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2010年3月18日 (木)

キャッシュフローを引く力

私は 2007年度から毎年大阪経済大学の大学院で講義をしてきています。

来年度(4月から始まる2010年度)で4年目になりますが、こうした席で若い方々にお話しするのは、これからの時代、ますます「プロフェッショナルになる」ことが求められるということです。

プロフェッショナルの条件はいろいろあるのでしょうが、私は難しく考えていません。「あることについて普通の人よりも長けている」といったイメージです。

私の場合は興銀の審査部でプロジェクト・ファイナンスの審査を5年間も行ったので、キャッシュフローを引くことについては普通の人よりもたくさん経験してきました。

それが後にLBO(Leveraged Buyout)ファイナンスの分析やM&Aの企業評価の際にも役に立ってきたのだと思っています。

ところで、キャッシュフローを引くというと難しく聞こえますが、ポイントの一つはエクセルのスプレッド・シートの展開力です(私がビジネススクールにいた時はBASICでプログラムを書いていました)。

そしてもう一つが、バランスシートやインカム・ステートメント(日本で言うPL)を読む力。

こちらについては会計(Accounting)の勉強をしていくことが必要になります。

スタンフォードのビジネススクールの時もそうだったのですが、会計学は好きな人は好きなのですが、嫌いな人は嫌い。経済学などと違って、面白さが分るまで結構時間がかかります。

そういった方たちにお薦めなのが、副読本の活用。一見したところでは無味乾燥な会計学を面白く説明する本が最近は結構たくさん出ています。

たとえば、『決算書でよむ企業と業界力』

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これは大ヒット(9万部も売れたとのこと)した『財務3表一体分析法・・』の著者による最新作です。

この本の特徴は、各社の財務諸表を鳥瞰図的に捉えることが出来るということ。

投資銀行などでピッチブックを作らされている若い方たちは、既に何でも図表化しグラフ化することに慣れているので、この種の本は「今さら・・」と思われるかもしれません。

しかし一般の人たちはなかなか鳥瞰図的にものを捉える機会に乏しいのではないでしょうか。そういった人たちには意味ある一冊だと思います。

実際のところ、ある会社が筋肉質なのかメタボ体質なのか、鳥瞰図的にさっと財務諸表を見るだけでも、かなりのところまで分るものです。

もちろん一見スリムでも隠れ肥満(内臓脂肪)の人もいれば、逆に豊満な人でもお相撲さんのように内臓脂肪が余り無い人もいます。

キャッシュフローを引く上では、財務諸表の裏側にある企業体力、事業素質を読み解くことが必要になってくるのは言うまでもありません。

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