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2008年7月 3日 (木)

神曲

風邪を引いてここ一週間ほど体調を崩していました。(特に一昨日は熱を出して寝込んでいました。)

熱のせいかもしれませんが、普段余り考えないようなことを考えました。

世界の国にはいろいろな言語があり、過去形や未来形が無い言語があると聞いたことがあります。

『私は昨日買いものに行く』

『私は明日買いものに行く』

昨日とか明日をつければ、動詞を『行った』とか『行くでしょう』とか変化させなくても意味は通じます。

もっともドイツ人にしてみれば、日本語のように名詞が男性名詞、女性名詞、中性名詞に分かれていない言語があることが不思議なのかもしれません。

言葉というものは人間が抱く思想や概念を現すものでもありますから、

日本語では的確な言葉が無い外国の言葉があるし、その逆のケースもあるように思えます。

にもかかわらず多くの言語において地獄とか天国(極楽)という言葉があるのはどうしてでしょうか?

仏教でもキリスト教でも、そしてイスラム教でも、地獄(に近い世界)があるのは、

実は本当に地獄があり、人類の遺伝子の中にその情報が埋蔵されているからではないか。。

そんなことを考えていたのです。

実は風邪を引いて体調を崩す前、私はダンテ・アリギエーリの『神曲』(地獄篇)を読んでいました。

4分の1ほど読み終えたところで、熱を出し中座していますが、言葉について考えながら、どうして多くの言語に『地獄』という言葉があるのかを考えてしまうというのは、やはりダンテの影響なのでしょうか。。

それにしてもダンテの『神曲』、思ったよりも読みやすく、面白いです。

例えばダンテが地獄の第二圏で見たのは、古代アッシリアの皇后セミラミス、そして、カルタゴを建設した女王ディド、更には、エジプトの女王クレオパトラ・・・

彼女らは何ゆえに地獄の第二圏に落ちたのか・・

実際に読み始めてみるまで、ダンテの『神曲』がこれほど面白い作品だとは知りませんでした。

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コメント

フランス語には「留学」という言葉(単語)がないそうですね。勉強はパリでするもので、勉強のため他国からパリにやってくることはあっても、フランス人が他国に行くことはない、という考え方かららしい。周辺諸国を見下す、いかにもフランス的な発想。単語がないということは、そういう考え方がないということでしょうから、言葉っていうのは面白い。

投稿: 神保町 | 2008年7月 4日 (金) 10時56分

岩崎先生、こんばんわ。

体調を崩されていたようで、心よりお見舞い申し上げます。

>そんなことを考えていたのです。

実は、僕は昨年の終わり頃に、重病の疑いがあり、2週間ほど入院をしました。
自分では体調の異変は感じられないのですが、検査データはクリティカルな数値を示しており、非常に心細い毎日を過ごしました。
そして、さらに悪いことに、僕の隣のベッドの患者さんが、真夜中に容態が急変し、センター治療室に運ばれたので、ますます、「死」を身近に感じました。
現在、僕は製薬会社の株式をメインに保有していますが、これは、「是非とも画期的な新薬を開発して、重病に苦しんでいる患者さんを救って欲しい」という、入院中での願いが大きな動機となっています。
「天国と地獄」と同様に「善人と悪人」の単語も、おそらくは、どの言語にも共通して存在すると思いますが、毎日、少しずつでも善き行為を積み重ねて、善人に近づきたいと思っています。

投稿: まさくん | 2008年7月 4日 (金) 22時34分

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