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2009年12月30日 (水)

年末・年始の過ごし方

年末・年始。 私の回りでは「これといった予定を作らず本を読んだり映画を見たりして過ごす」という人が多いようです。

(1)映画

『アバター』の人気が凄いとの記事がウォールストリート・ジャーナル紙でも特集されていました。公開後3日間の米国での観客動員数(注:確定値ではない)は、歴史上最多だったとか・・(詳しくは『こちら』)。

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(2)本

私がよく行く本屋さんで今週売上げ第1位だったのは『フリー:〈無料〉からお金を生みだす新戦略』。現在アマゾンでも売上げ第1位です。

これはニューヨークタイムスでもベストセラーとなった本の日本語版。

   Free

そのほか私が最近読んで面白かった本をご紹介しておきます(一部過去のブログ記事とかぶります)。

金融日記というブログ(『こちら』)で紹介されていた『鳩山由紀夫の政治を科学する』。この本の各章には「コラム」と称する、ちょっとした小話が出てくるのですが、これが結構興味深く読め、この本の面白さを倍増させています。

(例えば第1章に登場するコラムのタイトルは、『鳩山論文を読む「お見合い問題」』。このコラムでは、鳩山由紀夫さんの論文、「生活の中における情報と意思決定」の中で取り上げられているという「お見合い問題」について紹介しています。

「お見合い問題」とは、別名「秘書(採用)問題」、「海辺の美女(ナンパ)問題」などとも言われ、何名かの候補の中から最適な人を選ぶための数学の問題とのこと)。

この本の筆者の一人、竹内薫さんは、知る人ぞ知る『たけしのコマ大数学科』(フジテレビ)に出てくる数学の先生なんですね。

小説で面白かったのは、『外事警察』

実はこれは11月から12月にかけてテレビドラマとなって放映されていたものです。『本』とテレビとでは内容がかなり違い、どちらも楽しめます(本の方はかなりテンポ良い文体で書かれており、さっと読めてしまいます)。

『テレビ』(石田ゆり子の演技が良かったです)は1月10日にBSで再放送されますので見逃された方はどうぞ。

デルタ航空で爆破テロ未遂事件があったり(詳しくは『こちら』)して、『外事警察』の世界も一気にリアリティを増してきました。

今から10年前、1999年の著作であるにもかかわらず、今読んでも十分通用するのが末永徹さんの『メイク・マネー!―私は米国投資銀行のトレーダーだった

本書にはこんな一節があります。

「会社の資本と信用を貸与して博打を打たせ、儲けの一定割合を報酬として渡す。これは、本来、会社にとってしてはならない危険極まる取引である。トレーダーにしてみれば、とにかく大きい相場を張って、勝てばボーナスを手に入れ、負けても失うものは何もないという状況に置かれたことになるからだ。本当の博徒の世界であれば、負ければ体が傷つき、あるいは命を狙われたりすることが歯止めになるのだろうが、証券会社はそういう管理手法をとる訳にはいかない。

いかにしてトレーダーに会社を食い物にする気を起こさせないか。ソロモン・ブラザーズはこの難問を驚くほど単純に解決していた。ソロモンは、ただ輝かしい金儲けの履歴を誇る上位トレーダーが下位のトレーダーを支配することによって、管理運営されてきた。上司に説明できないポジションは持てない、それがソロモンの唯一のルールである。そして、そのトレーダーの連鎖の頂点にメリウェザーがいた。メリウェザーの目がどこかで光っていることが、すべてのトレーダーに会社の金を誠心誠意使わせる究極の力であった。」

* * *

さて今年もいよいよ残すところあと僅かとなりました。

みなさん、どうぞ良いお年をお迎え下さい。

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2009年12月29日 (火)

今年株価が45倍になった銘柄

今年株価が一時的にせよ45倍になった銘柄は家電量販店のラオックス(↓)。

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取引時間中の高値ですが7月2日には一時454円となりました。2月24日には10円でしたので、100万円を投資していれば4,500万円になった計算になります。

