JP
日経平均の下落が止まりません。
ひとつの理由は、JP。
Japan Passing のことで海外の投資家の目は、今のところ中国、インド、ブラジル、メキシコあたりに行っています。
投資対象として先進国に限って見たとしても、日本よりも米国やヨーロッパの方が期待できると考えている投資家が多いようです。(欧州については今発売されているニューズウィーク誌の26頁『おごらぬ超大国-EUの新世紀』参照)。
もう一つは、日本の個人投資家のスタンス。
実は日本の個人投資家も、(a)日本株の株価が「下がれば買おう」と考えている人よりも、(b)株価が「上がれば売ろう」と考えている人の方が多いように思います(このブログをご覧になっている「あなた」は、(a)、(b)のどちらですか)。
このような状況下では株価はなかなか上がっていきません。
私の知人、Aさんの例。
Aさんは自称「天の邪鬼」。その結果、個人投資家としては成功してきました。
テレビにもよく登場する著名な経済評論家が「私は持ち株は全部売却した」とアエラの誌上で宣言した今年の4月13日。
「天の邪鬼」なAさんは、アエラに登場した経済評論家の逆を行って、買いを入れました。その時の日経平均は、8,924円。
その後、日経平均は8月には、10,767円まで行ったのですが、Aさんは結局、その時には売れず・・。
Aさんの言葉。「評論家先生の逆を行ったおかげで、今でもまだ儲かっているのですが、最近の下落でだんだん儲けも減ってきました。今はいつ売ろうかと、ただそれだけを考えています」
Bさんは昨年のリーマンショック後も売らずに持ち株を持ったまま。Aさんとは違って含み損を抱え、塩漬け状態ですが、やはり「株価が回復したら売りたい」と思っているとのこと。
私の回りを見回すと、AさんやBさんのように「できれば売りたい」と思っている人が圧倒的に多くて、「もう少し安くなれば買えるのに・・」と買いを窺っている人は殆どいません。
そんな状況下ではやはり株価は下がっていきます・・。
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コメント
毎日楽しみに拝見させてもらってます。
昨年のリーマンショックに端を発した金融危機が日本にも長期に渡って影響しているといわれていますが、何故に日本経済にこれほど閉塞感が漂っているのか?株価が上昇しないのか?
単に物が売れないといったレベルの問題では無い状況だと、、。また日本では何故、新興のベンチャー企業育たないのか、が個人的に気になります。漠然とした疑問というか、懸念を持っていますが、岩崎さんはどのようにお考えでしょうか?
投稿: コジコジ | 2009年11月19日 (木) 22時41分
コジコジ様
いずれも大きな問題ですね。
ある大学の先生から聞いた話です。
学生に将来の希望を聞いたところ、『とりあえず生きたい。生き延びたい』という言葉が返ってきて、その教授はギョッとしたとか・・
今の学生は、先輩の姿を見ています。彼らの周りには、就職に失敗し、月収10万円くらいで『なんとか生き延びている』先輩たちも少なくありません。
一方で天下りをした私と同年代の人たちは毎日ゴルフ三昧で、『自分たちが働くと会社の若い人に迷惑だから働かない』と言っている。彼らは本当はもっと意味のある仕事をしたいのでしょうし、そうでなくて、本当に毎日ゴルフの生活を楽しんでいる人たちとて、システムに乗っかっただけなので、彼らを攻めるのも筋違いのような気もします。
いずれにせよ学生が将来の希望を聞かれて、『とりあえず生きたい。生き延びたい』という言葉が返ってくるというのは、私たちの世代が学生だった頃には考えられなかったことです。そういった現状を政治家や官僚、マスコミの人たちは(たとえ頭で分かっていても)皮膚感覚では理解していません。
答えになっていなくて申し訳ないですが、答えはこれから先も考え続けていきたいと思っています。
投稿: 岩崎 | 2009年11月20日 (金) 00時11分
いつも、ありがとうございます。
僕の後輩の若い人たちも経済的には
かなり苦労しています。少しでも明るい顔をみたいので投資を進めています。
今年は、世界の色々なところでで短期間で2倍、3倍以上のリターンでしたので若い人の気持ちの高揚(過熱感?)を抑えたり、自分の方は明け方まで勉強や調べもので忙しかったです。(楽しいので良いのですが。)ただ、希望をお金や、周りの環境に依存しすぎかなと思う部分もあります。
日本株は売りましたが、介護サービス
だけは資金を入れてます。利益率が低くても、相場環境で下落したとしも、今とは違って何もなかった日本で頑張ってってくれた恩返しになればと思います。『いらねえよー』と言われそうですが。日本市場はM&Aに期待しています。岩崎の本はなくてはならない本です。素人では、良いM&Aなのか全くわからないのでとても参考になります。これからも投資仲間にどんどん進める機会が増えそうです
投稿: ラフ | 2009年11月21日 (土) 00時33分
ラフ様
『M&A新世紀』、気に入って頂き有り難うございます。平日朝の早い時間帯、そして土、日を使って、半年近くかけて書き上げた本です。出来上がって書店の店頭に並んだ時は、私はわが子を世に送り出すような感覚になりました。
介護の問題は、私にとっても88歳の母がいますので切実な問題です。
そう言えばアメリカにAFS留学していた時にお世話になったアメリカ人家族の「母親」も最後は介護施設、そして病院の世話になりました。
アメリカ人家族の「母親」が亡くなる3ヶ月前。容態が悪化したとの報告を受けて、私は2泊3日のスジュールで訪米し病院を訪ねました。
「母親」に会う為にわざわざ日本からやってきたことが知れると、かえって元気を失くしてしまうかもしれません。
私は、『たまたま仕事で近くに来たんだよ』と話しました。
『会えて嬉しい』-アメリカ人の母はすっかり憔悴しきった手を差し出してきて、ギュッと私の手を握ってくれました。
ちょうど5年前のクリスマス前のこの時期です。いつもこの季節になるとその時のことが思い出されます(3年前、2006年12月1日付けブログに書きました)。
投稿: 岩崎 | 2009年11月21日 (土) 07時07分