政府は何もしない方がいい
ケネディ家は食事の時に家族でよく政治の話をしたと言います。そして、それがそのまま子供たちのディベートの訓練になったとのことです。
私が高校時代に1年間一緒に過ごしたアメリカのアルフォルド家も、夕食時には常に何らかの政治の話をしていました。
父親(ハーバードのビジネススクール卒)は熱心な共和党支持者。「政府は小さければ小さいほど良い」との考えの持ち主。
母親は民主党支持。学生時代はスミスカレッジの大学院で社会福祉を専攻していました。
よって二人の意見は政治的には正反対で、夕食時、子供たちも交えて二人はよく議論をしていました。そしてこの議論を聞くのは私にとって非常に勉強になりました。
ちなみにアルフォルド家には3人の子供がいました。
長男(後に弁護士になる)は父親と同じ考え。長女は政治には無関心。次男(彼も後に弁護士になる)は母親に似た考え。
父親と母親は選挙の時には相対立する候補者に投票していました。
父親いわく、『女性に参政権を与えたのは大きな間違い。私の一票が無駄になる』。
彼は第二次世界大戦中、ヨーロッパ戦線でヒトラーと戦い、Dデイの日にノルマンジーに上陸した一人です。
『基本的に政府は何もしない方がいいんだ』と良く話していました。
政治的には全く意見が違うアメリカの父親と母親でしたが、二人は大変仲が良く、私が留学している1年間、二人が喧嘩したのを見たことは一度もありませんでした。
ところで『政府は何もしない方がいい』と言っていた父親も、教育についてだけは例外と考えていたようで、レーガン州知事(当時)がカリフォルニア大学の予算を大幅にカットしたことについては、かなり強く憤慨していました。
彼は貧しい人たちにも教育を受ける機会が与えられなければならないと強く信じていて、この点については母親と同意見でした。
アメリカの父親が亡くなってから20年近く経ちます。政府は何もしない方がいいと言い切った彼が、政府にいろんなことをして欲しいと思う今の日本人を見ると何と言うのでしょうか。。。
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