(もっとも株価454円のレベルで値を崩さずに10万株近くを売るのはさすがに難しかったでしょうが・・。ちなみに当日の出来高は4百万株強でした)。

ラオックスは今でも1株100円強をつけていますので安値で拾っていたとすれば、45倍とまでいかなくても10倍強にはなっていたはずです。

ところでラオックスの株価がここまで上昇したのは、中国の家電量販大手の蘇寧電器(南京市)の傘下に入ることとなったからです(詳しくは『こちら』)。

このようにM&Aのターゲット(標的)となる会社(いわゆるM&A銘柄)を事前に察知することが出来れば、株式投資で高いリターンをあげることが出来ます。

しかしこれは言うのは簡単ですが、現実には非常に難しいことです。

「事前に察知する」というところが極めて困難だからです。

ではどうしたらよいでしょうか。

「とりあえず時価総額の低い会社20~30社の株式を少しずつ買っている」という人もいます。20~30社のうち1社でもラオックスのようになれば、という思惑なのでしょうが、こうして買った20~30社全てが『はずれクジ』になってしまう可能性も少なくありません。

それではいっそのこと視点を変えて、M&Aのターゲットではなく、M&Aを仕掛ける会社(買われる方ではなく買う方)はどうでしょうか。

キリン、ユニクロ、東芝、キヤノンなどこれまでにM&Aを積極的に事業戦略に取り込んできた会社です。

(キリン↓)

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(ユニクロ↓)

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(東芝↓)

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(キヤノン↓)

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これらの会社はさすがに45倍というわけにはいきませんが、着実に成長を遂げてきていて株式市場もそれを評価してきているように思われます。

今月上旬、「2010年の日本株市場、M&Aが重要テーマに」と題したゴールドマン・サックス証券のレポートが話題を呼びました(詳しくは『こちら』)。

M&Aを(1)業界再編という視点で捉えるか(2)弱者連合、もしくは弱者救済の観点で見るか、あるいは(3)勝ち組企業がますます強くなっていく手段と見るか・・。

言うまでもなく、株式投資を中長期観点から成功させるポイントは、勝ち組企業を見出し、その成長に乗るということです。

そういった意味でラオックスへの投資は(一時的には儲かったのかもしれませんが)中国蘇寧電器の成長に乗らなければ中長期的には面白みに欠けるものになってしまいます。

いずれにせよM&Aの視点が株式投資を行なう上でも今後ますます重要になってくる、そういった時代に入ってきました(手前味噌になりますが『こちら』の本も参考になるかもしれません)。

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2009年12月27日 (日)

ニュースの裏側

『株式市場、米、英、仏で年初来高値更新』とのニュースが12月25日の日経新聞夕刊第一面に載りました。

ということで、ダウ平均株価のグラフを見てみます。

Dow_2

『なんだ・・』と思われた方も多いかもしれません。

年初来高値と言っても、2007年10月9日の 14,164ドルに比べれば、先週末24日の株価10,520ドルは当時の74%でしかありません。

ところで、ダウ平均株価は米国の優良会社30社の株価で構成されています。

この中にはリーマンショックで傷ついている金融株も多く含まれています。

具体的には、Bank of America、JP Morgan Chase、Travelers、American Express、General Electric(傘下にGE Capital を抱える)などです。

もしや、これらが足を引っ張っているのでは・・と思って、

金融とはあまり関係のない、例えば、日用生活品(洗剤、衛生用品、家庭用品)のP&G(Procter and Gamble)の株価を見てみると:

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2007年12月12日の高値74.67ドルに比して、先週末の 61.28ドルは82%のところまで来ています。

更にダウには採用されていないアマゾンやグーグルの株価を見てみましょう。

アマゾンは史上(年初来どころではありません)最高値を更新中(↓)。

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アップルも史上最高値(↓)。

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グーグルも結構いいところまで来ています(↓)。

Google

以上、『株式市場、米、英、仏で年初来高値更新』とのニュースはこう読むべきなのかもしれません。

『2009年1年間をかけて欧米では株式市場が回復してきた。日本では年初来高値(8月31日の10,767円)を抜けきれないでいるが、欧米では12月24日に米、英、仏で年初来高値更新。

