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2009年3月29日 (日)

ゼロ金利下での毎月分配型投資信託

金融恐慌後のサバイバルマネー術』という本を新しく出しました。

       Photo

世の中には数多くの『マネー本』が出ており、そういった本を読まれている読者からは、この本は批判を受けるかもしれません。

はっきりとした結論が書いていないからです。

この本を書くにあたっては私も『マネー本』を30冊くらい買って読みました(実にたくさん出ています。)

今、出ているマネー本は4種類ぐらいに分類されます。

(1)恐慌です。金(ゴールド)を買いなさい。商品(コモディティ)に投資しなさい。

(2)日本企業の潜在力は凄い。今こそ日本株です。

(3)長期投資です。地域的にも分散投資して長期保有しなさい。

(4)インデックス投資です。株価指数連動型のETFを買いなさい。

本を読む人にとっては答えを言ってもらえると安心出来ます。

しかしガイトナー財務長官が策定した不良資産買取策が上手く機能しなかったらどうなるんだろう。。。アメリカは議員達がAIGの幹部たちに対して、「辞めるか、自殺しろ」と公然と言うような政治風土にあります。理論やロジックが常に優先するわけではありません。

長期投資の神様、ウォーレン・バフェットでさえ昨年1年間で個人資産を4割も減らしています。

それにあなたが今もし60歳で、株式市場が回復するのに何年もかかるとしたら、長期投資にどれだけの意味があるのでしょうか。

インデックス投資についても全く同じことが言えます。現金に投資するよりも、インデックスの方が有利と断言できるのかどうか。株価が回復しなければ(今後下落するのであれば)、インデックス投資など(今のタイミングで)しない方がよいと言えます。

そんなことをいろいろ考えていくと、安直な答えは見つからなくなってしまいます。したがって上記の本は、マニュアル本のような手引き書でもなく、答えが書いてあるわけでもありません。

その代わり、我々が見落としてしまっているかもしれない、「投資を考える上でのポイント」を出来るだけたくさん盛り込みました。

例えば、日本で最も多く売れている投資信託といえば、毎月分配型のグローバル・ソブリン・オープン(通称「グロソブ」)です。

このファンドが商品設計された1997年頃は、日本はバブル崩壊後の劣悪な経済環境下にあり、99年、速水日銀総裁は、短期金利の指標である無担保コール翌日物金利について「ゼロでもよい」と発言。一方、世界の主要先進国の金利は当時それほどまでには下がっていませんでした。

つまりグロソブは、金利と為替の裁定(下記注参照)が、現実の世界では理論どおり完全には働いていない(為替を決めるのは金利差だけではない)という状況下にあって、日本と海外との金利差を利用して、より高い運用パフォーマンスを上げることを狙った商品でした。

それが今ではどうでしょう。

アメリカは実質ゼロ金利、イギリスは0.5%です。

海外先進諸国も日本と同じようにゼロ金利近くになってしまった状況下で、どうやって毎月の分配金を捻出するのでしょうか。。。

(私はグロソブを批判しているわけではありません。むしろグロソブはファンド・オブ・ザ・イヤー2008(モーニングスター社)に選ばれたことからも分かるように、この分野では評価の高いファンドだと思います。

ただやはり海外先進諸国も日本と同じようにゼロ金利近くになってしまった現況下で、

1.3%を超える信託報酬を毎年取られた上で、どうやって毎月分配の原資を捻出し続けるのか―その辺のところが不明です。

仮に自分で自分の尻尾を食べるとした場合、毎月の分配金に税金がかかる人にはその税金の分と、更に加えて毎年の信託報酬の分だけ損します。)

本書は、こういった、現時点で運用や投資を考える上での幾つかの「ポイント」を集めてみたものです。

英語で言う 「Food for thought」。

もっとも出来上がった本を読み返してみますと、同じ Food for thought を提供するにしても、「日本の会席料理やフランス料理のように、もう少し体系立てて提示した方が分かりやすかったのかな」というのが反省点です。

