美しい国
日本を訪れる外国人の数が少ない(9月16日のブログ・エントリー参照)。
この問題の解決の為には、我々が謙虚になって、美しい、魅力ある国づくりに励むことが必要です。
私は通訳案内業の国家試験に通って、学生時代、外国人の観光客を日本の各地に案内する仕事(アルバイト)をしていました。
社会人(銀行員や投資銀行家)になってからも外国の方を日本各地に案内することが、これまでによくありました。
数年前に京都を案内した時の話。
(外国人) 「綺麗で、情緒ある川ですね。ところであの大きな看板には何て書いてあるのですか?」
(私) 「『一級河川-国土交通省』と書いてあります。」
(外国人) 「ちょっと醜い看板ですね。どうしてこんな scenic な(風光明媚な)場所に、あんな ugly (醜悪な)看板があるのですか?」
(私) 「一部の日本人にとっては河川が一級か二級かは大きな問題なのです。それに誰に管理責任があるのかを明示するのも重要です。」
(外国人) 「それにしても、川のほとりにそれを明記する必要があるのですか。百歩譲っても、あんなに大きな看板は要らないでしょう。 “わび” や “さび” を解する国の方が、一方でこういった看板を許しているのは、どうしてなのか、私には分かりません。」
実はこうした話は山ほどあります。
2003年に小泉首相(当時)が、2010年に日本を訪れる外国人旅行者を1,000万人に倍増することを目指して「観光立国」を推進する、と施政方針演説で表明して以来、ビジット・ジャパン・キャンペーンが始まりました。
予算も付いたし、国際観光振興機構といった独立行政法人もあります。
しかし日ごろ外国人旅行者を案内している現場の方々の声がどの程度吸い上げられているのか-疑問に思うことも少なくありません。
外からの目を意識することはまた自分たちの住む国をより魅力的な国にすることに繋がっていくのではないでしょうか。
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