ただ米国を例にとるとダウ平均株価は過去の最高値の74%のレベル。

また業種によりバラツキがあり、リーマンショックで傷ついた金融株の中にはなかなか回復しない銘柄もあり、一方アマゾンのように年初来高値どころか史上最高値を更新している株価もある。』

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2009年12月26日 (土)

クリスマスに雪が降る

昨日の画像ですが縮小させなければ雪降る動きが出ることが分かりました。画面からはみ出してしまいますが・・。

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2009年12月25日 (金)

クリスマス

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アメリカの友人からもらった上の2つの画像は何れも本来は昨年同様動くのですが、ココログ(当ブログ)では挿入画像の種類に制限があり、なかなか動くように再現できません。動き(例えば最初の絵では雪が降りそそぎます)が無くても綺麗なのでお届けします。

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2009年12月23日 (水)

言葉の難しさ

高校時代にAFS留学していた時。オレンジ・カウンティー地区の留学生たちが2~3ヶ月に一度集まり、AFSディナーと称して夕食を共にしました(地区のAFSボランティアの人たちも一緒です)。

留学生の1人1人が簡単にスピーチをして近況を紹介します。10数名の留学生の中でも英語が直ぐに上手くなる人、なかなかアクセントが抜けない人などいろいろでした。

一番最初に外国人アクセントが無くなり、完璧に米国人の英語を喋るようになったのは、ドイツ人留学生。Fountain Valley High School に通うブリジットという名の女生徒でした。

彼女に秘訣を聞くと:

『You have to use it.』(言葉は使わなければ上手くならない)

* * *

私は最後までアクセントが抜けず、『日本人英語』を話していましたが、それでも今振り返ると自分のこれまでの人生で高校時代が一番英語が上手かった気がします。

スタンフォードに留学していた時代は英語を読むのが早くなりましたが、それでも米国人学生に比べると6~7割くらいのスピードでしかなく随分苦労しました。

外資系投資銀行に勤めていた時代は上司が英国人だったり米国人だったりしましたので、英語は職場の中で生き残っていく為に必要な道具。ニューヨークにいる米国人ボスに簡潔に『ボイス・メッセージ』(要は留守録のことです)を残す為、一度録音してみて再生をかけてみて聞き直してみると気に入らず、再度録音しなおす・・こういったことも何度もしていました(確定ボタンを押すまで何度でもやりなおせます)。

* * *

ところで、外資の投資銀行で生き残るために一番必要なのは何でしょうか。言葉でしょうか。

私が思うに、それは、『言葉であって言葉でない』。

グローバルなベースでチーム・プレーをすることが求められる投資銀行部門で重要視されるのは言葉の裏にある『信頼』です。

米国のある投資銀行家はこう私に話しました。

『実は君の前任の○○氏の言うことは信用出来なかった。彼が「大きなM&Aの可能性がある」というので米国でチーム編成をして準備して日本に出張してきても、全くの無駄骨に終わることが何度もあった。我々の間では「もう日本の言うことは信じるな」と言い合うようになっていたんだ』

日本人はあまり気づかないかもしれませんが、欧米人の企業幹部には湾岸戦争などで軍隊を経験した人も少なくありません。戦場で敵を前にしたとき一番重要なのは仲間が信頼できるかどうかです。

たとえ日本人のアクセントの強い、トツトツとした英語であっても『あいつの言っていることは信頼できる』、そういった信頼関係を築いていくことがグローバルなベースで仕事をしていく上で必要です。

そういった意味で、『Trust me』との鳩山首相の言葉は余りに重い、と思います。

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2009年12月22日 (火)

