『死ぬ前にどう生きるか』 (その3)
Steve Jobs のスピーチ。 前回からの続き(第3回)です。
* * *
その時には分からなかったことで、今になって初めて分かることがある。
それはアップルをクビになったことが、自分の人生にとって最も良い出来事だったということだ。
成功者であることの重み、それがもう一度初心者になるということの軽さに代わった。初心者、すなわち、あらゆる事に対して前ほど自信を持てなくなったのだが。
アップルをクビになったことで、私は自由になれ、自分の人生で最もクリエイティブな時期に入ることが出来た。
この後の5年間で私はネックスト(NeXT)という会社を始め、さらにもう一つピクサー(Pixar)という会社を作り、素晴らしい女性と恋に落ち、彼女は私の妻になった。
ピクサーはやがてコンピュータ・アニメーションによる世界初の映画「トイ・ストーリー」を創り、今や世界で最も成功しているアニメーション・スタジオになっている。
さらに驚くべき展開が起きた。アップルがネックストを買収することになり、その結果、私はアップルに戻ったんだ。
われわれがネックストで開発した技術は、今のアップルの輝かしい成功の中核を占めるに至っている。
そして妻のロレーヌと私は素晴らしい家庭を持っている。
確かなことは、もし仮に私がアップルをクビになっていなかったら、こうした事は何ひとつ起こらなかっただろうということだ。
アップルをクビになったということは私にとって非常に苦い薬だった。
しかし私という患者はそれを必要としていたんだと今になってみると思う。
時として人生は我々の頭をレンガで殴りつける。
しかし信念を失ってはいけない。
私が困難にもめげずにやってこれたのは、煎じ詰めれば、自分のやっていることが好きだったからだ。
あなたたちも自分がやって好きなことを見つけなければならない。
好きだということ、愛するということ。恋人に対してそういう感情を持つのと同じように、仕事に対しても、好きだということ、愛するということが重要だ。
あなたたちにとって仕事が人生に占める割合は大きい。したがって人生に真に満足できる方法はただ一つ。あなたが素晴しいと信じる仕事をやることだ。
そして素晴らしい仕事をする方法はただ一つ、自分のしていることが好きで愛せなければならない。好きなことを仕事にすることだ。
もしまだ好きなことが見つかってないなら探し続けることだ。
妥協してしまって好きでもない仕事に就いてはいけない。
好きということは心が感じることだから、全ての心が感じることがそうであるように、どんな仕事が好きかということは自然と分かる。 あなたが好きな仕事に出会えば、あなたは自ずとそのことが分かるようになる。
そして好きということがベースにある関係は、それが仕事とあなたとの関係であっても、あたかも恋愛関係のように、年が経過するごとにどんどん良くなっていく。
だからそういった仕事に出会うまで探し続けることだ。
好きでもない仕事で妥協してしまってはいけない。
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続きは次回にします。
アップルのスティーブ・ジョブズに関しては多くの本が書かれていますが、
が一番面白いと思います。
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