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2010年1月19日 (火)

サウスウエスト航空 

今日、19日、日本航空が会社更生法の適用を申請します。

もう30年以上前のことになりますが、スタンフォード大学のビジネス・スクールに留学していた時に、サウスウエスト航空のことを知りました。

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『サウスウエストなんて聞いたことがない』という方が日本では多いかもしれませんが、

実は乗客数で世界1位の航空会社です (くわしくは『こちら』)。

1位 サウスウエスト (102百万人)

2位 アメリカン (93百万人)

3位 デルタ (72百万人)

ちなみにドイツのルフトハンザは8位、フランスのエールフランスは9位。

日本航空も全日空もトップ10には登場しませんが、乗客数はどちらも約50百万人。

(注:旅客キロ数では世界1位はアメリカン、サウスウエストは世界8位)

なお世界の航空会社のこうしたデータは、『IATA』 が発表しているのですが、『こちら』の頁でかなり分かりやすくまとめています。

ぜひご覧になってみて下さい。

さてサウスウエスト航空の株価はこんな具合に推移してきています(↓)。

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現在時価総額約8000億円。

全日空(7000億円)を上回ります。

アメリカの航空会社なので、『従業員はリストラされて大変なのでは』と思われる方もいらっしゃるかもしれません。

あに図らんや、サウスウエストは従業員の解雇やレイオフを行わない会社として有名です。

米国のビジネス誌フォーチュンは同社を「アメリカで最も働き甲斐のある会社」(Best Companies to Work For)と評価したことがあります(1997年、98年は全米1位。99年、2位。2000年、4位。以降、同社はこの調査に参加せず。詳しくは『こちら』)。

同社が成功している要因についてはいろいろ語られていますが、 『こちら』の本に詳しくまとめられています。

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【注】ちなみにこの本は、経営の本としても参考になると思います。エクセレント・カンパニーの著者、トム・ピーターズが『今年はビジネス書を1冊しか読むひまがないという人には、ぜひ本書を推薦したい』と序文を寄稿しています。

アマゾンのブックレビューには次のようなコメントもありました。

「米国企業は株主主権、日本企業は従業員主権」などという薄っぺらな固定観念が、粉々に砕け散る本だ。読んでいて小躍りしたくなった。・・」

 *  *  *

『航空会社は経営のやり方で凄く差がつく。こんな面白い業界はない』

これはTPGの創業者ボンダーマン氏と会ったときに彼から聞いた言葉です。彼と会ったときのことは、拙著『M&A新世紀』に書きました(38~39頁)。

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コメント

私も破天荒は読みました。
サウスウエスト航空を知ったきっかけは、ピーターリンチの株式投資の法則でした。
「得意なことにしがみつく。」
「顧客第二主義」
など言い回しが面白いですよね。

投稿: マンガー | 2010年1月19日 (火) 09時12分

マンガー様

サウスウエスト航空成功の裏には、「計算しつくされた経営の合理性」があると思います。

例えば同社は、現在ではボーイング737機ばかり547機(世界最大)も運航させています(破天荒が書かれた1997年に比し、また一段と増えています)。

ボーイング737以外の機は基本的に使用しません。

機種を揃えることで、整備コスト、教育コスト、クルーの配置コストを抑えているわけです。

一方のJAL。 ボーイングだけでも、747、777、767、737、更にエアバス300、MD90、MD81などなど、実に多種類の機種を運航させています。

投稿: 岩崎 | 2010年1月19日 (火) 12時11分

岩崎さん
お返事ありがとうございます。

一元化したところに、先見の明ありです。

逆に、JALのようにたくさんの機種を揃えることにどのような合理性があったのかわかりません。

投稿: マンガー | 2010年1月19日 (火) 14時19分

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