海外投資家の日本に対する見方

私が代表を務めるインフィニティと付き合いのある欧米の投資家やファンドなどの多くは既にクリスマス休暇に入っています。

ところで、海外の投資家などが日本をどう見ているか。5分ほどの英語のインタビューになりますが、『こちら』が参考になります。

IMFによると日本のDebt Levelは2010年にはGDPの227%に達します。外需(輸出)から内需型へ経済構造を変えるといっても高齢化が進み、消費をする人口が減少に向かう社会では簡単ではありません。

Emily Parker 氏は日本のこれまでのやり方は sustainable ではないと警告を発しているのですが・・。さて。

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2009年12月20日 (日)

清華大学

先週水曜日は清華大学招聘教授の紺野大介博士のお話を聞きました。

最近の中国の躍進には科学技術力の分野でも目覚ましいものがあります(下図)。

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 (科学・工学系博士号取得者数 1985-2005)

そして輝かしい実績を上げつつある中国の頭脳集団の中でも、紺野博士が招聘教授を務める清華大学の存在感には特に目を見張るものがあります。

政治の世界でも清華大学抜きには語れません。胡錦濤国家主席、朱鎔基元総理、呉邦国全人代議長などが清華大学出身です。

* * *

中国経済に目を向けてみましょう。紺野教授によれば、『ちょうど2009年の12月中旬、まさに今日あたりに、中国のGDPが日本のそれを抜いたのではないか』とのこと。

個人資産1億円以上を持つ人が5000万人いるとも言われている中国。

そのパワーを肌で感じてきた紺野教授の話は大変興味深いものでした。

* * *

ところで10年以上前になりますが、中国社会科学院(国務院発展研究中心)の呉敬璉教授が来日した際に私は教授を京都にご案内したことがあります。

呉敬璉氏は興銀常務の小林実氏と親しくしておられました。私が呉敬璉氏にお会いした時には小林氏は既に他界していましたが、小林氏の後輩ということで私は呉氏には大変親しく接して頂きました。

当時から私は中国エリート層の学識の豊かさと凄まじい勤勉さには驚かされていましたが、『今でも全くそれは変わらない』という紺野教授。

競争が厳しいことで全員が切磋琢磨する―そんな隣国の存在感は日に日に大きくなっていきます。

* * *

ご参考までに紺野大介教授は月刊誌『選択』「あるコスモポリタンの憂国」を連載中。

『中国の頭脳:清華大学と北京大学』といった著作もあります。

一方、呉敬璉教授の最近の本は『こちら』

昔、呉敬璉教授が小林実さんと共著で出した本は『こちら』

『こちら』のインタビュー記事も参考になるかもしれません。

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2009年12月19日 (土)

Perspectives 2009

ニューズウィーク誌(日本版)12月23日号より:

* * *

『ときどき友達を見てると口に出ちゃう。「私もiPhoneが欲しいなあ」って。

マイクロソフトのビル・ゲイツ会長の妻メリンダの言葉 ― 2009年3月、夫が家族にアップル社の製品を持つことを禁じていると語って

* * *

『中国の皆さんの資産は極めて安全です。』

ガイトナー米財務長官の言葉 ― 2009年6月1日に北京大学で講演し、中国が保有する米国債の安全性を擁護して。学生からは大きな笑い声が上がった

* * *

【注】 ニューズウィーク誌(日本版)12月23日号(今週号)には、『Perspectives 2009』と題する特集記事が組まれており、上記の他にも、2009年を象徴するような印象に残る言葉や記事が掲載されています。

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2009年12月18日 (金)

今年最も観客が“満足した映画”

「やはり」というか・・。洋画部門では『THIS IS IT !』でした(『こちら』の記事)。

この映画については11月27日12月2日の2回にわたって、このブログでも紹介してきました。

映画館の最前列の席まで観客が埋め尽くし、映画が終わると皆が一斉に拍手をする。

それだけのパワーを持った作品だったと思います。

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2009年12月17日 (木)