(しかし体系や体裁にこだわってしまうと時間がたって内容がどんどん陳腐化してしまいます。それだけ今という時代が激動の渦にあるものですので・・。)

【注:金利と為替の裁定】

ドル金利が年5%、円金利が年0%だとして、現時点で1ドルが100円の場合、仮に金利差だけで1年後の為替が決まる場合には、次に示すように1年後には1ドル=95.24円となる。

(ドルで運用)

100円=1ドル 《1年後》 1.05ドル

(円で運用)

100円      《1年後》 100円

《1年後の為替レート》

1.05ドル=100円

1ドル=95.24円

*  *  *

2007年1月に 『円キャリートレード』 と題して下記4つの記事を書きました。これらも参考になるかもしれません。

『円キャリートレード(1)』

『円キャリートレード(2)』

『円キャリートレード(3)』

『円キャリートレード(4)』

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2009年3月27日 (金)

放射線ホルミシス

秋田県田沢湖玉川温泉のホームページ(『こちら』)を覘きますと下記のような記述があります。

Q:癌や難病に効くと評判ですが、本当に効果があるのでしょうか?

A:ご湯治の結果、「快方に向かわれた」「延命効果があった」とのお話は良く伺いますが、医学的に解明されている部分は少なく、効果があるとは断言いたしかねます。

玉川温泉での湯治は、泉質や環境などの刺激により、本来持っている治癒力を蘇らせ、自身の力で体を健康な状態へ戻すというものです。

強酸性の特殊な温泉のため、肌や体への負担も大きく、その効果にも個人差がありますし、温泉療養はある程度の期間を継続して初めて効果を得ることをご承知下さい。

鳥取県三朝温泉のホームページ(『こちら』)はもう少し突っ込んで記述しています(下記青字部分)。

三朝温泉は世界屈指のラドン泉として有名です。

ラジウムおよびラジウムがアルファ崩壊したラドンが含まれており、世界でも有数の放射能泉です。

また一部の旅館には高濃度のトロンを含む温泉もあります。

源泉中のラドン量については683.3マッヘの記録が残っています。

以上により、高いホルミシス効果が認められ、観光のお客様だけでなく療養目的でこられる湯治のお客様などあらゆる方々に愛されています。

効能的には 疲労回復、糖尿病、痛風、神経痛等などがあり、 また無色透明の三朝温泉のお湯は飲むことができて、慢性消化器疾患、慢性気管支炎、胃腸病などにも効きます。

また、最近ではラジウムが気化し発生するラドンガス(湯気)が呼吸器系統に良いとの事で注目され、まさに浸かって良し・飲んで良し・吸って良しの温泉です。

そのため日本全国から治療と保養をする人が訪れています。

ラジウム・ラドン泉=放射能泉:三朝温泉の湯は微量の放射能を含んでおります。

これが人間の体細胞を活性化し、自然治癒力を高めます。

これを『ホルミシス効果』と言います。

弱い放射線(自然放射線の100倍から10万倍程度)を浴びることでガンや糖尿病を治すという治療・健康法が、健康産業で注目されています。

* * *

ラジウムを発見したキューリー夫人は1903年に夫と共にノーベル物理学賞を受賞(放射能の研究)、

1911年には単独でノーベル化学賞を受賞しています(ラジウムおよびポロニウムの発見とラジウムの性質およびその化合物の研究)。

そして1934年、研究の影響で、白血病になり、66歳の若さで逝去しています。

これまで放射線科学の常識では、放射線は「たとえ微量でも危険」とされていました。

しかし1980年代に入り、低線量の放射線照射が生物の成長・発育を促進させ、繁殖力の増進や寿命の延長などにも効果をもたらすこともあるとする研究(放射線ホルミシス研究)が一部でなされてきました。

ホルミシス効果は、「生物に対して通常有害な作用を示すものが、微量であれば逆に良い作用を示す生理的刺激作用」のことだそうです。

ウィキペディア(Wikipedia)によると、ホルミシス効果は『理論的には有害作用に対する生物の適応現象と考えられるが、必ずしも再現性が得られず、まだ確立されたものとはいえない』とのこと(太字、下線は筆者による)。

