変わるビジネス・スクール
スタンフォード大学の Donor Appreciation Event では、学長の Robert Joss とも話をする機会に恵まれました。
『幸いにも我々のビジネス・スクールは、全米でナンバーワンの評価を受けている。
それは、我々が過去を否定して変わることを恐れなかったからだ。
今のビジネス・スクールは、あなたが通っていた当時とかなり違った内容になっている。
そして、これからのビジネス・スクールはもっと変わったものになる。
一言で言うと、個人の学生のニーズに合った、テイラー・メイド的なものに変えていこうという試みだ。
例えば入学してくる学生の中には既に会計事務所でや投資銀行で働いた経験のある学生もいる。
そうした学生に対して会計学の基礎を教える意味はなく、Advanced Accounting のコースからスタートさせるべきだ。
カリキュラムをテイラー・メイド的なものに変えれば、一つのクラスのサイズは少人数になり、学校側としてのコスト的な負担は増すが、我々としては、より良い教育を提供しようと変わり続けることこそが、ナンバーワンの地位を維持することにつながるものだと考えている。』
ところで Joss 学長は、スタンフォード大学のビジネス・スクールを3回卒業しています。(スローン、MBA、Ph.Dの各コース)。
私に向かって、
「あなたは何年の卒業か」
と聞くので
「1980年です」
と答えました。
「80年は、いい年度だったよ」と Joss 学長は懐かしそうな顔で答えていました。
80年当時の学長は Joss 氏ではありませんでしたが、長い間、スタンフォードのビジネス・スクールに係わっていて各卒業年度の様子が頭に浮かぶのでしょう。
過去を懐かしむだけでなく、常に変わり続けようと努力する。
競争の中でナンバーワンを維持して行こうとする組織のリーダーの気概のようなものを感じました。
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