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2007年4月26日 (木)

一日で27%も値を上げた株

日本ではなく米国の話です。

皆さんご存知のアマゾンの株価。

$44.75 → $56.81 と一日で 26.9% も上昇。(After hoursでは更に値を上げ、$57.04 となっています。)

一昨日発表された同社の1-3月期の売上が 32%増(対前年同期比)、利益(Operating Profit)も 38%増と、好調な決算を受けての上昇でした。

なお昨日はアップルが1-3月期の利益が対前年同期比 88%増であった旨を発表しています。

どちらもナスダック銘柄ですが、ダウの方も好調で、13,000超えを実現。史上最高値を更新し続けています。

『消費者や顧客が価値を認める革新的サービスや財を提供する→その結果、企業は好業績を上げ、企業価値が増加』・・・株価はこういった実態経済や企業活動の裏づけがあって上昇していくものです。

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2007年4月25日 (水)

新興市場

現在発売されている『週刊ダイヤモンド』(4月28日/5月5日合併特大号)は、

『新興市場に気をつけろ』

という特集です。

東証マザーズなどの新興市場の株式を買ってお持ちの方、買おうとしている方、以前に買って既に売却してしまった方などにお奨めです。

『よくここまで調べて、そしてよくここまで書けたな』というのが読み終わった最初の感想。

『日本の株式市場が健全なものになって欲しい』という編集者や執筆者の思いが伝わってくる。そんな特集記事です。

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2007年4月23日 (月)

Sense of ownership

私は22年間も興銀にいてから外資系投資銀行に移ったものでしたから、移った当初は驚くことが沢山ありました。

一番の違いは、『自分たちの給料は自分たちで稼ぐ』という意識の深さの違いでした。

特に私は興銀で職員組合の副委員長を経験していたこともあり、外資系に移っても当初は『日本の従業員もこのくらいのペイが欲しい』といったスタンスで、イギリス人の上司とよく話をしていました。

その結果、返ってくる答えが、『・・で、そのカネは一体どこから出てくるのかい?』というものでした。

私は、『ニューヨークの本社では、「今こそ日本にインベスト(投資)すべきだ」と言っていたじゃないですか。今年は確かに当初思っていたほどは稼げないかもしれませんが、かと言って(オフィサーたちに)出すカネを抑えれば優秀な人材は引き抜かれてしまいます』

などと抗弁したのですが・・・

無駄でした。

外資系の投資銀行では

『自分たちの給与や賞与くらい自分たちで稼げ(本当は株主に還元されるべき価値の分もチャンと稼げ)』

そういった意識が徹底していました。

人事部(HR)などの間接部門の人たちも『君達が稼いでくれないと我々の職がなくなる。だからしっかり稼いでくれ。』と真顔で言います。

興銀は戦前は政府の全額出資で、戦後数十年を経ても未だに給与はどこからか降ってくるという意識が従業員の間に根付いていました。そうした組織から来た私には、『自分の食う分くらい自分で稼いで当たり前』という意識が欠落していました。

『Sense of Ownership』-ここは自分たちの会社なんだ。

そもそもはパートナー制が敷かれていた欧米の投資銀行には、こういった意識が幹部社員全員の間に深く染み付いているように感じました。

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2007年4月19日 (木)

信託銀行が売っている

ニューヨークでは昨日ダウ平均株価が史上初の12,800超えを実現。上海などの株式市場も好調です。

こういった中で、日本の株式市場だけが不冴な動きを示しています。

東京証券取引所のホームページに行き、マーケット情報のページをクリックし、『統計資料』のページに進みます。

更に『投資部門別売買状況』のページに行きますと、誰が売って、誰が買っているのかが分かります。

今年に入ってからの東証一部の全体の株の動きを見てみましょう。

(単位:億円; 売り超には ▲の表示をします)

