金融立国の脆弱性
仕事でスイスのファンドと付き合いがあり、1週間に1度はスイスと電話で話しています。
スイスと言えば金融立国。
同じ金融立国であったアイスランドが窮地に陥っていることもあり、スイスの人たちもまた今回の金融危機にはかなり神経を尖らせています。
ところで、アイスランドとスイスについては、これまでの著作(『リーマン恐慌』、『金融恐慌後のサバイバルマネー術』)で書いてきたので、
ここではイギリスについて少しだけ見てみましょう。
水産業中心のアイスランドや、時計・医薬(ロシュ)などに産業が限られるスイスと違って、イギリスには裾野の広い産業があります。
例えば自動車産業。
しかし今年の2月の英国の自動車販売台数は59,777台で前年同月比6割減(詳しくは『こちら』。イギリス自動車製造販売協会は『こちら』)。
ひどいと言われた日本でさえ前年同月比3割減です(詳しくは『こちら』)ので、彼らの厳しさはその2倍ということになります。
そして金融の部分。
ロイヤルバンク・オブ・スコットランドとロイズの2行の不良債権額は、81兆円(『こちら』)。
これはイギリスのGDPの3分の1の金額です。
結果的にポンドは対ドルで1年間で25%下落(2.0ドル→1.5ドル)。
金融危機が各国に及ぼす影響についてはまだまだ目が放せません。
| 固定リンク
コメント