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2007年9月29日 (土)

中国企業による米国企業の買収

サブプライムの影響で株価が下落した米国の投資銀行ベア・スターンズ社に対して、投資家のウォーレン・バフェットが関心を持っていると報じられました

20年前の1987年。

バフェットはソロモン・ブラザーズの経営危機に際し、ソロモンの株を購入し、同社の筆頭株主になって、(一時は自らCEOに就任して)、同社の危機を救ったことがあります。

こういった経緯もありますので、今回の噂は『全くの有り得ない話ではない』と市場で受け止められたようですが、

一方で、バフェットはベアの株価が100ドルくらいなら関心あるかもしれないが、120ドルとなってしまった今では、もはや関心を示さないのではないかとも報じられています。

代わりに噂として報じられているのが、China Construction Bank や、CITIC などの中国勢の名前です。

2004年12月、中国のレノボ社が12億5千万ドルでIBMのPC部門を買収し、今年5月には中国政府出資の投資会社が米国ブラックストーン・グループに30億ドルを出資すると報じられました

①ドル安と、②中国株高。

この二つの要因により、今後、中国企業が米国企業を買収する動きが加速するかもしれません。

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2007年9月22日 (土)

日本株だけが安いのか

『サブプライムの影響を最も受けたのが日本だ。』 『日本株は米国株以上に値下がりした』- 最近こういった論調が目に付きます。

     * *  *  *  *

昨日の日経金融新聞1面の『ベンチマーク』によれば:

今年2月26日(中国株暴落前)の株価を100とすると、

現在米国株は 109、中国株 177、日本株 90。

今年7月19日(サブプライム・ショック前。ニューヨーク株最高値の日)の株価を起点に考えれば、

(米、独、英並みに株価が回復していると仮定すれば、)日経平均は今頃 17,700円になっていなければおかしい・・

     * *  *  *  *

確かに、日本だけが取り残されている感じがします。

それでは今の日本株のバリュエーションがおかしいのでしょうか。

(したがってこれから年末にかけては、バリュエーションが是正され、株価は上がっていくのでしょうか。)

個別の株式を見ていけば、今回の市場混乱期に安くなり、そのまま放置されている優良株が散見されるとか、バリュエーションがおかしくなっている部分が確かにあるように思えます。

しかしマーケット全体で見てみた場合、日本株のPERが米国やヨーロッパに比べて特に目だって低い訳ではないことに気がつきます。

むしろ問題はPERの“E”の部分、すなわち日本企業の収益力、競争力の低下にあるのではないでしょうか。

逆に言えば、きちんと収益力・競争力を強化しているところの株価はきちんと伸びていっています。

上の例では、今年2月26日の株価を100とすると、現在(9/20引値) 米国株は 109、任天堂は 174、東芝は 133 になります。

問題は、任天堂のようなところは別にして、全体としてみれば、まだまだ日本企業の収益力は欧米に比して見劣りし、経済全体としても足腰が弱いといった点にあるようです。

今年に入ってからの名目GDPの伸び率です(四半期ベースで見た場合の対前期比;%)

         2007年1Q  2007年2Q

日本       0.4       0.3

米国       4.9       6.7

ユーロ圏     1.4       0.9

株価は企業の収益力を反映させたものに過ぎません。

だとすれば、投資家としては個々の日本企業に対して、製品開発力の強化を始めとする、より一層の収益力、競争力の強化を期待したいところです。

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2007年9月20日 (木)

美しい国

日本を訪れる外国人の数が少ない(9月16日のブログ・エントリー参照)。

この問題の解決の為には、我々が謙虚になって、美しい、魅力ある国づくりに励むことが必要です。

私は通訳案内業の国家試験に通って、学生時代、外国人の観光客を日本の各地に案内する仕事(アルバイト)をしていました。

社会人(銀行員や投資銀行家)になってからも外国の方を日本各地に案内することが、これまでによくありました。

数年前に京都を案内した時の話。

(外国人) 「綺麗で、情緒ある川ですね。ところであの大きな看板には何て書いてあるのですか?」

(私) 「『一級河川-国土交通省』と書いてあります。」

(外国人) 「ちょっと醜い看板ですね。どうしてこんな scenic な(風光明媚な)場所に、あんな ugly (醜悪な)看板があるのですか?」

(私) 「一部の日本人にとっては河川が一級か二級かは大きな問題なのです。それに誰に管理責任があるのかを明示するのも重要です。」

(外国人) 「それにしても、川のほとりにそれを明記する必要があるのですか。百歩譲っても、あんなに大きな看板は要らないでしょう。 “わび” や “さび” を解する国の方が、一方でこういった看板を許しているのは、どうしてなのか、私には分かりません。」

