愛が生んだ奇跡
ある出版社の社長から
「岩崎さん、こういう本を出しました」
と言って手渡されたのがこの本。
オバマ関連の本は何冊か読んできましたが、ミシェルの本は初めてでした。
デヴィッド・コルバートという米国の作家が書いたこの本は平易な言葉で書かれ、短時間で読めてしまいます。
アメリカにはまだ差別や貧困に苦しみ、将来への希望を失いかけている若い人たちがたくさんいます。
そういった人たちにこの物語を読んで欲しい。
著者の、そしておそらくはミシェルの思いがページの端々から伝わってきます。
私自身、この本で、オバマと同じようにミシェルも「奇跡」を起こした人物であることを知りました。
『ミシェルは奴隷を先祖にもつ史上はじめてのホワイトハウス居住者だ。・・バラクでさえこれに当てはまらない。』
ミシェルの父、フレイザーの教えは:
『人生は公平ではない。得られるべきものを得られないこともある。
だが、欲するものを手に入れようと努力することをやめてはならない。
それでも、努力と善行の果てに、やはり与えられないこともある』
* * *
もう一箇所、引用します。
「ミシェルには他にも仕事があった。夏季実習生の教育係である。大きな法律事務所は、人材確保の目的で、ちょうど子どもたちのサマーキャンプのように、夏休み中に有望なロースクールの学生たちを体験入社させる。実習生たちは、日中は実務を学び、夜には ― それがサービス精神あふれる大会社なら ― バーベキュー・パーティーに誘われたり、スポーツ観戦に連れていってもらえたりする。
ある学生を面接したミシェルの同僚は、その人物の指導教官にはミシェルが一番いいのではないかと感じたという。ハーバード・ロースクールの学生がやって来る ― とミシェルは聞かされた。その学生は普通より年長だった。大学を卒業してからロースクールに入るまで間があったからだ。まだ一年目を終えたばかりにもかかわらず、シドリー法律事務所は彼を夏季実習に招いた。異例のことである。それほど彼が優秀だったということだ。ハーバードの教授たちのあいだでも話題になっていた。シドリーの古参弁護士たちは、その学生を釣り上げたことをとても喜んでいた。送られてきた彼の写真を見て、社内のあちこちで「キュート(かわいい)」という声が上がっていた。
だがミシェルはまったく興味を示さなかった。」
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