大恐慌の記憶(その7)
381ドルあったダウ平均株価(1929年9月3日)は、9分の1の
41ドルまで下げました(1932年7月8日)。
それでは、その後、何時の時点で、株価は再び、恐慌前の381ドルに達したのでしょうか?
すなわち恐慌から回復するのに、少なくとも株価に限って言えば、どのくらいの期間が必要だったのでしょうか?
答えは25年間です。
1954年11月23日になって、株価はようやく383ドルをつけます。
長期投資といっても、それは平時に意味をなす考えであり、平時ではない場合、たとえリスクを取って株式投資をしても、仮に25年もかかって元に戻るようでは、あまり意味はありません。
50歳のときに100万円投資して、その後、株価が下落して、漸く75歳の時にもとの100万円に戻ったとして、あなたは満足でしょうか。
ウォーレン・バッフェトは天才的な投資家ですが、大恐慌「後」の、ある意味で『平時』の時代に投資を行なって財を成したと言えるでしょう。
はたして100年に1度の危機と言われる今の状況は
(1)『平時』から『非常時』へ移行しつつある過程と見るのか、
あるいは
(2)今の崖っぷちの状況から、今後、回復していくのでしょうか。
当たり前のことですが、この見極めこそが投資に際してもっとも重要だと思います。
下記は1929年9月3日から1954年11月23日までの
25年間強のダウ平均株価推移です。
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