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2008年5月 7日 (水)

メドゥーサ(その7)

原油価格が高騰し、石炭、非鉄(銅、鉛、亜鉛など)、鉄鉱石などの資源価格全般や穀物の価格までが高騰を続けると、世界各国においてインフレが問題となってきます。

例えば新興国として脚光を浴びるベトナムのインフレ率はどのくらいか、皆さん見当がつくでしょうか?

JETROによると、2007年12月のベトナムの消費者物価上昇率は前年同月比12.6%の上昇(詳しくは『こちら』)。

先月大学時代のゼミの先輩が主催しているEarly Bird Seminar で榊原英資さんの講演を聞きましたが、席上、榊原さんはベトナムは足元20%くらいのインフレかもしれないと話していました。

因みにその時の榊原さんのスピーチでも各国のインフレについて話が及び、次のように話されていました。

CPI

米国 4.0

欧州 3.5

中国 8.3

インド 7.0 (WPI)

ベトナム 20.0

5月5日バーゼルで行われた国際決済銀行(BIS)本部での主要国中央銀行総裁会議でも、『世界的なインフレ加速を警戒すべきだとの認識で一致した』(5月6日付け日本経済新聞5面)とのこと。

日本の3月の消費者物価上昇率はまだ1.2%(前年同月比)ですが、これでも10年ぶりに高い水準とのこと。

世界の富が、MEDUSA諸国や、ブラジル、カナダ、オーストラリア、ロシアといった、原油・資源・穀物を産出する国々に移転していっていることの歪みが、こういった数値に現れてきていると見ることも出来そうです。

かつてゼウスの娘アテナの怒りを買い、その美しい髪の毛を全て蛇に変えられてしまったというメドゥーサ。

目を合わせると見たものは全て石にしてしまうという魔力を持ったと言います。

現代の社会で世界の富を吸い寄せようとしているMEDUSAの諸国は、ギリシャ神話と同じように他国を石に変えてしまうような魔力を持つのでしょうか・・。

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コメント

岩崎先生、こんばんわ。

>歪み

現在、起きている状況が、市場の失敗だと仮定すると、今こそが日本株の絶好の買場のようです。
メドゥーサは、もうすぐ、神国・日本の鏡の盾によって衰退すると思います。
冗談はともかく、資源がお金で売買されている間は平和だと思いますが、武力による奪い合いになりはしないかと、心配します。

投稿: まさくん | 2008年5月 8日 (木) 00時37分

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