私は、先週『医師のすすめる低放射線ホルミシス』という本の編集に携わった方が勉強会で講演するのを聞き、興味を持ったのですが、世の中まだまだ分からないことがたくさんありますね。

ところでネットで調べてみるとラジウム療法とかに関する記事がたくさんあります。

先ほどの講師の方の話では、かなり『いかがわしい』もの(たとえば殆どラジウムが出ない)もあるので注意が必要とのことでした。

いずれにせよ、この辺の分野での科学的な解明が、早くなされることを期待したいところです。

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2009年3月24日 (火)

22年かけても進歩しないもの

昨日に続いて映画ネタです。

春分の日の3連休に見たDVDが1987年の映画ウォール街

80年代に名を轟かせたイワン・ボウスキーサー・ジェームス・ゴールドスミスなどのウォール街の実在の人物がモデルになっていると言われています。

私はこの映画をこれまでにも幾度となく見てきたのですが、リーマン破綻後の世界金融恐慌の最中にある今、改めてこの映画を見てみますと、そこで語られていることの多くが、今日でもそのまま当てはまることに驚かされます。

人間は22年間かけても実は余り進歩せず、22年前も今も相変わらず同じようなことを議論している面があります。

「欲」についてマイケル・ダグラスが演じるゴードン・ゲッコーが語る場面。

『みなさん、言葉は悪いかもしれませんが、“欲”(greed)は善です・・。“欲”は物事を明確にし、道を開き、発展の精神を磨き上げます。“欲”にはいろいろあります。生命欲、金銭欲、愛欲、知識欲。人類進歩の推進力です。』

これに対して、チャーリー・シーンが演じるバド・フォックスが疑問を投げかけます。

『いったいヨットを何隻持てば気が済むのか。(あなたの)欲にはキリがないのか。』

ゲッコー(マイケル・ダグラス)は答えます。

『この国では人口の1%の金持ちが国中の富の半分を所有しているんだ。』

さて今日の日本。

これまでの構造改革に対する批判が強くなり、「最近のアメリカは貧富の差が激しくなりすぎた」とか「ウォール街が強欲になりすぎた」とか言って、懺悔したり転向したりする「識者」が出てきています。

しかしこの映画が上映された、今から22年前の時点で、(映画の中のゲッコーの発言のように)既にアメリカには大きすぎる貧富の差がありました。そして欲についても、これをコントロールすべきかどうか、コントロールするとしたら、どうコントロールするかについての議論もあったのです。

ところで、今回DVDの「特典」のところを見ていたら、オリバー・ストーン監督とダリル・ハンナの意見が合わず、撮影現場で結構やりあっていたといった話が出ていました。

監督自身、インタビューで「彼女はなぜこの役を引き受けたんだろう」とコメント。

たしかに最初この映画を見たときダリル・ハンナが演ずるダリアンが、浮いているというか、なんとなくしっくりきませんでした。

今回オリバー・ストーン監督のインタビューを聞いていて、監督はダリアンをもう少し(さらに徹底的に)悪女に描きたかったのだということを知りました。

しかしダリル・ハンナは単純な「悪女」を演ずることなく、(男性や金に左右されつつも)ある種の「自立した、そして、それなりの魂を持った女性」を演じました。(プラトーンに続くアカデミー賞を狙ったオリバー・ストーン監督にとっては残念な結果に終わりました・・。)

もっとも私にとっては、22年後の今、改めて映画を見てみますと、昔の「しっくりいかない」感が消えてなくなり、ダリル・ハンナの演技でも今となっては良かったと思えてきます。

なおマイケル・ダグラスはこの映画でアカデミー賞(主演男優賞)を受賞しています。

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2009年3月23日 (月)

