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2008年1月22日 (火)

封緘ファンド

昨日の日経平均は535円の下落(▲3.9%)。

上海、香港、シンガポール、ムンバイ(インド)の株式市場もそろって下げました。

* * *

『9時15分、日経平均は早くも500円安。

主力株はなお商いが成立せず、気配値を切り下げる。

・・・「怖くなってきた」。

準大手の株式部長が真顔でつぶやいた。

前場は棒下げで1720円安。』

* * *

これは昨日の日経金融新聞の記事ですが、昨日の株式相場を書いたものではありません。

昨日の日経金融新聞が1990年4月2日の株式相場を書いたものです。

株価が下げる時にはこんな感じで下げていきますので、こういったことも起こり得ると心の片隅に覚悟しておく必要があります。

ところでバブル(1989年)の頃に証券関係に従事されていた方々はご存知なのでしょうが、当時良く耳にした言葉に封緘ファンドというものがあります。

『国際優良株中心に○○億円』

『内需株中心に○○億円』

と大凡の指示だけしておいて、後は証券会社がそれに副って銘柄を選び、銘柄を書いた紙を封にして渡されるというもの。

5年後や10年後にその封を開けるまで、投資家(発注者)には運用結果がどうなったか分からないという仕組みです。

実際にこの種の封緘ファンドが設定されたのか、あるいは話だけで終わったのか、詳しいことは知りません。

ただ、自分がどの株に投資をしているのか知らなければ、目先の相場の動きに一喜一憂することもありません。

(注)私としてはこの種の封緘ファンドを勧めている訳ではありません。また現在の法制下でこの種のファンドが合法なのかどうかも調べていません。

要は、あまり目先の動きに捉われることなく5年先、10年先を見渡して業績が上がると思われるものに投資をしていけば、どのような相場の下でも大怪我をすることはない――

このことをお話したかったのです。

バブルのピーク時に100万円を投じて日経平均を買っていれば、今のあなたは、34万円しか手にしていません(▲66万円の損失)。

同じタイミングでトヨタを買っていればどうでしょう。

あなたは207万円を手にしています(107万円のプラス)。昨日のトヨタの株価 5260円をベースにしてもこれだけのプラスになっています。バブルピーク時の89年12月29日のトヨタの株価は2540円でしたので。(実際は毎年配られる配当金がこれに上乗せされます)。

封緘ファンドの考えには賛成できませんが、目先の動きに一喜一憂しないで5年先、10年先を見渡す姿勢は大事だと思います。

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コメント

岩崎先生、こんばんわ。

>封緘ファンド

難しい名前ですね。
封緘は、「ふうかん」と読むのかな?と思いました。
今日の日経平均の下げ幅、かなり大きなものでしたが、まだサブプライムのウミが出し切れていない状況では、更なる下落も予想されそうですね。
トヨタの好業績と2.5%程度の配当利回りを考えて、「今のうちに買っておこうかな??」と思う反面、「落ちるナイフに手を出すな!」とブレーキの心も働きます。
僕の勤務先でも、マイ・カーの維持費は馬鹿にならないので、クルマを手放した人も数名居ます。
排気ガス出して走るクルマは地球温暖化の原因になるし、5年先、10年先を見据えると、パソコン販売のように、薄利多売に向かうのではないかと思い直しました。
僕の場合は、クルマの会社よりも、人命を救うための新薬開発に努力している製薬会社の株式を保有したいです。

投稿: まさくん | 2008年1月22日 (火) 23時45分

>5年先、10年先を見渡して業績が上がると>思われるものに投資をしていけば、どのよう>な相場の下でも大怪我をすることはない――

5年先、10年先のことが分かるのなら、みんなぼろ儲けですね。

投稿: ふがし | 2008年2月 1日 (金) 18時55分

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