メドゥーサ(その8)
世界経済を支配してきたゲームのルールが変わるかもしれない。
そのことを頭の中に入れておくことが株式投資に際しても重要になってきます。
例えば日本の粗鋼生産量。
過去最高の粗鋼生産量は(これまでは)昭和48年度に記録した1億2,002万トンでした。
それが昨年度(平成19年度)は、なんと34年ぶりに、上記の記録を破り、生産量1億2,152万トンを達成したのです。
その結果、例えば新日本製鐵の平成20年3月期売上は4.8兆円で、これは当社設立以来、最高の売上高になりました。
そればかりではありません。新日鐵の今期(平成21年3月期)売上予想は、昨年度を更に12%も上回る5.4兆円です。
ところが株価の方は、過去2年間の動きをグラフにすると以下のようになります。
『原燃料価格は下期以降足下にかけて、・・急激かつ大幅に上昇し、・・原料炭のスポット価格が高騰する等、想定を大きく上回るコストアップとなりました。』
これは今年3月6日に新日鐵が営業利益見通しを下方修正(5,800億円→5,450億円)した時のプレス発表文です。
原油、資源(石炭、非鉄、鉄鉱石)、穀物の価格の高騰。
このことが投資先の企業業績にどう影響するのか。
投資家の方々はこの点を見極めることが必要です。
また経営者の方々にとっては、こうした環境下で如何に利益を上げていくかの経営手腕が問われます。
新しいゲームのルールの下では、これまでの勝者が引き続き勝者であり続けることは約束されていません。
過去の成功体験に捉われずに柔軟な頭を持つことが必要です。
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コメント
岩崎先生、おはようございます。
>新しいゲームのルールの下では、これまでの勝者が引き続き勝者であり続けることは約束されていません
トヨタ自動車の株価、パッとしなくなりましたね。
製造コストの高騰に加えて、環境問題もあり、これからは、自動車会社の経営は厳しくなる一方だと思います。
ところで、僕は、主に製薬会社(ジェネリック薬品の会社は除きます)の株式を買っています。
創薬型の製薬会社に投資しようと思った理由は、配当利回りが2%程度のこともありますが、それよりも、製薬会社に投資することによって、尊い人命を救うための革新的な医薬品の誕生に、間接的に貢献したいと思ったからです。
「本田美奈子.さんの最期のボイス・レコーダー」、「長島千恵さんの余命一ヶ月の花嫁」という番組を見て、ますます、その思いが強くなりました。
投稿: まさくん | 2008年5月10日 (土) 11時02分