Departures

アカデミー賞(Best Foreign Film)に輝いた『Departures(おくりびと)』(詳しくは『こちら』)。

          Departures

まだ全国の映画館で上映中(詳しくは『こちら』)なのですが、早くもDVDが発売となっています(詳しくは『こちら』)。

新しいマーケティングの考え方なのでしょうか。従来は映画館での放映がひと通り終わってから(少数の例外は残るのでしょうが)、次にDVDというステップを踏んでいたのだと思うのですが・・。

家庭内に薄型の大画面テレビが入り込んでくると、街の映画館としても特色を打ち出していくことがますます重要になってきます。

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2009年3月22日 (日)

2兆5000億円を失った男(その3)

バフェットの過去1年間の投資実績は平均並みでしたが、この1年間だけで評価するというのもフェアではありません。

過去20年間で見ると下記の通りバフェットの圧勝です

(青字がバークシャー、赤がS&P500)。

Bkr_vs_sp_20_years

もっと遡って、1965年から2008年にかけてバークシャーのリターンは年率20.3%。一方、S&Pは8.9%。

年率ベースのこの差は、単純倍率にすると、バークシャー 362,319%に対し、S&Pは 4,276%。

1965年に10万円投資していると、S&Pでの運用では10万円は400万円強になっています。

一方、1965年に10万円を投じてバークシャーの株を買っていれば、同じ10万円は、こちらでは 3億6000万円強になっています。

年率(複利)ベースでの少しの差も、長い年月ではこのように大きな差になります。

こうして見ると改めてバフェットの凄さを実感出来ますが、それと同時に、今回の金融恐慌の激しさもまた痛感してしまいます。

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2009年3月21日 (土)

2兆5000億円を失った男(その2)

Berkshire Hathawayの年次報告書を見ますと、ウォーレン・バフェットは

「私は自分の個人資産の99%をBerkshire Hathawayの株式の形で保有している」

と記しています(2008年版アニュアル・レポート89頁)。

アメリカには 「一つのバスケットに全ての卵を入れるな」 という言葉がありますが、

バフェットは年次報告書の中で、このような 「eggs-in-one-basket situation」 に対して comfortable であると述べています。

彼が年間で2兆5000億円も失ってしまった(あくまでも計算上ですが)のは、

Berkshire Hathawayの時価総額(株価)が1年間で32%も下落してしまったからです。

【株価】

2007年末   → 2008年末

141,600 ドル  → 96,600 ドル

【時価総額】

2007年末       → 2008年末

220 十億ドル →  150 十億ドル

実際のところBerkshire Hathawayの過去一年間の株価の動き(パフォーマンス)は、

下図のように、S&P500並みでしかありませんでした

(青字がBerkshire Hathaway、赤字がS&P500)。

Brk_vs_sp500_4

2009年2月28日に公表されたBerkshireの2008年度年次報告書によりますと、

同社の08年度利益は、対前年度比62%減の49億9000万ドル。

特に衝撃的だったのは部門別収益の数字です。

すなわちBerkshireの投資・デリバティブ部門の損益は46億ドルの純損失を計上(年次報告書62頁)。

そればかりか全デリバティブ投資について見通しが100%外れた場合、

672億9000万ドルの支払が発生する可能性があることもディスクローズされました(『こちら』の記事を参照。なおBerkshireの2008年度年次報告書は『こちら』)。

さすがのバフェットでさえ今回の世界同時不況には苦しんでいます。

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2009年3月19日 (木)

たった今

たった今、入ってきたニュース。

これで少しマーケットは上向きに変わっていくと思います。

The Federal Reserve announced Wednesday that it will inject about $1 trillion into the economy in a bold effort to help the battered housing market and lift the country out of recession. At the same time, the Fed left a key short-term bank lending rate at a record low of between zero and 0.25 percent. Economists predict the Fed will hold the rate in that zone for the rest of this year and for most -- if not all -- of next year

Fed to buy up to $300B long-term Treasury bonds Fed will buy up to $300 billion of long-term government bonds; keeps key rate at record low

Jeannine Aversa, AP Economics Writer Wednesday March 18, 2009, 6:28 pm EDT WASHINGTON (AP)

続きを読む "たった今"

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2009年3月17日 (火)

