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2008年11月16日 (日)

グロソブ

グロソブの続きです。

昨日ご紹介した週刊東洋経済の7月5日号に掲載されている、グロソブ生みの親と称される山内さんのお話を引用します。

『もともと先進国の国債は、5%ぐらいの金利と為替差益で2%ぐらい取れれば、年間7%程度のリターンが見込めるというのが基本的な想定としてある。

そこから信託報酬の1.25%(課税前)を引いたら、お客さんの手元に残るのが5%台後半。

これが分配金(毎月40円)に回る。』

私はこのブログで2年ほど前から円キャリーについて何度か書いてきました。

グロソブの設計理念は円キャリー取引と非常に似ているのがお分かりだと思います。

ほぼ2年前の昨年1月3日に掲載した記事を下記に再度掲載します。

投信を買うのか、持ち続けるのか、解約してしまうのか。

決めるのは一人、一人ですが、販売員の話を鵜呑みにせずに、よく考えて、必要な情報を入手してから決めれば、たとえ焼けどをしても納得感が違うと思います。

2007年1月 3日 (水)

円キャリートレード(1)

ケネディ元大統領の父は、ニューヨークの街頭で靴磨きに靴を磨いてもらっているとき、その靴磨きの少年が株の話をし始めたことで、手持ちの株式の売却を考え始めたと言われています。

『こんな少年までが株に浮かれているのはどこかおかしい』と考え、手持ち株を処分し始め、全て処分し終えたところで、1929年10月24日の歴史的大暴落が始まりました。

ところで、話は若干それますが、昨年末、私は、いろいろな方たちと『忘年会』をご一緒する機会に恵まれました。

そこで気づいたことですが、実に多くの方たちが、外貨預金に関心を持っておられました。

いわく

『世界の通貨で、円と米ドルだけが安くなっている。日本人は対US$でしか円の価値を考えないから、如何に円安になっているかを実感していない。』

『6年前に円をオーストラリア・ドルに変えて預金したが、ずっと5%以上の金利を享受できた。為替の面でも豪ドル高に振れ、100万円が190万円になった。』

さて、このように敢えて為替リスクを取ってまでして、金利の高い通貨で運用することを、『キャリートレード』と言っています。

『金利の低い通貨で借り入れて(もしくは金利の低い通貨の資産を取り崩して)調達した資金を、外国為替市場で金利の高い「ほかの通貨」に交換し、その高金利で運用して金利差収入を狙う取引』のことです。

教科書的には、市場では裁定機能が働き、金利差で儲けても、為替で損失を被る可能性が高くなるのですが、ここ6~7年の円の為替レートを見る限り、こういった裁定機能は余り働いてきていません。

結果的に豪州ドル預金をした人は、為替でも儲け(2001年1月 1豪州ドル=64円 ⇒

2007年1月 1豪州ドル=94円)、金利差でも儲けることが出来たことになる訳です。

このようなことは、いつまでも続くのでしょうか?

バブルが破裂した時のように、結果的に、誰かがババを引き、大損するのでしょうか?

それとも、この『Bus』が快適なバスなら、我々も乗ってみた方が良いのでしょうか?

これから先、この円キャリートレードについて、考えていくことにしましょう。 

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