実はこうした話は山ほどあります。

2003年に小泉首相(当時)が、2010年に日本を訪れる外国人旅行者を1,000万人に倍増することを目指して「観光立国」を推進する、と施政方針演説で表明して以来、ビジット・ジャパン・キャンペーンが始まりました。

予算も付いたし、国際観光振興機構といった独立行政法人もあります。

しかし日ごろ外国人旅行者を案内している現場の方々の声がどの程度吸い上げられているのか-疑問に思うことも少なくありません。

外からの目を意識することはまた自分たちの住む国をより魅力的な国にすることに繋がっていくのではないでしょうか。

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2007年9月19日 (水)

5年間で最大の上昇

FRBが金利を0.5%引き下げたことで、ダウ平均株価は335ポイント上昇。

ダウ平均株価が一日でこれだけ上げたのは、2002年10月15日以来ですので、(ほぼ)5年間で、最大の上昇ということになります。

9月8日付けのブログで書きましたように、マーケットは0.25%のカットを予測していましたので、5.25→4.75 という 0.5% のカットは、予想以上の下げ幅でした。

公定歩合も併せて 0.5% 引き下げ 5.25% としています。

ダウ平均株価は今年の7月中旬に、史上最高値(引値ベース)の14,000.41を記録していますが、昨日の引値 13,739.39 は、これにあと一歩(1.9%)のところにまで迫っています。

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2007年9月18日 (火)

リーマンブラザーズの第3四半期

アメリカで18日になりました。

先ほど発表されたリーマンブラザーズの第3四半期決算は、アナリストたちの予想(EPS:1.47ドル)を7セントほど上回る、EPS:1.54ドルであった為、リーマンの株価は上昇。

リーマンの詳しい決算発表は『こちら』。

ダウ平均株価も午前10時(米EDT)の時点では、昨日末比で上昇。

円ドルも、ドル高に振れています。

次のポイントは今から4時間後。

日本時間 3:15AM(米EDT 2:15PM)にFRBがどういった発表をするかですね。

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2007年9月16日 (日)

外国人の訪問者数

先月プラハを訪問した際に、

『プラハには毎年6百万人の外国人観光客が訪れます』

といった話を現地の方から聞きました。

日本はどうなんだろうと思って調べてみると、約730万人。

中国を訪れる外国人の数に比べると、約7分の1。

世界各国・地域への外国人訪問者数(2006年 上位40位)

Ranking_3

上のグラフを見ますと、日本は、マレーシア、香港、タイ、マカオ、シンガポールよりも下位にランクされています。

(注:詳しくは『こちらのサイトをご覧下さい。)

これを見て驚いたのは私だけでしょうか。

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2007年9月13日 (木)

13でなくて17

今日は13日ですが、先日のイタリア人の友人の話によりますと、

イタリアでは、13ではなくて、17がunlucky number だとして嫌われているとのこと。

なぜ17なのかと聞きましたら、

『クロネコが目の前を横切ると不吉だと思われている理由と同じ。

つまり、理由なんて無いと思う』

とのことでした。

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2007年9月12日 (水)

Family Name を斜線で消す

私がモルガンにいた時に一緒に働いたことのあるイタリア人が、奥さんと一緒に日本に休暇でやってきました。

ご主人の方は、今では別の投資銀行に移り、そこでマネージング・ダイレクターをしています。

奥さんはベルギー人で、実家が化粧品会社を持っており、今ではそこの会社の経営をしているとか・・。

先日、彼等を箱根とか銀座などに案内して回ったのですが、一日中英語を話しているとさすがに疲れました。

話題の豊富なご夫妻で話があちこちに飛ぶのですが、例えばフランスのサルコジ大統領夫人について。

『ブッシュ大統領夫妻がサルコジ大統領を(メーン州にあるブッシュ家の別荘での)食事に招待した。ブッシュ家はご夫妻を初めとして、父親の元大統領まで出席したのに、サルコジ夫人は体調不良を理由に欠席した。しかし翌日、サルコジ夫人がショッピングしているところをパパラッチに撮られた。』

最近のインドについて。

『インドに行くたびに2~3週間前と大きく違っているのにびっくりする。今ではムンバイにオフィスを構えようとすると、きちんとした場所ではニューヨークより(家賃が)高い。』

ご夫妻から貰ったカードには、奥さんのファーストネームとご主人のファーストネーム、そしてご主人のファミリーネームが、(住所と電話番号とともに)印刷してありました。

よく見ると、ファミリーネームのところにわざわざボールペンで斜線が引かれて消されたようになっています。

イタリアの習慣で、より親しい友達に出す時はこうするのだそうです。(ファースト・ネームで呼び合う仲であることをより一層強調するということなのでしょうか・・)