昔取っていたリスク

経済学者たちの反対を押し切って八幡と富士が合併し新日鐵が誕生したのが、昭和45年。1970年です。これにより粗鋼生産量でUSスティールを抜いて自由世界第一位の製鐵会社が誕生するわけですが、この頃までの日本の会社は果敢にリスクを取っていたように思えます。

戦後いち早く米国製ファスナーに目をつけ、社運をかけてファスナー製造機械を輸入購入した吉田工業(YKK)。

『川崎製鉄が千葉工場建設を強行するならペンペン草を生やしてみせる』とまで当時の日銀総裁一万田尚登に反対された川鉄。にもかかわらず、これを押し切って製鉄所建設に乗り出しました・・。

特振法が国会に上程されたのが1964年。「ずばりお尋ねします。本田技研は四輪車を作るな。そうおっしゃるのですね」佐橋滋通産事務次官を前に本田宗一郎は、こう問いただしました。「まあ、はっきり言ってしまえばそういうことです」と佐橋(詳しくは『こちら』)。

戦後から1970年頃までの日本にはこのような話がたくさんあります。

成田に空港建設が決まったのが1966年。開港が1978年。

これは、私の全くの『個人的な感覚』なのですが (従って本当はきちんと調べて書かないといけないのでしょうが)、この頃から少しずつ日本企業はリスクを取ることに慎重になってきたように思います。

豊かになって失うものが大きくなったことによるのでしょうか。

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2009年12月16日 (水)

生活防衛

表参道ケヤキ並木のイルミネーションが11年ぶりに復活しています。

11年前というと1998年。私が興銀を辞めた年です。当時、興銀を初めとする大手行各行に対する公的資金注入が決まり、日本長期信用銀行や日本債券信用銀行が破綻し国有化されました。

11年後の今年も勝るとも劣らず厳しい年になっています。

原宿、表参道界隈というとお洒落なショップやブティック、美容院などが並ぶのですが、最近では不景気のためか、例えば原宿・表参道の美容院に来て髪型を整えたり、パーマ、カラーをしてもらう若い人がぐんと減ってきているとか・・。

ある美容院の店長さんによると、『そもそも最近の若い人は通勤・通学など必要最低限の範囲でしか都心に出てこない。通常は、柏、八王子、春日部といった、彼らが住む地元の街で過ごしている』

春日部や川越のサイゼリアや王将は混んでいても西麻布の和食店は12月だというのに結構空いているといった状況が起きています。

ボーナスは出ないけれど家族で楽しむ時間は持ちたい。余分なところに出費したくない。

先ほどの美容院店長さんの話によれば、『これまでは月1回、美容院に来てくれたお客さんは2ヶ月に1回というように頻度を減らしてきている。特に髪の毛の長い女性はなかなかカットに来てくれない』

消費者の生活防衛意識はますます徹底してきています。

11年ぶりのイルミネーション点灯にあたり、主催者である原宿、表参道の商店街振興組合は『明るい話題のない中、表参道から元気を発信したい』と発言していました。63万個の電飾は人々を引き寄せることができるのでしょうか。

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2009年12月13日 (日)

師走に体感時間を想う

来年の年賀状がもう来た!という人の話を昨日聞きましたが、年賀状の受付開始は12月15日からです。受付開始前に出してしまうと12月中に届いてしまうということなんですね。

さて早いもので今年もあと僅か。

昨年の今頃はリーマンショックの影響が大きく2008年12月11日の日経平均は8,720円でした(今年12月11日は、10,107円)。

最近1年の経つのが早いと感じている方が多いかもしれません。年をとればとるほど、時間が早く流れるように感じていく・・?

