転換社債
私は45歳の時に興銀から外資系投資銀行に移りましたが、それまでは投資銀行業務の経験がさほど無かったこともあり、毎日が勉強の連続でした。
例えば転換社債(CB)について。
『欧米の機関投資家には転換社債に専門的に投資している投資家が数多くいる(SB【straight bonds】の投資家層と違う)』
『転換価格はどう設定すべきか』
こういった諸点について、ニューヨークからやってくる専門家たちにいろいろと教えてもらいました。
さて火曜日(4月1日)に発行されたリーマンのCB。
まさに教科書に紹介されうるようなディールでした。
月曜の段階では、リーマンが日本で詐欺に巻き込まれた(350億円の損失の可能性も)といった記事がウォール・ストリート・ジャーナル紙などで大々的に報じられ、
また市場には、これから先、ベア・スターンズに続く金融機関が出るのではないかとの疑心暗鬼もあったことから、
リーマンの株は35.30ドルまで売られ、37.64で引けていました。
そういった環境のもとで発行されたCB。
発行されたCBは、$1,000 per share で、リーマン株、20.0509 sharesに転換可能。
転換価格は、$1,000 ÷20.0509 = $49.87
となります。
リーマンはこれを$4 billion (4000億円)売って資金を調達。
マーケットはこれを好感し、リーマン株は昨日17.8%上昇して引けています。
こういった、『市場での通常の取引ベースで資金が調達されたこと』を、市場全体も評価。
ダウ平均株価も391ドルを上回る上昇となりました。
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コメント
個人で投資できたらなぁ、と思います。7%以上の利回りで、且つ転換権がついているなんて素晴らしいです。
投稿: | 2008年4月 2日 (水) 22時52分