今年株価が45倍になった銘柄
今年株価が一時的にせよ45倍になった銘柄は家電量販店のラオックス(↓)。
取引時間中の高値ですが7月2日には一時454円となりました。2月24日には10円でしたので、100万円を投資していれば4,500万円になった計算になります。
(もっとも株価454円のレベルで値を崩さずに10万株近くを売るのはさすがに難しかったでしょうが・・。ちなみに当日の出来高は4百万株強でした)。
ラオックスは今でも1株100円強をつけていますので安値で拾っていたとすれば、45倍とまでいかなくても10倍強にはなっていたはずです。
ところでラオックスの株価がここまで上昇したのは、中国の家電量販大手の蘇寧電器(南京市)の傘下に入ることとなったからです(詳しくは『こちら』)。
このようにM&Aのターゲット(標的)となる会社(いわゆるM&A銘柄)を事前に察知することが出来れば、株式投資で高いリターンをあげることが出来ます。
しかしこれは言うのは簡単ですが、現実には非常に難しいことです。
「事前に察知する」というところが極めて困難だからです。
ではどうしたらよいでしょうか。
「とりあえず時価総額の低い会社20~30社の株式を少しずつ買っている」という人もいます。20~30社のうち1社でもラオックスのようになれば、という思惑なのでしょうが、こうして買った20~30社全てが『はずれクジ』になってしまう可能性も少なくありません。
それではいっそのこと視点を変えて、M&Aのターゲットではなく、M&Aを仕掛ける会社(買われる方ではなく買う方)はどうでしょうか。
キリン、ユニクロ、東芝、キヤノンなどこれまでにM&Aを積極的に事業戦略に取り込んできた会社です。
(キリン↓)
(ユニクロ↓)
(東芝↓)
これらの会社はさすがに45倍というわけにはいきませんが、着実に成長を遂げてきていて株式市場もそれを評価してきているように思われます。
今月上旬、「2010年の日本株市場、M&Aが重要テーマに」と題したゴールドマン・サックス証券のレポートが話題を呼びました(詳しくは『こちら』)。
M&Aを(1)業界再編という視点で捉えるか(2)弱者連合、もしくは弱者救済の観点で見るか、あるいは(3)勝ち組企業がますます強くなっていく手段と見るか・・。
言うまでもなく、株式投資を中長期観点から成功させるポイントは、勝ち組企業を見出し、その成長に乗るということです。
そういった意味でラオックスへの投資は(一時的には儲かったのかもしれませんが)中国蘇寧電器の成長に乗らなければ中長期的には面白みに欠けるものになってしまいます。
いずれにせよM&Aの視点が株式投資を行なう上でも今後ますます重要になってくる、そういった時代に入ってきました(手前味噌になりますが『こちら』の本も参考になるかもしれません)。
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