ある人が感じる「1年が経つ速さ」(体感時間)は、その人が年を取るにつれて速くなるという説があります(詳しくは『こちら』。その他、『体感時間』という言葉を検索にかけてみるといろいろな情報に行きつきます)。

10歳の子どもにとって1年は人生の10分の1ですが、50歳の人にとっては50分の1。

よって体感時間は加速度的に早くなっていくのだとか・・。

(計算上、体感時間の上での人生の折り返し地点は19歳であるという“説”もあります)

体感時間に関してはスタンフォード留学生のブログにこんな記事がありました(詳しくは『こちら』)。

『体感時間が老化する(=気づいたら時間が過ぎてしまい、成長しなくなる)と何が怖いかというと、成長しないことに慣れてしまうようになることだと思います。

子どもの頃は毎日何かしら新しいことがあって成長していて、仕事を始めたての頃も毎日学びがありましたが(そして、私のこれまでの仕事は幸いなことに刺激量が全く落ちない刺激的な仕事でしたが)、

だんだん平和な日常に慣れてしまうと、自分の成長が大幅に鈍化してえるのに気づかないか、もしくはそれを容認してしまいます』

成長しないことに慣れてしまう恐怖。

なんとなく日本経済のことを言っているようにも感じられます。

さて、体感時間の劣化を防ぎ、充実した時を送るには?

新しい世界に接する。新しいことに挑戦する。自分自身を去年よりも成長させる。小さな変化を新鮮に感じる。日常生活に流されない ―  こんな「ちょっとした工夫」が必要なのかもしれません。

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2009年12月12日 (土)

POS

POSとは、Point of Sales Systemのことです(詳しくは『こちら』)。

コンビニでバイトをしたことのある方ならお分かりだろうと思います。

消費者がコンビニで買い物をする時、レジの店員さんは、バーコードで商品名や値段を読み取らせると同時に、購入者の性別と大凡の年齢(例:20代)をデータ入力しています。

どういった層の消費者に売れるのか、企業にとっては重要なマーケティング情報です。

ところで消費者は一方的に情報を吸い上げられるだけでしょうか?

時としてレジのカウンターで店員さんがどのボタンを押すのかが目に入ってしまうことがあります。

自分が何歳くらいに見られているか、これはこれで我々消費者にとって貴重な(?)情報です。実際の年齢より若く見られると何となく嬉しくなります。

最近では一部の書店でもこの種のデータを入力しているようです。

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2009年12月10日 (木)

二つの全く違った世界

日立も東芝も本年度9月末で終わった6ヶ月間の決算で最終損益は赤字となり、中間配当は見送られました。

大企業でもこのように厳しい状況ですので、中堅・中小企業は文字通り生き残りをかけ必死です。

コストを削減し、生産効率を上げ、営業の最前線では靴を磨り減らして売り込みをかける。

こういったことの積み上げで何とか少しでも赤字を減らし利益に結び付けようと懸命の努力を続けています。

今の環境下で会社として1億円の利益を上げるというのは非常に大変なことです。「一歩間違えばうちの会社は来年存続していないかもしれない」-そんな緊迫感が多くの会社を支配しています。

その一方で国の予算のレベルでは事業仕分けで明らかになったように、それこそ何千億円という予算がなかば思いつきのようなプロジェクトに使われている。

中堅・中小企業の経営者に見られるような切迫感や緊迫感は、仕分け人、役人のどちらにも感じられません。

『漫画ドラえもんに「もうひとつの地球がある」という話がありますが、事業仕分けのやり取りを見ていると、現実に、全く違ったもうひとつの世界があることに気づきます』-これは、ある中堅・中小企業の社長の言葉です。

昔はもう少し官と民が近いところにいたように思いますが、今では官は、はるか彼方、別の世界に行ってしまったように感じます。

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2009年12月 9日 (水)

メイク・マネー!

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『明神氏が私たちにカジノで勝ち続けるリスクについて語ったことがある。出入り禁止になる、闇討ちにあう、という次元の話ではない。最大のリスクは、カジノの全財産より多く勝ってしまうことだ、と彼は言った。そうしたら、払ってもらえない、と。』(末永徹著『メイク・マネー!』237頁)

この本は東大法学部在学中に公務員試験上級に合格するも1987年卒業と同時にソロモンブラザーズに入社し、10年間トレーディング部門で活躍した著者が、投資銀行の内幕を余すところ無く活写したもの。