2兆5000億円を失った男

リーマンショック後の世界同時不況で金融資産の価格が見る見るうちに溶解し、多くの人が資産を失いました。

でも筆頭は2兆5000億円を失ったこの人でしょう(詳しくは『こちら』)。

Warrenbuffett_2

最新のジャンボジェット機(747-400)は1機230億円(詳しくは『こちら』)。

2兆5000億円ということは、ジャンボジェット機109機分。

大凡3日に1機の割合いでジャンボ機を買っては捨てるということを繰り返すと、年間で2兆5000億円失うことになります。

まあ、そうは言ってもこの人の場合、まだ個人で3兆7000億円も持っているんですから、大したことはないのかもしれませんが・・。

何れにせよ今回の金融危機はいろいろな意味で世界の風景を変えました。

その風景の違いを知る意味でまずこの人、ウォーレン・バフェットについて次回以降もう少し詳しく見て行きましょう。

言わずと知れた世界第一位(但し2007年まで)の金持ちです。

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2009年3月14日 (土)

父と子の旅

アメリカの友人が昨年の感謝祭に送ってきたメールを、昨年このブログで紹介しました。

そのときは英語のまま掲載しましたが、今般、和訳する機会がありましたので、訳文の方もご紹介します(一部意訳してあります)。

* * *

  Thanksgiving_2_3

ある日、大金持ちの父さんが、息子を田舎への旅に連れてった。

貧乏人のくらしがどんなものか見せようという魂胆だった。

2人は、ごくごく貧しい一家の農場で2~3日、朝から晩まで過ごした。

旅から家への帰り道 父さんは息子に尋ねた。

「旅はどうだったかね」

「素晴らしかったよ、父さん」

「貧しい人のくらしがどんなふうか、分かったかね」と父さんは尋ねた。

「うん」と息子はこたえた。

「では、話してみなさい。旅から何を学んだのかい」

息子はこたえた。

「ぼくたちの飼っている犬は1匹だけど あの人たちは4匹も飼っていたよ。

ぼくたちのプールは庭の真ん中までの大きさだけど あの人たちの小川はどこまでも続いていたんだ。

ぼくたちの庭には、外国製の庭園灯があるけれど、あの人たちは夜空に星があるんだ。

ぼくたちの庭は家の前までだけれど、あの人たちのは地平線まで全部なんだ。

ぼくたちはちっぽけな地面に住んでいるけれど、あの人たちは見えなくなるほど遠くまである広いところにいたよ。

ぼくたちには仕えてくれる召使いがいるけれど、あの人たちは他のひとたちのために働いていたよ。

ぼくたちは食べ物を買うけれど、あの人たちは自分たちで育てているんだ。

ぼくたちは自分を守るのに家のまわりを壁で囲んでいるけれど、あの人たちには守ってくれる友達がいるんだよ」

男の子の父さんは言葉もなかった。

それから男の子は付け加えて言った。

「ありがとう父さん。ぼくたちがどんなに貧しいか教えてくれて」

* * *

この一文の後、友人は、私へのメールをこう結んでいた。

「ものの見方とはすごいものだと思わないか。

みんなが自分の持っていないものを気に病むかわりに、自分の持っているもの全てに感謝するならば、いったい何が起きるかと考えさせられる・・・」

* * *

アメリカという国はたしかに変わってきた。

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2009年3月13日 (金)

約束

ここのところ多忙を極め、ブログの更新も出来ませんでした。

ここ1週間の睡眠時間です。

6日(金)  1時間

7日(土)  0時間

8日(日)  5時間

9日(月)  3時間

10日(火) 2時間

11日(水) 2時間

12日(木) 3時間

ようやくほぼ一段落しました・・。 なんとか約束を果たせそうでほっとしています。

あらためて計算してみますと睡眠時間は1日、平均2時間ちょっと・・。

最初の数日が極端に少なかったのは、実は1週間で出来るかどうか心配で、「少しは寝た方がよい。寝ないと1週間は体が持たない」と思って布団には入ったのですが、

「間に合わなかったらどうしよう」と心配になり、頭が冴えてしまって、寝付けなかったという事情によるものです。

その分、8日(日)は5時間と結構たくさん(?)寝れましたが・・。

明日からまた普通の生活に戻れそうです。

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2009年3月 6日 (金)

