プラダを着た悪魔
『 プラダを着た悪魔 』 (原題 『 The devil wears Prada 』 ) という映画。
この中で、メリル・ストリープが演じる辣腕編集長のミランダが、自分の (恐らくは2回目の) 離婚について
『これからゴシップ記事が書かれるんでしょうね』
とコメントした後、次のように発言します。
『Rupert Murdoch should cut me a check for all the papers I sell for him.』
(『新聞が売れるわ。マードックにギャラを請求すべきね。』)
Rupert Murdoch とは、もちろん実在の人物で、オーストラリア生れのメディア王として有名です。
News Corporation の会長兼CEOで、同社の29%をマードックが所有。
News Corporation は傘下に、20世紀FOX(映画)、Fox Broadcasting Company (テレビ)、New York Post (新聞) などのメディアを所有しています。
『 プラダを着た悪魔 』 は20世紀FOXの映画なので、脚本家はウィットたっぷりに、敢えて、自分が関係する映画会社の究極のボスの名前をここで出したのかもしれません。
さて、そのマードック氏が米国経済紙 Wall Street Journal を発行しているダウ・ジョーンズ社に買収の提案を行ったことから、全米は騒然としてきました。
ダウ・ジョーンズ社を実質的にコントロールしているBancroft 家はどう対応するのでしょうか。
ところで、マードック氏。オーストラリア人でしたが、1985年にアメリカ人になっています。
米国のテレビ局を所有出来るのは米国人に限るとの法規制の要求を満たす必要があったためです。
彼が実質所有する News Corporation 社も元々は、オーストラリアの会社でしたが、2004年11月に米国でre-incorporated されています。
5月1日の三角合併解禁を受け、日本では海外企業による日本企業の吸収合併のリスクが騒がれていますが、オーストラリア人だと思っていた人が、米国人になり、オーストラリア企業だと思っていた会社が米国企業になるという現実が、日本の外では起きています。
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