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2008年9月21日 (日)

リーマンブラザーズ破綻の背景(1)

サブプライム・ローンの問題が生じ一斉に格付機関に批判が生じました。昨年のことです。

さて破綻したリーマンを今回格付機関はどう格付けしていたのでしょうか。

S&P(スタンダード・アンド・プアーズ)はリーマンが破綻する一週間前(9月8日)までリーマンを長期債:A、短期:A-1と格付していました。投資適格の格付けです。

リーマンがS&PによってCredit Watchに置かれたのが9月9日(まだ格付自体はそのまま。要は『格下げするかもしれませんので投資家の皆さん注意して下さい』というのがCredit Watchです。)

この時のリーマンの株価は$7.79。

リーマンの社債を買っていた機関投資家の話:『8月くらいからヤバイと思って売ろうとしていたが売るに売れなかった。』

つまり機関投資家の方が8月から危険を察知していたのに、格付機関の方は、リーマンが破綻する一週間前であっても A、A-1と格付していた。

格付に詳しくない方の為に申し上げますと、新日鐵や日立のS&Pによる長期債格付はAマイナス。

要はS&Pはリーマンが破綻する一週間前であっても、新日鐵や日立よりもリーマンの方が安全だと高く評価していたわけです。

こうなるとやはり格付機関による格付の信憑性が問われてくることになります。

機関投資家が格付機関の格付けを信じなくなると格付機関は存立基盤を失います。

さて次回のブログではリーマンがどれくらいのモーゲージ関連商品(社債、ローン)を抱えていたかを見てみることにしましょう。

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