法人 1月 売り超 ▲ 7,606

    2月 売り超 ▲ 3,897

    3月 売り超 ▲ 3,075

個人 1月 売り超 ▲ 8,476

    2月 売り超 ▲ 3,360

    3月 買い超     8,224

外人 1月 買い超   14,755

    2月 買い超   10,803

    3月 売り超 ▲  778

法人が一貫して売ってきており、この法人の中で最大の売り手が信託銀行です。

信託銀行 1月 売り超 ▲ 5,429

       2月 売り超 ▲ 2,933

       3月 売り超 ▲ 2,511

この背景には、団塊世代の退職により、企業の年金資産圧縮の動きがあると言われています。

もっとも米国の株式が好調なのは、企業業績が堅調だからです。

例えば昨日発表されたJP Morgan Chase の1-3月期決算。

対前年同期比 +55%の増益でした。

日本の企業もこういった数字を発表できるようになれば、これから先、株価は当然のように上がっていきます。

ところでHOYAに対して『あと60日待ってくれ』と申し入れたペンタックス。

過去3年間の経常利益の推移は次の通りです。

04年3月期 54億円

05年3月期 34億円 (対前年比 ▲37%)

06年3月期 33億円 (対前年比 ▲  4%)

私が高校時代にアルバイトをしてお金を貯め最初に買ったのがペンタックスの一眼レフ。この記事を書いていて、ふと当時のことを思い出しました。

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2007年4月15日 (日)

もっとも効率的な空港

2泊4日のスケジュールで海外に出ていて一昨日の夜、帰国しました。

たとえ数日でも海外にいて日本に帰ってくると改めて気がつくことが幾つかあります。

たとえば成田空港の建物(一昨日は第一ターミナルに着きました)の天井の低さ。

飛行機が着陸してから空港の中をうろうろ回る時間の長さも相変わらずです。

数年前、ある調査会社が、世界の空港でどこが最も効率的かを調査しました。一位はシンガポールのチャンギ空港。飛行機の車輪が飛行場にタッチしてから、乗っていた旅行者が入国審査・通関を済ませ市内のホテルにチェックインしてベッドに横たわれるまでの時間がシンガポールの場合、全部あわせても30分とのこと。

最下位は成田。飛行機の車輪が飛行場にタッチしてから30分しても、飛行機はどこのゲートに付けるべきか飛行場の中をまだうろうろしていると、調査レポートは書き立てていました。

この時期、海外に出ていて、日本に帰ってくると、私は、鼻がすぐ詰まり気味になり喉に不快感を感じるようになります。花粉のせいなのか、あるいは単に空気が汚れているのか。

そして昨日。海外に出ている間に溜まってしまった日本の新聞を読んでいますと、公務員の天下り規制が骨抜きになりそうだといったことが書いてありました。

成田国際空港株式会社、(財)成田国際空港振興協会、成田空港周辺地域共生財団、等々。

空港関連だけでも天下りの方たちが理事や取締役に就いておられると「推測」される沢山の組織があります。(間違っていたらすみません。この辺はきちんと調べて書いているわけではありませんので乱暴に「推測」といった表現にしています・・)。

こうした結果、世界に誇れるような飛行場になっていれば別に天下りの方たちが沢山いようと構わないと言えなくはありません。

空港だけでなく、道路や港湾はどうでしょう。

そういえば(一昔前の話ですが)私が興銀のシカゴ駐在員をしていた時、幾度となく、道路公団の総裁がシカゴにやってこられました。出張の目的は、世界道路事情視察・・・(この総裁はシカゴだけでなく世界各地をこの目的で飛び回っておられました。)

なんとなく日本が衰退してきている。ちょっと海外に出ていただけで、そんな風に感じてしまうのは私だけでしょうか。

もっとも最近の若い人たちの中には天下りとか省益などには余り関心なく、純粋にこの国を良くしたいとの大志をもって省庁の門を叩く人も多いと聞きます。

そういった若い力に期待したいものです。

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2007年4月 8日 (日)

