アメリカという国
9月30日はユダヤの祝日(Rosh Hashanah Day)です。
「主 はモーセに仰せになった。
イスラエルの人に告げなさい。
第七の月の一日は安息の日(安息日ではない)として守り、角笛を吹き鳴らして記念し、聖なる集会の日としなさい。あなたたちはいかなる仕事もしてはならない。
燃やして主にささげる献げ物を携えなさい。
主はモーセに仰せになった。
第七の月の十日は贖罪日である。聖なる集会を開きなさい。
あなたたちは苦行をし、燃やして主にささげる献げ物を携えなさい。
この日にはいかなる仕事もしてはならない。
この日は贖罪日であり、あなたたちの神、主の御前においてあなたたちのために罪の贖いの儀式を行う日である。…」
(レビ記23:23~28)
さて9月30日のニューヨーク株式市場。
ユダヤ人のトレーダーたちは休んでいる人も多く、取引量はそんなに多くならないかもしれません。
日本時間10月1日 0時20分現在、ニューヨーク市場(9月30日)は230ドルほど反発。
これから先、政府のBailout Planが修正されて議会を通るのかどうか。。。
ところで、かつて米系の投資銀行に勤務していた関係上、私自身ニューヨークには何度も行っていますが、『ニューヨーク = アメリカ』 と考えると、時として我々は間違ってしまいます。
私はアメリカには中西部(シカゴ)に5年間、カリフォルニアに3年間住みましたが、中西部の人たちの間では、
『ニューヨークは異質なところ』、
『話している英語が良く分からない』、
『タクシーに乗っても運転しているのはアメリカ人じゃない』、
『ウォール街の連中の金銭感覚は異常だ』
といった意見の人たちが多くいます。
ちなみに、中西部の人たちにとってはカリフォルニアも異質(あまりに進歩的、前衛的)であり、ワシントンDC(政治家やロビイストたちが闊歩)や、テキサス、アラスカなども典型的なアメリカとはちょっと違うと考えている向きがあります。
[注] そもそも「典型的アメリカなんてあるのか」という指摘もあるでしょう。ただ中西部で耳にしたジョークに次のようなものがあります。
知っているかい?テキサスの連中が言うには:『Texas is so big, it's bigger than United States of America.』だってさ。
ということで、9月29日のBailout Planの否決。
『ウォール街の連中が犯した失敗のツケを何で我々が面倒みなくちゃいけないのかい』といった中西部の友人たちの声が聞こえてきそうです。
アメリカには新聞も全国紙がなく([注]USA Today紙はありますが)、シカゴの連中はChicago Tribune、ロスはLA Times など、読む新聞がみなそれぞれ異なります。
各紙は共和党系、民主党系といった具合に自社の意見を持っていて、なおかつそれを隠そうとしません。
そしてつ一つ一つの法案に自分たちが選出した議員がどういう投票をしたのかをチェックしてすぐ報道しています。
日本と比べて政府が議会(や国民)をコントロールするのが比較的難しい状況下にあります。
Bailout Planが否決された背景にはこういった事情も影響しているように思います。
| 固定リンク
コメント
選挙が11月に迫っていますから、議員は有権者の心情に忠実にならざるを得ないでしょう。選挙で落とされては元も子もありませんから。
「ウォール・ストリートの問題がメイン・ストリートの問題に直結している」という認識が全土の有権者にどれだけあるか、に係っていると
思います。
投稿: 神保町 | 2008年10月 1日 (水) 14時22分