大恐慌の記憶(その2)
オバマ陣営関係者の間では、ルーズベルト就任後の100日間を描いた『The Defining Moment』が盛んに読まれているといいますが、
米国の一般の人々(特にビジネスマン)の間で読まれている本がこれ。
アマゾン全部門で253位。
経済関係で1位。
日本でも「大暴落1929」となって翻訳され出版されています(ジョン・K・ガルブレイス著、村井章子訳、日経BP社刊。)
1955年に初版が発行されたこの本は、その後も版を重ね、1997年版に著者がまえがきを寄せています。
すごいのは1997年に書かれたこのまえがきが、今日の事態をあたかも予言していることです。
以下、ほんの一部を引用します。(読みやすく改行したところがあります。)
『1955年の出来事はほんの手始めに過ぎない。
70年代にはオフショア・ファンドが相次いで破綻。
87年にはあのブラックマンデーがあった。
どれも1929年の出来事ほど劇的ではなく、また深刻に懸念するにもおよばなかったが、それでも多くの人があのときを思い出し、その結果この本は印刷され続けることになったのである。
1997年のいまもそうだ。
現在のアメリカ人が本書に書かれているような投機熱にとりつかれていることは、無責任な楽観論にとらわれていない人の目には、火を見るより明らかなはずだ。
理性に従って投じているとは到底考えられないような量の資金が株式市場に流れ込んでいる。
ファンドも乱立状態で、投資をしているのが金融を知り過去から学んだ人ばかりでないことは明白である。』
ガルブレイスのこの本のことについて米国の友人と話した時に、次のような質問をしてみました。
『グリーンスパンの波乱の時代(The Age of Turbulence)はアメリカでは読まれていないのですか。』
私のBlack Joke を彼は次のようなJokeで返してきました。
『いまではThe Age of Ignorance(無知の時代)と言われているよ。』
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コメント
いつも、拝見させて頂いてます。
気になって調べてみたら、実際に、Greenspan's Bubbles: The Age of Ignorance at the Federal Reserveという本が出版されていました。
投稿: 石油監査人 | 2008年11月 9日 (日) 16時46分