1週間に1冊くらいのペースで本を読んでいます。
買う前に本屋さんで少し立ち読みをしたり、アマゾンの書評を読んだりしてから買っていますので、期待外れに終わる本はそんなに多く有りません。
もっとも「そこそこ面白い」、あるいは「ためになる」だけではなくて、読み終わって「出会えて良かった」と思える本。
そんな本に巡り合えることはめったにありません。
それだけにそういった本に出会えた時は本当に嬉しいですね。
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『20歳のときに知っておきたかったこと スタンフォード大学集中講義』
以下は、アマゾンの紹介ページにも出てくる、『この本』の冒頭部分です。
いま、手元に 5 ドルあります。
2時間でできるだけ増やせと言われたら、みなさんはどうしますか?
これは、わたしがスタンフォード大学で実際に学生に出した課題です。
(中略) おなじ課題を出されたら、みなさんならどうしますか?
いろんなグループにこの質問をすると、たいてい「ラスベガスに行く」とか、「宝くじを買う」と言う人が出てきます。
ドッと笑いが起きます。
こういった人たちは、大きなリスクを取って大金を稼ぐという、ごくごく低いチャンスに賭けているわけです。
次によくあるのは、5ドルで道具や材料を揃えて、「洗車サービスをする」、あるいは「レモネード・スタンドを開く」といった答えです。
2時間のあいだに、使ったお金よりも多少儲けようという人にとっては、それもいいでしょう。
ですが、わたしが教えた学生のほとんどは、こうしたありきたりな答えのはるかに上を行く方法を見つけました。
できるだけ多くの価値を生み出すために、課題に真剣に向き合い、常識を疑った結果――豊かな可能性に気づいたのです。
じつは、大金を稼いだチームは、元手の5ドルにはまったく手をつけていません。
(中略)では一体、彼らは何をしたのでしょうか?
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こんな1節もあります。
わたしは、この本で紹介した物語の一部を父に話しました。
すると父は、83歳の人生を振り返って、一番大切な知恵は何か考えてみると言ってくれました。
(中略)父は8歳のとき、アメリカに渡ってきました。1930年代に、一家でドイツから命からがら逃げてきたのです。当初は英語がまったく喋れませんでした。
(中略)RCAで働いていた駆け出しの頃、暗礁に乗り上げたプロジェクトがありました。
父たちは何日も徹夜して問題解決にあたりました。
(中略)ようやく問題が解決し、プロジェクトを完成した直後、事業計画全体が中止になりました。
父たちにとってはプロジェクトがすべてでしたが、ほかの人たちにとっては取り替えのきくものでした。
人生に起きることのほとんど、とくに失敗は、そのときの自分が思っているほど大したことではない ― この点を何度も思い知ることになったと言います。
(中略)影響力や権威、力のある立場に立てば、大きな恩恵を受けられます。ところが、その「地位」を去った途端に、そうした特権は消滅してしまいます。
(中略)だから、自分自身をいまの地位と結びつけて考えてはいけないし、周りの評価も鵜呑みにしてはいけません。
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この本は著者が、20歳を迎える息子への誕生日プレゼントとして書いたものです。
最後の1節から。
25年前に書いた詩を読んで思い出すのは、
20代の頃、次のカーブに何が待ち受けているのかわらなかったが故に抱いた不安です。
将来が不確実なのは歓迎すべきことなのだと、誰かが教えてくれればどんなによかったのに、と思います。