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2008年10月27日 (月)

Collateral Damage (その2)

先週金曜日のブログ記事の追加です。

ウルフソン教授が、

『ポールソン財務長官には、B か B- の成績(評価)しか与えられない』

と言ったのは、

ポールソンがリーマン破綻の“コラテラル・ダメージ” を miscalculate(誤算)したからです。

ポールソン氏は資本主義のロジック(筋)を通してリーマンに引導を渡しました。しかしこのことのコラテラル・ダメージ(付帯的な被害)を考えると、実はことの重要性は資本主義のロジックに固執するとかしないとか、そんなレベルを既に超えてしまっていたのです。

今回の危機に関してドイツのシュタインブリュック財務相はこう述べました。

『マルクス理論の一部はそれほど悪いものではないと認めざるをえない』。

いま急速な勢いでリーマンを破綻させたことの影響が世界に広がっています。

日本では『アメリカの時代は終わった』、『これからは日本の時代だ』、『絶好の買い場だ』といった議論が多くなっていますが、世界が危機に瀕している状況を鑑みるに違和感を感じぜざるをえません。

1914年、オーストリア・ハンガリー帝国のフランツ・フェルディナント大公夫妻がサラエボ視察中にセルビア人の青年によって暗殺されたサラエボ事件。

この事件が起きたときは、これがまさか第一次世界大戦につながっていくとは殆どの人が思っていませんでした。

あたかも94年前にセルビア人が引いた銃の引き金が世界の大波乱に繋がってしまったように、リーマンの破綻が世界の金融恐慌の引き金となってしまう・・・そういった事態に至らないように切に願います。

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コメント

岩崎先生、こんばんわ。

日本株、異常な下がり方をしていますね!
理論株価とか、従来の考え方が、まるであてはまらないような、獰猛な動きをしているようです。
こうなると、いくら馬鹿安!でも、心理的に手が出なくなってきます。
けれども、バフェットは、今でも買っているのかな?
日経平均、6千円台に突入の見方も主流になってきているようだし、世界の金融システムが破壊されそうな勢いですよね。
トヨタは中国に新しい工場を建てたそうだけど、この自動車販売不振の中、前途多難な船出のようですね。

投稿: まさくん | 2008年10月28日 (火) 00時30分

岩崎先生、こんばんわ。

今日は押し目買いで日経平均、8千円台をつけましたが、企業の業績発表を見ていると、とても株価が底を打って反転したとは言えないようですね。

2009年、そして、2010年は、日経平均が6千5百円、為替が1ドル=80円という観測もあるようで、今が「底」だと思うのは大間違いのようです。

11月13日のウォールマートの業績発表、12月のクリスマス商戦で、アメリカの消費動向が占えそうですね。

投稿: まさくん | 2008年10月29日 (水) 22時16分

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