国家の破産
1980年代の初め。このとき私は興銀で、破たんした国家への既往貸付債権のリスケジュールを担当していました。(このことについては既にこのブログでも書きました。『こちら』です)。
当時私がいたのは興銀の外国部(後の外国業務部)欧州班で、ポーランド、ルーマニア、ユーゴなどの国が債務の返済に応じられなくなっていました。
隣の米州班ではアルゼンチンが問題化し、さらに国際金融市場の関心はブラジルに集まっていました。
アルゼンチンやブラジルは資源も豊富です。
そもそもこういった国がなぜ破たんの危機に陥るのか―私はこの辺を疑問に思い、当時調査部の人に聞きにいったのを思い出します。
「一国が資源を持つかどうかは一つのファクターに過ぎません。たとえばブラジルの問題は政治や官僚の問題です」
調査部の方の話を今になって思い出します。
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さて街の本屋さんの店頭を覗くと『週刊エコノミスト』がど~んと積み上げられていました。
『日米英「同時破産」』という衝撃的な見出し・・。
中をめくってみると浜矩子教授 (注:常に厳しい見方をしていて、ぶれないところが良いと思います。『グローバル恐慌―金融暴走時代の果てに』など勉強になります) をはじめとする識者たちの寄稿文が載っていたので、買って読んでみました。
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本日の日経平均は今年2番目の下げを記録。
「いったいどうなってしまうんだろうか」
こう思っている方にはこのエコノミストの特集記事は一読の価値があるかもしれません。
30年近くも前にブラジル問題について解説した調査部の若いアナリストの一言:「ブラジルの問題は政治や官僚の問題です」
これはもしかするとそのまま今の日本に当てはまる、そんな思いが頭の中をよぎりました。
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