「ポジション・トーク」 vs. 「unbiased views」
カリスマ・ディーラーと称する人。
こういった人が例えば自らドル資産を買い持ちにして(ドル資産を積み上げて)おいて、相場を自分に有利なように導こうとドル高(円安)誘導発言を行うこと。
これを一般にポジショントークと言っています。
すなわちポジショントークとは、株式・為替・金利先物市場において、買い持ちや売り持ちのポジションを保有している著名な市場関係者が、
自分のポジションに有利な方向に相場が動くようにと、
市場心理を揺さぶる発言を、マスメディア・媒体などを通して行うことを言います。
ちなみにこの言葉はきちんとした英語ではなく和製英語です。
個人投資家の方はポジション・トークに騙されないように市場関係者の話を聞く必要があります。
「この市場関係者は実は自分でポジションを持っているのではないか」
プロップと言っていますが、英語で言う Proprietary Trading Intererst (自己勘定取引)。「これにに従事しているのではないか」- そういった目で発言者の言葉の裏を探ってみる必要が有ります。
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ところで、このようなプロップに従事しないで、ひたすら顧客の資産運用に努めて、世界最大の顧客資産(3.4兆ドル;310兆円)を運用するようになったのが、ブラックロック(『こちら』)です。
このためブラックロックの会長ラリー・フィンクの言葉は、
バイアスのかかっていない見方(unbiased views)ということで、マーケットではそれなりの高い評価を得ています。
(ちなみ私はブラックロックとはほとんど接点ありません。興銀時代の後輩でブラックロック・ジャパンに勤務している人がいるくらいです)。
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さて今般ブラックロックのフィンク会長がシンガポールで行われたスモール・ミーティングで話した内容が、幾つかのメールの転送を経て私のところにも送られてきました。
スモール・ミーティングとは少人数が参加するミーティングのことです。
大人数の聴衆を前にしての発言やマスコミの取材がある場での発言に比べて、突っ込んだ内容の発言が期待できます。
はたしてブラックロックのラリー・フィンクはいまのマーケットをどう見ているのか。
強気か弱気か。
株式相場はどうなるか。
ユーロは?
ギリシャは?
次回以降、彼のシンガポールでの発言を簡単にご紹介していきます。
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