ハゲタカ
映画『ハゲタカ』を見た後、面白かったので、真山仁の小説『レッドゾーン』を買ってきて読みました。
映画から小説へと、映画製作者や出版社の『思惑通りの行動をしてしまった』というわけです。
さて映画『ハゲタカ』の感想。
面白かったですね。
大森南朋と玉山鉄二の演技力・存在感が印象的でした。
最初の30分くらいのテンポが素晴らしく、一気にストーリーに吸い寄せられます。
ただし(ここから先は『ネタバレ』になり得るので、これから映画を見ようという人は読まない方がいいです)、
投資銀行スタンリーの証券化商品を買い集め、一気に換金の請求をかけて、スタンリーが資金手当てに失敗するよう仕組むあたりは、現実にはありえません。
投資家が証券化商品を買っても、現実には解約できるのは『毎月第2木曜日までに受け付けたものが翌月月初に現金化される』などと決められています。
『即日換金請求に応じる』などとして、自分の首を絞めてしまう投資銀行など有り得ないと思われます。
念のため外資系投資銀行で証券化商品のセールスをやっていた人、何人かに聞きましたが、やはり『即日換金に応じるなんて有り得ない』とのことでした。
まあ映画はエンターテイメントですので、細かいことを気にしてもしょうがないのですが・・。
いずれにせよ十分楽しめる映画であることには間違いありません。
そして小説『レッドゾーン』。
こちらの方は映画以上の面白さ。(映画と小説は内容的にもかなり違います。)
一気に読み終えました。
小説の方はディテールの部分にまで結構リアリティがあり、作者は相当取材を重ねたに違いないと思います。
小説に出てくる主人公、鷲津の言葉で共鳴したのは、上巻225頁のセリフ(下記)です。
『ハゲタカからのご忠告です。本業以外のビジネスに手を出した企業は、必ず潰れます』
「必ず」と言い切ってしまえるのは、ハゲタカならでは、ということなのでしょう。
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