親子上場の問題 (その1)
昨日のブログ記事『懐徳館』に対するコメントとして、マンガーさんから親子上場に関するご質問を頂きました。
これに関しては、私自身、『実際の株式投資で随分と損をしてしまった』という苦い思い出があります。
詳しくは、マンガーさんの質問に対する答えとして、昨日のブログ記事のコメント欄に載せてありますので、ご覧になってみて下さい。
さて、マンガーさんにご指摘頂いて気がついたのですが、親子上場の問題を拙著『M&A新世紀』の中で、きちんと論じておけば良かったと、少し後悔しています。
実は親子上場に関しては、11月2日(月曜日)に出演させて頂いた、テレビ東京 NEWS FINE の中でも話題になりました。
この番組には、西村あさひ法律事務所の太田洋弁護士とともに出演したのですが、太田弁護士によれば、
『エフィッシモ・キャピタルは、親子上場している会社の子供の方に結構出資している』
とのこと。
具体的に、日産車体、三井金属エンジニアリング、セゾン情報システムズ、立飛企業、新立川航空機などの銘柄を挙げていました。
確かに、予想シナリオ通り、親が子を買ってくれれば、これらへの投資はリターンを上げるのでしょう。
エフィッシモ・キャピタルなどが親会社を説得するように動いてくれれば、親が子供を買う可能性は高くなるかもしれません。
しかし意に反していつまでも子会社を放置するような親だったり、もっとひどくて、子供を虐待する親だと、子会社の株価は下落していきます(詳しくはこちら)。
少数株主の利益を無視して大株主が好き勝手なことをした場合に、日本でももっと頻繁に少数株主サイドから訴訟が提起されるようになれば、大株主の無謀な振る舞いも少しは減るでしょう。
しかし私自身、実際に少数株主として不利益を被った経験(『こちら』)からしますと、ブログに書くのが精一杯。
ほとんどの個人投資家は、「自分の見る目が無かった」と諦めてしまっているというのが、現実のように思います。
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コメント
ご回答していただきましてありがとうございます。
こちらに書かせていただきますね。
著者自ら、新しいエントリーまで作っていただきましてとてもうれしいです。
『子供いじめの親』
なるほどです。
それは知りませんでした。
自分の興味のある知識がさらに深くなって非常に楽しいです。
東ソーと保土谷のエントリー拝読させていただきました。
そんなやり方で子供のおいしいこところをかすめ取る親がいるとは、上場企業の経営者でありながらずる賢いことをするものですね。ひどい親を持ったら子供はダメになるということですね。
以前、JALで最低単元の株主が増資に関して訴訟を起こしたことがありましたね。
そんな人は、あまりいないですよね。くやしいですが、黙って損をするのが一番、経済的には合理的なのかもしれません。
株をかすめ取る以外に他にどんないじめ方があるのでしょうか?
すごい興味があります。
それと親子上場を欧米からの風当たりによって会計基準の変更(IFRSの導入)や法整備していく可能性に関してはいかが思われますか?先進国で親子上場が認められているような国って少なくどこかがやると横並び的にTOBがかかると予想しています。
また、先進国では親子上場は解消されてきて日本以外で親子上場がまかり通っている国はないと聞いたのですが、他にもあるのでしょうか?
投稿: マンガー | 2009年11月 5日 (木) 15時08分