ユーロのゆくえ
こちらの写真はGreenlight Capital のDavid Einhorn 社長。
今年42歳になるヘッジファンド・マネージャーです。彼を初めとする有力なヘッジファンドのマネージャーたちが “ある夕食会” に招かれ、通貨ユーロについて話し合ったことが今、話題を呼んでいます(詳しくは『こちら』)。
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すでに何度も報道されているように、ギリシャの問題を受けユーロがじりじりと値を下げています。
(過去3ヶ月間のユーロ対ドル)
(過去3ヶ月間のユーロ対 円)
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冒頭の “ある夕食会” の話ですが、ウォールストリート・ジャーナル紙の報道(2月26日付け、詳しくは『こちら』)によると、
2月8日に Monness, Crespi, Hardt & Co.(『こちら』)が、ニューヨーク、マンハッタンで、"idea dinner" と称する夕食会を開催。
夕食会には、SAC Capital Advisors、Soros Fund Management、 Brigade Capital、そして Greenlight Capital などのヘッジファンドが招待されたとのこと。
Soros と言えば、1992年に英国ポンドに対して戦いを挑み、勝利した(ポンドの下落)ことで知られています。
そして、Greenlight Capital はDavid Einhorn (上の写真)が社長を務めるファンド。リーマンブラザーズの株を思いっきりショートして、リーマン破綻を加速させたことで有名です(詳しくは『こちら』)。
さて夕食会でどんなことが話題になったかですが、
『ユーロはもっと下落すべきではないか。1ドル=1ユーロくらいになるのではないか』
といったことが議論されたとのこと。
ウォールストリート・ジャーナル紙によればヘッジファンドのマネージャーたちが集まってこの種のことを議論しても違法にはならないとのことです。
これから先、1年の間に為替レートが1ドル=1ユーロに達することにかけるトレード(プット・オプション)は昨年11月の段階では3%、すなわち 33 対 1 の掛け率(odds)。
それが今では7%、すなわち 14 対 1 の掛け率(odds)にまで来ていると言います(詳しくは『こちら』)。
ギリシャの次は、スペイン、ポルトガルなども問題となり得るなどと言われていて、今後ユーロの動向から目が離せません。
ユーロ安は、ヨーロッパに行く日本人観光客にとっては有り難い話なのでしょうが、ヨーロッパで収益を上げているキヤノンなどの輸出企業にはマイナスに働きます。
グロソブなどの投信を持っている方もユーロ安の動向に留意していくことが必要です(ちなみにグロソブはポートフォリオの43%をユーロ圏の国債等で運用。詳しくは『こちら』)。
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