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2007年2月 7日 (水)

ひるまない (仕事術・勉強法⑭)

みなさんは、「絶対に勝てる」と分かっている勝負をするのと、「ほぼ負けるに違いない」勝負をすることの、どちらを好みますか。

「絶対に勝てる」と分かっているような勝負って、はたして面白いでしょうか。

2~3日前だったと思いますが、小泉孝太郎さんが、新聞社(だったと思います)のインタビューに答える形で、

『この業界(芸能界)はもの凄いチャンスが目の前をビュンビュンと通り過ぎていく。それを捕まえることが出来るかどうか分からないが、この不安定さが自分は好きだ』

といった趣旨の話をしていました。

芸能人やタレントの方たちの話を聞いていますと、

『数年間、全く売れなくて不遇の思いをしたが、ひるまずにチャレンジを続けて、たった1回のチャンスをものにしてブレイクした』

といったことをよく耳にします。

もう少し身近な話をしましょう。

A社はこれまでもっぱらD社に広告・宣伝を依頼してきました。

このA社のアカウントを担当することになった広告代理店H社のBさん。

何をどうやってみてもA社におけるD社の牙城を切り崩すことが出来ません。

なかなかプレゼンの機会さえ与えられず、やっと与えられたプレゼンでも常にD社に対して敗退を余儀なくされる・・・

広告の業界に限らず、例えば投資銀行でも似たようなところがあります。

N社のビジネスはこれまで外資系投資銀行のG社が殆ど獲得してきていました。

『G社は第一級のリサーチ・アナリストを抱え、N社との間ではこれまで、○件の大型M&Aを成功裏に完了させ、N社トップのG社に対する信任も厚いのです。』

と、このような説明を聞くまでもなく、G社が強いのは分かっています。

かといって手をこまねいている訳にはいきません。

こういった状況をチャレンジと捉えて積極果敢に攻めることができるかどうか。

圧倒的に強いG社やD社にぶつかっていくのは大変です。

でも2勝8敗、いや1勝9敗でもいいではないですか。

全知全霊を使って真っ向勝負すれば、10回のうち1回位は勝てる可能性があります。

立ちはだかる『壁』の大きさにひるんで、挑戦を諦めてしまえば、永遠に「不戦敗」のままです。

『いつ勝てるか分からない。

しかし、この不安定さが好きだ。』

そういってチャレンジを続ける人を運命の女神がいつまでも放っておく筈がありません。

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コメント

そうだと信じて日々仕事をしている人間の一人です…

投稿: | 2007年2月 7日 (水) 21時55分

岩崎先生、こんばんわ。
>「絶対に勝てる」と分かっているような勝負って、
>はたして面白いでしょうか。
これこそが、実は、僕がトヨタ株を未だに保有していない、大きな理由の一つだと思います。
現在のトヨタの株式のターゲットプライスは、1万円以上の値がつけられており、まことに買い安心感がありますが、何となく、勝つのが分かりきった勝負をするようで、面白くありません。
そんなわけで、僕の場合、言わば「と金戦法」で、成長性は十分に備えていますが、その時々において、割安と思える企業の株式を保有する傾向があります。

『いつ勝てるか分からない。

しかし、この不安定さが好きだ。』

この言葉は、僕のようなゴミ投資家の、株式投資における心理を、妙に衝いているなと感心しました。

投稿: まさくん | 2007年2月 7日 (水) 22時41分

岩崎様 古巣に戻っていただいて、日本発の投資銀行造りを一緒にやっていただけないでしょうか?私はG社やD社に負けたくないです。でも、いくら海を想像してプールで泳ぎの練習をしても、海で泳いでいる人にはかないません。ただ、海で泳いだ事がある人にアドバイスをもらえば、なんとか海でも上手に泳げるのかも知れません。やる気と体力はあるのではないかと思います。右寄りではありますが、日本の為に一肌脱いでいただけないでしょうか?

投稿: | 2007年2月 7日 (水) 23時13分

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