新春に想う
正月休みにDVDで何本か映画を観ました。観終わって余韻に浸りながらエンド・クレジットのところを眺めていますと、実にたくさんの人々が映画の製作にかかわっていることに驚かされます。
映画を創るということは、プロデューサーたちが製作に必要な人を集めて、あたかも一つの会社を興すが如く作業を進めていくことです。『業を興す』ことが凝縮されているような側面があります。
『業を興す』-これは、人を雇い、結果として人々に雇用・生活の糧を提供し、世の中に対して『価値あるもの』(製品・サービス)を送り出していくことです。
私が学生時代に就職先として日本興業銀行を選んだのも、こういった業を興すことに係わっていきたいと思ったからにほかなりません。
そして私はこれまで金融の世界を通じて業を興すことに関与してきましたが、一方で、会社を駄目にしていく経営者たちも随分たくさん見てきました。
ビジネスは戦争ですから、戦国時代の大河ドラマのように、駄目な領主(経営者)のもとでは、国(会社)はどんどん競争力を無くし、人を雇うどころか、人を切る(人員削減)とか派遣に頼る(人件費削減)ことに追い込まれていきます。業を興すとは全く逆のスパイラルで価値が破壊されていきます。
結果的に倒産してしまった会社、あるいは禿たかに食われるが如く他社に買収されてしまった会社を私はこれまでに多く目撃してきましたが、最後に一番辛い思いをさせられるのは末端で働いている従業員の方たちです。
そういった意味で経営者の責任は重大だと思います。
ところで現在私が代表を務めるインフィニティという会社は大きく分けて2つの業務内容を持っています。
一つは経営コンサルタント業務で、顧客である会社の経営者の方たちと一緒になって価値の創造・競争力の強化について考えます。
もう一つはベンチャー・キャピタル機能で、それも極めて初期のエンジェルとしての投資です。こちらは多くの場合、まさに出発点、ゼロから企業を興すところに係わるものです。
そしてインフィニティの特徴は、これらの業務を行うに際して、その時々に応じて必要なプロ達が外部から集まって業務を遂行することにあります。いわば映画が作られる際に、『カメラは▽▽に、CGは△△、スタントは◇◇に・・』とそれぞれが集まって仕事にあたるのと同じような形態です。(旧来型の固定的な会社組織に慣れた方たちにはチョッと分かりにくいかもしれませんが・・)。
設立して5年を迎えますが、引き続き『業を興すこと』、『価値の創造』に寄与していきたい。新春を機にそういった想いを強くしました。
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