10枚カードを出すとして、こうしてファミリーネームを消すのは1~2枚だとのことでした。

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2007年9月 8日 (土)

注目すべきは18日

9月18日は2つの理由で注目されます。

まず第一。

米国FRB(Federal Reserve Board)のFOMC(Federal Open Market Committee)が開かれます。

現在の大方の予想は、現状の5.25%の金利が引き下げられ、5.0%になるだろうというもの。

なお、今後のFOMCは次のスケジュールで開かれます。

金利はそれぞれ以下のようになるだろういうのが、現在のマーケットの一般的な見方です(Dow Jones Newswires/CNBCが米国にある21の全てのプライマリー・ディーラーにヒヤリング調査した結果。彼らの予想値のmedianです)。

9月18日 5.25%→5.0%

10月30/31日 5.0%→4.75%

12月11日 4.75%→4.5%

もう一つ。

9月18日には投資銀行の先頭を切って、リーマンの第3四半期の結果が発表されます。

投資銀行各社の第3四半期決算発表スケジュールは下記の通り。

リーマン:9月18日

モルガンスタンレー:9月19日

ベア・スターンズ:9月20日

ゴールドマン:9月20日

この中で、債券業務(Fixed Income)に強いのがリーマンとベア。

サブプライムの影響も一番多く受けたのではないかと噂され、株価も一番下げています。

果たして、実態はどうだったか。

全ては9月18日朝8時(NY時間です)に明かされます。

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2007年9月 7日 (金)

5ヶ月ぶり

『前回いらしたのは、4月ですね。』

今日はようやく少し時間が見つかりましたので、スポーツジムに行きました。

受付の女性に『前回来たのはいつになってますか?』と尋ねたら、カタカタとコンピューターの端末をたたきながらこう教えてくれました。

確かに、ここのところ土、日もなく毎日働いていたものですから、そう言われてみれば5ヶ月ぶりというのも納得できます。

ただ毎月の会費は(行っても行かなくとも)口座から引き落とされています!

久しぶりにジムに行って体を動かすとやはりとても気持ちがいいものです。

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2007年9月 3日 (月)

市場の声

16,791円(8月13日始値)で始まり、15,273円(8月17日終値)で終わったBloody Week(血まみれの、むごたらしい一週間)。

その後もボラティリティの高い動きが続き、こうした最近のマーケットの動きにやや翻弄されている投資家の方も多いかもしれません。

こうした時に重要なのは 『木を見て森を見ず』ということに陥らずに、歴史的にも、空間的にも広い視点を持つこと、そしてマーケットに対して奢ることなく謙虚な気持ちを持ち続けることのように思います。

山あり谷ありの株式市場。

半世紀近くもの間、この株式市場と共に歩み、その間、約90冊もの本を著作している経済評論家の三原淳雄さんがつい最近出したのが 『金持ちいじめは国を滅ぼす』という本です。

やや挑発的なタイトルですが、中身は痛快。長い間、マーケットと共に歩んできた三原さんならではの切り口で最近の日本が語られています。

『市場の声』がそこにはあり、株式投資を行う際の自らのスタンスを確認する上でも有用な本だと思いました。

先週三原さんとお会いした際、『この相場の急激な下落の中で岩崎さんは持ち株をどうされましたか』との質問を受けました。

『今のところは売った株はひとつもありません。現金がほんの少しだけあったので、僅かですが少しだけ買いました。』

とお答えしました。

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2007年9月 1日 (土)

がん撲滅への挑戦

前回の重粒子線セミナーでの講師の方々の話などから ・ ・。

1981年以来、日本人の死因のトップになっている「がん」。

現在、新規にがんにかかる人(がん罹患数)は年に62万人。

それが、2020年にはもっと増えて、年80万人が新たにがんに罹患するようになると言われています。

厚生労働省研究班の推計によれば、生涯のうちにがんに罹る可能性は男性の2人に1人、女性の3人に1人とされています(平成19年6月『がん対策推進基本計画』第2頁)。

「私も5割の確率でがんに罹るのか・・」などと考えてしまいますが、重粒子線セミナーではある講師の方が次のように話していました。

「2006年のWHO(世界保健機構)の報告によりますと、がんの40%は予防によって防げるとのことです。

例えば喫煙を止める。あるいは太り過ぎないように気をつける。

そういったことに気をつけることで、がんにかかるリスクを減らせるようになります。」

取りあえず自分で出来ることはする。後は科学や医療の発達を待つしかないのでしょうが、第一線でがん撲滅へ向けてがんばっておられる方々へエールを送りたいと思いました。

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