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2009年9月16日 (水)

何合目

リーマンショックから1年を経て、我々は危機をどの位脱出できたのか。何合目目か。2番底はあるか、といった質問をよく受けます。

以下、思いつくまま、書きます(文章が変なところはお許しください)。

* * *

去年の今頃は何が起きたか分からなかった。IMFやFRBはその前年のパリバショックの後、不良資産の合計が、世界全体で10兆円とか15兆円といった数字をあげていた。

投資銀行や商業銀行などが貸借対照表上に上げている Level 3 の資産に、どの程度信憑性があるのか、アナリストたちがいろんな見解を出していた。

トリプルAで評価されていた証券化商品までマーケットで取引が成立しない(誰もQuoteしない)し、相対での取引も成立しない・・

Greenlight Capitalのようなヘッジファンドが金融株をターゲットにどんどん空売りを仕掛けてくる。

いったい、この危機はどこまで広がるのだろうか・・

そんな恐怖が支配していたのが、去年の今頃だ。

それから今年に入って、少しずつ病の全貌が見えてきた。とりあえず医者は処方箋を書き、副作用があるかもしれないけれど、薬を飲み、体は少しずつ回復してきた。

どんな病気か、どれくらいヒドイかさえ分からなかった時に比べれば、一応の病気の原因はつかめ、処方箋もかけるようになった。

それだけでも、5合目くらいは来たと言えないことはない。

それから体は少しは回復してきたから、全体では7~8合目くらいまでは来たか?

ただし、体力レベルの回復度といった点だけに絞れば(要はマイナス100失われた体力が薬によってどの位、回復したか)

まだ回復度は3割程度といったイメージか?

それにしても失業率はひどく今後更に悪化する可能性も大だ・・

これから先、2番底があるか?

薬の副作用がひどくなると、2番底はあり得るんだろう・・ 体力が回復してきたら徐々に弱い薬に移し、最後は止めないと・・

この出口戦略が結構難しい。

治っていないのに勘違いして薬を辞めると、悪化してしまう。しかし、いつまでも副作用のある薬やカフェインに頼るわけにもいかない・・

もちろん世の中には、自然治癒が一番であると信じていて、薬なんか最初から飲まなくても治ると信じている人もいる。

この辺の議論は、それはそれで結構興味深いのだが・・

(何合目という質問がよく寄せられるのは)マーケットで投資している人には、今の体の状況を把握し今後を予想することが重要だ、ということなのだろう。

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