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2009年3月21日 (土)

2兆5000億円を失った男(その2)

Berkshire Hathawayの年次報告書を見ますと、ウォーレン・バフェットは

「私は自分の個人資産の99%をBerkshire Hathawayの株式の形で保有している」

と記しています(2008年版アニュアル・レポート89頁)。

アメリカには 「一つのバスケットに全ての卵を入れるな」 という言葉がありますが、

バフェットは年次報告書の中で、このような 「eggs-in-one-basket situation」 に対して comfortable であると述べています。

彼が年間で2兆5000億円も失ってしまった(あくまでも計算上ですが)のは、

Berkshire Hathawayの時価総額(株価)が1年間で32%も下落してしまったからです。

【株価】

2007年末   → 2008年末

141,600 ドル  → 96,600 ドル

【時価総額】

2007年末       → 2008年末

220 十億ドル →  150 十億ドル

実際のところBerkshire Hathawayの過去一年間の株価の動き(パフォーマンス)は、

下図のように、S&P500並みでしかありませんでした

(青字がBerkshire Hathaway、赤字がS&P500)。

Brk_vs_sp500_4

2009年2月28日に公表されたBerkshireの2008年度年次報告書によりますと、

同社の08年度利益は、対前年度比62%減の49億9000万ドル。

特に衝撃的だったのは部門別収益の数字です。

すなわちBerkshireの投資・デリバティブ部門の損益は46億ドルの純損失を計上(年次報告書62頁)。

そればかりか全デリバティブ投資について見通しが100%外れた場合、

672億9000万ドルの支払が発生する可能性があることもディスクローズされました(『こちら』の記事を参照。なおBerkshireの2008年度年次報告書は『こちら』)。

さすがのバフェットでさえ今回の世界同時不況には苦しんでいます。

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