サヨナライツカ
先週はタイのバンコクに出張していました。
(上の写真はオリエンタルホテルのAuthor's Wing)
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大泉啓一郎さん(『老いてゆくアジア』の著者。『こちら』参照)が言うように、アジアでも人口ピラミッドの高齢化現象が進んでいて、都会だけを見ていても本当の現実は分らない - これは事実だと思います。
にもかかわらず、単純に(同じ都会の)バンコクと東京とを比較してみても、バンコクは活気、覇気に溢れ、街全体から躍動感のようなものが強く感じられます。
おそらく日本以上の格差社会なのでしょう。
街中のショッピング・センター(Emporium)には、ベントレーなどの高級外車のディーラーが出店しています。
「輸入車には高い関税がかかります」と案内してくれた現地タイの大手銀行の副頭取(EVP)。
値段を見たら日本の約3倍。
日本円にして 9,000 万円近いクルマもありました。
一方、この銀行の社員食堂で食べた昼食は 75 円。
「日本のM銀行(筆者注:そう言えば日本の3大銀行は何れもMが頭文字でした)の駐在員の方たちも時おりこの食堂に食べに来ています」とは先の副頭取の弁。
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成長するアジアの「波」に乗ろうとバンコクには多くの日本企業が進出してきています。
例えば前述の Emporium ショッピング・センターには、日本の大戸屋なども出店しています。
メニューを見ましたら一見したところ献立は日本と変わらず、値段も日本とほとんど同じように思えました。
そして私が見た店(2つのEmporium ショッピング・センターに入っている2店)は何れも現地タイの人たちによってほとんど満員の盛況振りでした。(もっとも大戸屋はタイに20店舗もあり私が見たのはそのうちの1割に過ぎないのですが・・)
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大手銀行の社員食堂で75円で昼食を食べられる(市内にはもっと安く昼食を食べられる店がたくさんあります)。その一方で、大戸屋のような店が日本と同じような価格帯でメニューを提供しても繁盛する - こういった現実がこの街にはあります。
タイではタンマサート大学(『こちら』)と並び、最も優秀な大学とされるチュラーロンコーン大学(詳しくは『こちら』)。
この大学のキャンパス近くスターバックスではコーヒーを飲みながら教科書を読んだりノートを取ったりする学生たちで賑わっていました。
(チュラーロンコーン大学)
『タイの将来は教育にある。教育は最も重要な国家プロジェクトです』
出張中にお会いしたタイの文部省(Ministry of Education)事務次官の方はこう力説していました。
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ところでバンコクで泊まったオリエンタルホテルは辻仁成の小説『サヨナライツカ』の舞台となったホテル(奥さんの中山美穂が主演した映画の方を知っている方も多いかもしれません)。
チャオプラヤー川のほとりにあるこのホテルは昔ながらの情緒を残していて、作家のサマセット・モームなども長期滞在していたとして知られています。
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