私がこれまで『投資銀行』『プロジェクト・コード』などで描写してきたのは、投資銀行の中の「投資銀行部門」の世界でしたが、この本は同じ投資銀行でも部門が違うトレーディング部門を描いたものです。

部門が違えば別会社、別業種のような違いがあるのですが、それでも両者に共通するところも多くあります。このため本書で描かれている世界は私にとって非常に身近に感じられました。

これから外資系投資銀行に入ってトレーダーになろうと考えている若い人たちは是非読んでみると良いと思います。

それにしてもソロモンはトラベラーズに買収され、スミス・バーニーと合併させられ、さらにトラベラーズはシティ・バンクと合併し、いまそのシティがサブプライムで大きく傷つく状況となってしまいました。本書は弱肉強食が支配する、こうした米金融業界の凄まじさを垣間見ることが出来る秀作だと思います。

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2009年12月 7日 (月)

北朝鮮のデノミ

北朝鮮は11月30日、デノミを実施。今までの100ウォンは新しい1ウォンになりました。

これまで伝わった情報によると(情報の内容は一部、二転三転していますが)、新ウォンに交換出来るのは12月6日まで(期間1週間)。

しかも一世帯あたり10万ウォンしか交換が認められない(これを超えると交換比率は一気に不利になる)。10万ウォンというのは、北朝鮮で半月分の生活費だとか。(詳しくは『こちら』の記事をどうぞ)。

北朝鮮でタンス預金をしていた人たちは国家によって強制的に資産を没収されてしまうことになるわけです。

10年以上前ですが日本企業の多くをベトナムに案内したことがあります。その際、ベトナム人は国家を信じず、金の延べ棒を家に隠し持っている人が多いといった話を聞きました。

日本でも「国家のやることはそれほど信用できない」と考えている資産家の方が思いのほか多い。これはセミナーや講演会などで資産家の方々と接した際に私が持った印象です。

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2009年12月 6日 (日)

NHKドラマ「外事警察」

昨晩見たNHKテレビの土曜ドラマ「外事警察」。結構面白かったです。全6話(連続もの)のうち昨晩が第4話でしたが、『こちら』を見れば第1話から4話までの大凡のストーリーは分かりますので、これまで見ていなくても途中(今週土曜日)から楽しむことが出来ます。

テレビとパソコンとが連動することによって、このように連続テレビドラマを途中の回からでも楽しむことが出来るようになりました。なお原作は『こちら』

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西原節

昨日このブログ『1ドル90円台に』の記事の中で『西原理恵子の太腕繁盛記 FXでガチンコ勝負!編』のことを書きました。西原理恵子と言えば・・ということで、以前読んだことのある『できるかなV3』を本棚から取り出して読み返してみたのですが、う~ん、やっぱり凄い!

ただし西原理恵子のこの独特の『世界』は万人受けするものではないので、感覚的に合わない読者も多いかもしれません。

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2009年12月 5日 (土)

1ドル90円台に

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これだけ為替が動くとFX取引をしている人は大変でしょうね。

7月20日に放映されたNHKスペシャルで漫画家の西原理恵子さんが、「レバ200倍のFXで1000万円ふっ飛ばした」と語っていました。

まあ彼女の場合、何でも「ネタ」にしてしまうのですから凄いといえます(詳しくは『こちら』)。

最近のマーケットの動きについては、『こんな見方』(注:12月4日付けPKOに関するブログ記事)も。

しかし仮に政府の人為的梃入れがあったとしても、それが本来の流れを後押しするものであれば効果大ですが、そうでなかった場合、その効果はそんなに長くは続きません。

来週から再来週にかけてマーケットはどんな動きを示すのか、今後(といっても欧米のクリスマス休暇明けになるでしょうが)を占うことになりそうです。

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2009年12月 4日 (金)