がんばれニンジャ

 Next Ninja という面白い名前の会社。

この会社の代表である山岸さんと私が初めて知り合ったのは、一昨年の夏です。

 早稲田大学の大学院(理工学部)在学中に資本金1円で会社を起業し、学問よりも会社の方が面白くなってしまった。その結果、大学院の方は中退してしまったという経歴の持ち主です。

 私が山岸さんにお会いした当時。

 ホリエモンの逮捕もまだ無く、世の中ではヒルズ族という言葉がもてはやされていました。パーティーなどでお会いする多くのIT関係の起業家たちは、正直言って「何となく地に足が付いていない」といった感じで、私としては一緒に仕事をする気になりませんでした。

 その中で山岸さんは異色でした。非常に真面目で、かつ確たるビジョンが伝わってきました。

 早いもので、あれから一年半以上の月日が経ちました。この間にNext Ninjaの資本金は1円→200万円→1,000万円と増えて行き、先月末には、ベンチャー・キャピタルであるジャフコからの出資も受けて、資本金・資本準備金は4,600万円の規模にまで成長しました。人員も増え、オフィスもすぐに手狭になり、一年半の間に白金→早稲田→高田馬場と引越しを繰り返す破目になりました。

 こう書いてきますと、単純なサクセス・ストーリーのようですが、現実は全くの正反対です。何とか漸くここまで来ましたが、実際には幾多の苦難の連続(のよう)でした。(私は近くで見ていただけで、詳しくは本人でないと分かりませんので、こういった表現になっています)。

 生まれたばかりのヨチヨチ歩きの小さな会社です。真夜中に山岸さんから電話がかかり、二人して「あーでもない、こーでもない」と長時間頭を悩ましたこともよくありました。

 1円で起業した山岸さんは多くの試練を乗り切り、何とかNext Ninjaを携帯サイトの世界では一目置かれる存在にまで育て上げてきたのです。

 最後に、携帯サイト関連のビジネスについて一言。

 好むと好まざるにかかわらず、「ケータイ」は益々、我々の社会に入り込んでいきます。一方、これに対して企業の方は、残念ながら「ケータイ」を十分に活用しきれていません。「ホームページはある」という会社も多いでしょう。けれども、「ケータイ」サイトの上にはまだ会社のホームページが無い―そんな会社も少なくないのです。

 ケータイを企業の販売促進活動に如何に利用するか。あるいは人材の採用や、企業のイメージ・アップなどにどう役立たせるか。 

 コマーシャルめいてしまって恐縮ですが、こういった分野でNext Ninjaは大きな力になると思います。ご関心のある方は是非ニンジャまでメールか電話をお寄せ下さい。

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2007年4月 1日 (日)

90億円を大学に寄付する夫妻

以前、スタンフォード大学がグーグルの株式を売却し400億円を手にしたとのニュースをご紹介したことがありましたが、今度は、大学に 90億円を寄付するという若いカップルが話題をよんでいます。

Yahoo! の創業者 Jerry Yang と彼の妻 Akiko Yamazaki のカップルです。

Jerry_yang_and_akiko_yamazaki

ご存知の方も多いのでしょうが、Yahoo! は、Jerry Yang と David Filo の二人によって創業されています。Yang と Filo は共に1992年スタンフォード大学のプログラムで京都に行き、この時に絆を深めました。そしてこのことがYahoo!の創業へと結びついていくのです。

更に Jerry Yang が同じくこの時京都で出会ったのが、同じスタンフォードの学生で京都に来ていた Akiko Yamazaki です。

(この辺は、Yahoo!設立の過程を描いた『Inside Yahoo!』といった本などにも書かれています。)

それにしても、38歳の若さで、ポンと90億円を寄付するというのは、なかなか真似が出来るものではありません。

日本のヒルズ族とは一味違った『清々しさ』を下記の記事に感じるのは私だけでしょうか。

《スタンフォード・ニューズの記事》

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