去った後も、何回か、メールのやり取りをしましたが、彼から、次のようなメールが来たのが印象的でした。
『確かに日本は多くの問題を抱えているが、people like yourself のような人たちが、それに気づきがんばっている。この状況が続く限り、私は、日本は一時のアルゼンチンのようにはならないのではないかと思います。』
* * * * *
いつまでも既得権益にしがみつき閉鎖性の壁を築いている日本。先日、経済同友会代表幹事の北城恪太郎さんが発表した『イノベーションを阻害するもの』と題する文章を読んで、私は、7年前のジム・ロジャーズとの上記のやり取りを思い出したのでした。
残念ながら日本が抱える問題は7年前に比べてみてもあまり改善されていません。
ただ国債残高だけが、この7年間の間に、324兆円→675兆円へと約2倍に増加してしまっています( 注: 内国債のみの数字;平11年9末→平18年9末の7年間の比較)。
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コメント
日本の金融機関でかつて働いていた人たちが、古巣に戻って「働く」という事はどういう事かを身をもって示せば、金融機関だけでも変えることができるのではないでしょうか?このまま景気が回復して昔に戻ってしまっては、同じことの繰り返しです。本当にアルゼンチンになってしまうかも知れません…。
投稿: | 2007年2月18日 (日) 22時25分
岩崎先生、こんばんわ。
日本は国際的に知名度のある、優秀な企業がたくさん有るので、僕は日本はアルゼンチンのようにはならないと思います。
ただ、国の借金がドンドン膨らんでいるので、ひょっとしたら、超インフレが起きるかもしれないと考えますが。。。
(小渕首相が2千円札を発行したとき、僕は、円の価値が、この数年後に半分になってしまうのかな?と心配したものです。)
この問題について、「投資バカにつける薬」(山崎元さん著、講談社)で説明されており、僕は、マア、その説明を読んでナットクしていますが。。。
投稿: まさくん | 2007年2月18日 (日) 23時34分