最初の5店舗までが大変だった

一代で日本全国に飲食チェーン店舗網を確立し東証一部上場にまで育て上げた創業社長の言葉です。

『最初の店を成功させるのが一番大変でした。今風に言うと、ビジネスモデル確立の過程ですね。

失敗もたくさんし、首吊って死のうかと思ったこともありました。

やっとのことで、1号店を軌道に乗せ、「こうすれば上手く行く」ということが分かって、2号店を出しました。

けれども立地が違うからまた上手く行かない。1号店のときとは違った分野で苦しみました。

しかし大きな苦労は5店舗まで。

その頃になるとだいたい商売の勘どころが分かってきます。

フランチャイズ形式も取り入れお蔭様で今ではそれなりの店舗網を築きあげることが出来ました。』

ところで、起業家セミナーとか起業家の人たちを対象としたパーティー、異業種交流会などに顔を出しますと、圧倒的多数の出席者は起業家の方たちよりも、起業を支援するベンチャー・キャピタリスト、税理士、会計士、弁護士、政府関係者(独立行政法人やその他の団体)、金融機関などです。

起業をサポートする人たちは多くても、リスクを取って起業する人が少ない。(あるいは起業家たちは日々の商売、資金繰りなどで苦戦していて、この種の会合に出る余裕がそもそもない?)

シリコンバレーなどと違って、日本では大学を出た優秀な若い人がリスクを取りたがらないように思います。

それだけではありません。社会全体の最近の風潮として何でもかんでも政府に支援を求めすぎている(役所の方でも権限が拡大するから手を広げる傾向にある)ように思います。

自分でリスクを取って、自分で考えて事業を営む。

このことは辛く厳しいものなのでしょうが、上述の創業社長によれば、「半面、見方を変えれば面白い」。

「その面白さを一人でも多くの人に知って欲しい」-60代後半なのでしょうか、色つやの良い顔立ちで創業社長はこう話していました。

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2009年12月 2日 (水)

マイケル・ジャクソン THIS IS IT

映画を見た人のほとんどはこのDVD(『こちら』)も買うんでしょうね。

私も買います!

予約受付開始になってから瞬く間にアマゾンのDVD売上、1位、2位、4位を独占(2枚組み版、ブルーレイ版、DVD1枚版の順)。

既に数多くのカスタマー・レビューが寄せられており、ほとんどが星印5つというのも納得させられます。

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2009年12月 1日 (火)

オバマ大統領と水俣病

オバマ大統領の自伝『マイ・ドリーム』

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そこに、こんな一節があります(日本版31頁)。

『次は日本人の女性が、小さな裸の少女をたらいで行水させている写真。悲しい風景だった。女の子は病気を患っているのだろう。足は曲がり、頭は母親の胸のほうにだらりとしなだれていた。母親の顔は悲しみでこわばり、自分を責めているかのようだ。』

オバマ大統領は上院議員時代の2008年、水銀輸出禁止法案を議会に提出して成立させています(『こちら』)。

水銀規制については、米国のほかにもEUが2008年9月、域外への輸出を2011年までに禁止すると決定。

今年2月20日には、約150カ国が参加してナイロビで開かれていた国連環境計画(UNEP)の管理理事会で、水銀の排出抑制や輸出入規制のための条約を制定する(2013年の調印をめざして来年から交渉を始める)ことで合意した、とのことです。

日本政府も条約化には前向きとのことです(『こちら』)が、これまでのところ日本はアジアで唯一の水銀輸出国です。

2008年度には日本から、157トンの水銀がアジア諸国などへ輸出されています(『こちら』)。

水俣病を経験したにもかかわらず、日本は水銀規制の面ではオバマの米国やEUに先を越されています(『こちら』)。もちろん水銀を輸出する企業には、有機水銀とは違って無機水銀は安全だとか、それなりのロジックはあるのでしょうが・・・。

なお水俣病については下記の通りこのブログでも何度か書いてきました。

* * *

『金融機関から見た水俣病(その1)』

『金融機関から見た水俣病(その2)』

『金融機関から見た水俣病(その3)』

『金融機関から見た水俣病(その4)』

『新聞協会賞』

『水俣から、未来へ』 

『Chisso accountable to public』

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