がんばれ東芝
私が投資銀行のリーマンブラザーズを辞めたのは今から4年半前の2003年5月です。
興銀の審査部や企業投資情報部に在籍していた時代(1987年~1998年)や、その後投資銀行に勤めていた時代(1998年~2003年)は、取引先企業の内部情報に接することが多かったので、私は株式投資を行うことが出来ませんでした。
投資銀行を辞めた後も、投資銀行時代に取引先として接していた企業の内部情報は、私の頭の中に残ります。
このため株式投資はずっと控えていました。
投資銀行を辞めてから私が初めて日本株の株式投資を行ったのは、(辞めてから)2年近くたった2004年12月。
投資銀行時代には殆ど接点の無かったトヨタの株を(3,860円で)買いました。
この時でも、投資銀行時代に比較的接点の多かった総合電機の株は、変な誤解を受けるのも嫌なので、買うのを控えました。
そして、退職後3年以上経過した2006年8月に東芝の株を買いました。
実はそれ以前に、『間違いだらけの株えらび』という株式投資に関する本を2006年2月に出版していました。これは、企業価値という観点から株式投資の考え方を記した本で、トヨタを題材にしてDCF(Discounted Cash Flow)を使って企業価値、株式価値を計算するというものでした。
幸いにして、この本は好評でしたので第2弾という話になりましたが、編集者の方から次のような指摘を受けました。
「『間違いだらけの株えらび』にはトヨタ以外の株式の記述が殆どありません。それではお金を出して本を買っていただく読者にとっては『お得感』がありません。」
そこで第2弾にあたる『世界一受けたい株の授業』という本では、いろいろな業界から11社を取り上げ、簡単に『ひと口コメント』を載せることにしました。
その際、東芝については、『西田社長になって変わってきた。ポイントは西田社長がどこまで東芝を変えることができるかだ』といった趣旨のことを書きました。
投資銀行に勤務していた時代には、私は西田さん(当時はデジタルメディアネットワーク部門のヘッド)にはお会いしたことはありませんでしたが、米国のA社の幹部から、『東芝にいる西田というヒトは凄い人だ』といった話を耳にしていました。
(西田社長については昨日の朝日新聞朝刊『be』の特集で取り上げられていますのでご関心のある方はそちらをご参照ください。)
半導体業界における世界シェアでみても最近の東芝は存在感を高めてきています。
企業は経営者で変わるといいますが、最近の東芝の躍進振り(と、それとは対照的に引き続き低迷を続けている一部の総合電機銘柄)を見ていますと、このことを実感させられます。
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コメント
岩崎先生、こんばんわ。
次世代DVDで東芝が採用しているHD DVD規格、近いうちに無くなるのではないかと思っています。
量販店をのぞいて見ても、BDメディアは多数の会社の製品が販売されており、特設コーナーもありますが、HD DVDは、ほんの申し訳程度にメディアが並べられている状況です。
次世代DVD規格はBD陣営の勝ちだと思いますが、それでも東芝はHD DVDに固執してPCにHD DVDを組み込んでいます。
東芝の最新の最上位モデルのPCであるQosmio G40/97E PQG4097ERPは、値段が40万円近くします。
ですが、値段に見合った仕様を備えていると思うので、HD DVDではなくBDメディアの読み書きが出来るなら、僕も欲しいと思うのですが・・・
投稿: まさくん | 2007年12月26日 (水) 23時52分