東洋経済 Online

昨日ご紹介した東洋経済新報社のインタビュー記事の続編(第2号)が『こちら』(←)に掲載されています。ご参考まで。

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2009年3月 5日 (木)

時価が無くなる恐怖 (2)

昨日に続き、今日は第2回です。

第2回では証券化について詳しく書こうと思っていたのですが、たまたま東洋経済新報社の編集部の方から昨日メールでご連絡を受けました。

いわく『先日のインタビューの結果が記事となってネットに掲載された』とのこと。

実は先日、東洋経済新報社の編集者の方によるインタビューを受け、今回の世界同時不況についてお話しました。そして、それがネットの記事となったとの連絡でした。

早速記事を読んでみますと、さすがプロの編集者。私の話を非常に分かりやすくまとめてくれています。

ということで、『時価が無くなる恐怖』の第2回は『こちら』(←)の東洋経済新報社の記事をクリックしてお読みになってみて下さい。偶然の一致なのですが、『時価が無くなる恐怖』の第1回とこちらの記事とが見事につながります。

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2009年3月 4日 (水)

時価が無くなる恐怖

相変わらず株式相場の下落が止まりません。

今日から何回かにわたって、そもそも世界がなぜこのような深刻な不況に見舞われることになったのかについて考えていきたいと思います。

予想される答え【1】

サブプライム・ローンが原因。そもそも貸すべきでない人たちに対して当初2年間の金利は安くして、その後金利を引き上げるような貸し方をした。

しかしサブプライム・ローンは全体でも残高が1.0兆ドル~1.5兆ドルと言われてきました。要はざっくり言って100兆円です。

このうちいったいどれくらいが延滞しているのか。幾つかの統計数字があり、それらの数字も時と共に変わってきましたが、ここでは議論のために多めに見積もり、仮に 6割が延滞したとします。

すると100兆円×0.6=60兆円が延滞債権(借りている人が返済に滞り始めた債権ということです)。

さて金融機関はこれを競売にかけて売りに出します。実際に売れた金額との差が損失となります。

仮に5割の半値で売れたとすると

60兆円×0.5=30兆円。

これだけでも大きな金額ですが、Citi や AIG が出している損失などを考慮していくと、今、世界の金融機関が抱える不良債権の額とは一桁ぐらい違うように思えてきます。

実際、世界の金融機関が抱えることになる損失額がどのくらいになるのかについての見方も時と共にどんどん変わってきています。

パリバショックが起きたのが2007年8月。

その後、同年9月にはFRBのバーナンキが、「サブプライム問題が引き起こす最大損失は1,000億ドル(10兆円)」と議会で発言。その2ヵ月後、損失見通しを1,500億ドル(15兆円)としました。

当時IMFも同じような数字を発表しています。

しかし今、世界の金融機関が抱えることになる損失額見通しについては、

220兆円(IMFの1月末推計2.2兆ドル;本日の日経新聞参照)から、多いもので550兆円(みずほ証券ほか;詳しくはネット上の元データがアクセス不能となった為「こちら」参照)とか、800兆円(金融救済策の合計費用推定;ニューズウィーク誌2008年12月24日)といった推定数字さえ目にするようになりました。

最大の問題は、いったい幾らの損失になるのか、予想することさえ、このように困難なことです。

しかし、(a) サブプライムの直接的な最大損失として上記で計算した30兆円と、(b) もう一方の220兆円とか800兆円といった最大推定損失の間にはあまりにも大きな差があります。

少なくとも我々が対峙しているのはサブプライムの問題だけではない。

答えを先に言ってしまいますと、問題の本質は、「証券化商品などの金融商品の一部に時価がつかなくなってしまった」ということにあります。

次回以降もう少し詳しく見ていきましょう。

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