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2010年5月 2日 (日)

シンガポールでのスモール・ミーティング(1)

4月下旬に行われたシンガポールでのスモール・ミーティング。

そこでブラックロックのフィンク会長が話した内容です。

(前回お話したように私自身がこのミーティングに参加したものではありません。幾つかのメールの転送を経て私のところにも、その内容が送られてきたものであり、必ずしも正確でない部分が含まれているかもしれません。なお今回の記事は5月1日のブログ記事をお読みになった後でお読み頂いた方が宜しいかと思います)。

1.全体観

今日の世界のマーケットを取り巻く環境を見てみよう。

そこには非常に深刻な逆風や問題がある。

しかし全体観からするとプラス面の方がマイナス面を上回る。

全体としてみれば、世界のマーケットは現在の水準(注:4月23日(金)― 米ダウ平均:11,204、日経平均:10,914円)に比べて、今後おおよそ10~15%程度は上昇していくだろう。

それでは、今日の世界のマーケットを取り巻く、幾つかの非常に深刻な逆風や問題とは何か、主なものを見ていこう。

2.【問題その1】 ヨーロッパ

ヨーロッパの問題は始まったばかりだと見ている。

ギリシャ、スペイン、その他の国々の負債(過多)や赤字の問題は、解決に向けての諸段階の中で、非常に初期の段階にある。

全ての負債過多(debt crisis)の問題がそうであるように、

この問題の解決や回復は、負債を負ってしまった当事者にとって

苦痛を伴う(painful)調整があって、初めて、その道筋(解決や回復)が見えてくるものだ。

ギリシャやスペインについては、この種の苦痛を伴う(painful)調整がまだ行われてはおらず、これからのことだ。

アイルランドについてはもっと遅れており、全てのプロセスはまだ始まったばかりだ。

たとえば、ギリシャについてもう少し詳しく見てみよう。

ギリシャの公務員の中には50歳で定年を迎え、公務員の年金生活に入ることが出来る層がある(岩崎註:全ての層ではありません。むしろ50歳定年は特殊なケースであるようです。ギリシャの公務員の定年については『こちら』『こちら』なども参考にしてみて下さい)。

ギリシャ問題の本格的な解決の為には、国民の痛みを伴う諸施策が講じられる必要があり、その結果、社会的な不安定と混乱(unrest and disruption)が起こることになるだろ。

スペインの負債過多の問題は、更に2つの別の問題があるために、より一層深刻なものになっている・・

(続きは次回にします)。

* * * *

ところで、ネットで調べていましたら、大前研一さんが2年前にブラックロックのフィンク会長について書いた記事が出てきました(『こちら』)。

その一部を以下に抜粋します。

「フィンク会長と言えば、サブプライムの勝者として一躍有名になりました。

私も以前、サブプライム関連を組み込まずに絶妙な運用をした人がいたということで、紹介したことがあります。

シティバンクやメリルリンチが1兆円を超える損失を計上したのに対し、ブラックロック社のサブプライム関連損失は軽微な額です。

さらに、同社旗艦ファンドであるオブシディアンは不動産価格下落に乗じて大きな収益を得たという慧眼ぶりには一目置かざるを得ないでしょう。

実際、ローレンス・フィンク会長には、色々な銀行や証券会社などからトップ就任を請われていると聞きますが、それも頷けます」

* * * *

さてそのフィンク会長が今回語るスペインの問題、イギリスの問題、そして、アメリカは・・?

通貨ユーロとドルとの関係などは・・?

次回以降、これらについて紹介していきます。

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