シリコンバレーのベンチャー・キャピタル
(1)クライナー・パーキンス・コーフィールド・アンド・バイヤーズ
正式名は、Kleiner Perkins Caufield & Byers
1980年代、富士通は米国のフェアチャイルド・セミコンダクターを買収しようとしたことがあります。
この時、米国政府が「半導体産業の産みの親とも言うべきフェアチャイルドを買収するなんて・・」と買収に反対し、このディールは頓挫(1986年)。
ところで、「半導体産業の産みの親」とも言うべき、このフェアチャイルド社は、ショックレー研究所で働いていた技術者のうち8人が、独立・起業して1957年に興した会社です。
この8人の中には、日本でも(半導体関係者の間では)有名な Gordon Moore、Robert Noyce、Eugene Kleiner などがいます。
ベンチャー・キャピタルとして著名なクライナー・パーキンス・コーフィールド・アンド・バイヤーズは、フェアチャイルド設立から15年後の1972年、上記のEugene Kleinerほか3名によって興されました
(創業メンバーは、Eugene Kleinerを初めとして、ヒューレット・パッカードで活躍していたTom Perkins、さらにはFrank Caufield、およびBrook Byers)。
彼らはこれまでに次のような会社の初期段階で投資し、これらの成長を支援してきました。
Amazon
American Online (AOL)
Compaq
Fextronics
Genetech
Lotus
LSI Logic
Macromedia
Netscape
Segway
Sun Microsystems
Tandem
クライナー・パーキンス・コーフィールド・アンド・バイヤーズのホームページは『こちら』。
彼らは世界で3箇所に拠点を有しています(アメリカのシリコンバレー(メンロー・パーク)と中国、上海、北京です)。
(2)セコイア・キャピタル
正式名は、Sequoia Capital
クライナーと同じく、1972年に設立。
後にフェアチャイルド・セミコンダクター(上記)を買収することになるナショナル・セミコンダクター社は1959年に Sperry Rand Corporation で働いていた技術者のうち8人が独立・起業して興した会社(注:フェアチャイルドの創業に似ています)。
この8人のうちの1人である Don Valentine が興したのがセコイア・キャピタルです。
これまでセコイアは次のような会社の初期段階で投資し、これらの成長を支援してきました。
Apple
Cisco
Flextronics
LSI Logic
RockYou
Yahoo!
YouTube
セコイア・キャピタルのホームページは『こちら』になります。
(3)コスラ・ベンチャーズ
正式名は、Khosla Ventures
サン・マイクロシステムズはスタンフォード大学のビジネス・スクールを1980年に卒業したビノッド・コスラと彼の同級生スコット・マクネリーほか2名によって設立されました。
このうちコスラは最初にサンのCEOになり、1985年には退社。86年には上記のクライナー・パーキンスに移り、ベンチャー・キャピタリストとして活躍してきましたが、2004年、自らの投資会社、コスラ・ベンチャーズを設立。
彼は1500億円とも言われる個人資産の大半をコスラ・ベンチャーズに投下、しかも当初コスラ・ベンチャーはLP(Limited Partners)相手の大規模なファンドレイズ(資金調達)は行わずに、ほとんど彼の資金だけを投資原資としていたということで話題を呼びました(詳しくは『こちら』 )。
コスラ・ベンチャーズのホームページは『こちら』です。
なおコスラ・ベンチャーズについては『こちら』も参考になると思います。
* * *
もちろんシリコン・バレーには上記のほかにも数多くのベンチャー・キャピタルがあります。
これらシリコンバレーのベンチャー・キャピタルは、大学の教授、研究者、ビジネス・スクールの学生たちと密接にコンタクトしながら、次の時代を牽引する第2、第3のグーグルやアップルを産み出すべく尽力しています。
実際にどんな動き方をしているのか。『こちら』の記事が参考になると思います。
| 固定リンク
コメント