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2010年6月29日 (火)

マネ

三菱一号館美術館(『こちら』)で、美術館開館記念展として、『マネとモダン・パリ展』が開催されています(『こちら』)。

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     (三菱一号館美術館)

記念展の案内には、『“近代絵画の創始者”マネの全貌』とあります(『こちら』)。

美術館館長の高橋さんいわく、『僅か51歳で逝去した・・マネは本来決して多作ではなかった上に、貴重な代表作の多くは欧米の著名美術館の「目玉」となっていて、それらを借り出すことは大変に難しい』とのこと。

記念展では『この類稀な芸術家の代表的作品を編年的に辿る、回顧展の形式をとっています』(高橋館長)とのことです(『こちら』)。

下の作品は、黒の色彩で有名な『すみれの花束をつけたベルト・モリゾ』。

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モデルのベルト・モリゾは19世紀印象派の女性画家で、マネに絵画を学びながら、彼のモデルを多く務めたことでも知られています。(マネもまたモリゾの作品から学ぶことが多かったといいます『こちら』)。

モリゾは、マネとの恋仲を噂されることもありましたが、実際には、1874年にマネの弟、ウージェーヌ・マネと結婚しています。

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2010年6月27日 (日)

ガラパゴス

質問です。

あなたは、Aさんと約束していて、電車で待ち合わせ場所に向かっています。

事故で電車が止まってしまったとします。

このままでは約束時間に遅れてしまいます。

あなたはAさんのケータイ番号は知っていますが、メール・アドレスは知りません。

電車が止まった車内では、乗客の人がいらいらしており、ケータイをかけにくい雰囲気です。

さて、あなたはどうしますか。

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Aさんのケータイ電話番号を知っているのなら、この番号を宛先にして、SMS(ショートメッセージサービス)を送ってみるという方法があります。

これは音声チャンネルを利用してテキスト・メッセージを送るもので、パケット・チャネルを利用する、通常の「メール」( i モードメールなど)とは異なります。

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NTTドコモmovaのショートメール、FOMAのSMS、au のCメールなどが、SMS(ショートメッセージサービス)にあたります(詳しくは『こちら』)。

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先ほどの質問の答えですが、あなたのケータイとAさんのケータイが、どちらも同じキャリア(ケータイ電話会社)であれば、あなたがAさんに送ったSMSは、Aさんに届きます。

しかし例えば、あなたがドコモで、Aさんが au やソフトバンクだとすると、あなたが送ったメッセージはAさんには届きません。

あなたのケータイ画面には、「送信できませんでした」と表示されてしまいます。

海外ではオペレーター(キャリア)をまたがった形でSMSが送れるのが一般的。

日本でも早くSMSの標準化が行われることを期待したいところです。

ところで、この記事のタイトルである、ガラパゴスとはエクアドル本土の西約900kmにある群島(『こちら』)。

ウィキペディアによると、特定地域内において工業製品などが独自規格・独自仕様を発達させることを、「ガラパゴス化と言う」とのことです(『こちら』)。

ガラパゴス化について、もう少し詳しく知りたい方は下記の本(『こちら』)が参考になるかもしれません。

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私は個人的にはいつかガラパゴス諸島を訪問してみたいと思っています。

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2010年6月26日 (土)

トレーニング

2か月ほど前から、1週間に1回、スポーツジムでパーソナルトレイナーの人についてもらって、トレーニングをしています。

最初の数回はペア・ストレッチが中心。

自分一人のストレッチではどうしても限界がありますので、トレーナーに体を押したり、足を伸ばしたりしてもらって、柔軟性を高めていきます。

私は「筋肉の稼働範囲を広くしたい」との希望を持っていたのですが、トレーナーいわく、

「もっと筋力を付けましょう。岩崎さんの場合、足のひざの裏や腿の裏の筋肉で、あまり使われていない筋肉がある」。

この結果、最近は筋力トレーニング中心のメニューになってきています。

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ところが、これが非常にキツイ!!

「これまであまり使われて来なかった筋肉を意図的に使う」というのは結構大変なことです。

一時間みっちりやると、最後の方は頭がフラフラしてきます・・

思わず「これ以上は無理です!」と言うと、

「最後、もう1回!」

というトレーナーの非情な声が・・。

そう言えば、と思い出したのが、中学時代の陸上競技部でのトレーニング。

「昔、こんな思いをしたな・・」

確かに私は今まで自分の筋肉を甘やかし過ぎていたのかもしれません・・。

ジムで自分ひとりでやる有酸素運動や、マシンを使っての筋力トレーニング、腹筋運動などは、本当のところ、限界には挑戦していません。

「もうこれ以上無理だ」と自分が思うと、勝手に止めてしまう。

ところが、トレーナーやコーチは容赦がありません。

「私も頑張ってんだから、岩崎さんも頑張ってください。あと1回、出来るはず・・」

そう言われながら、頑張っています・・・。

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2010年6月23日 (水)

真夏の夜の夢

スタンフォード時代のクラスメートから届いたメールに、夏至(the summer solstice)について語ったくだりがあり、

シェイクスピアは、「この日の晩に見る夢は実現する」( "Whatever is dreamed on this night, will come to pass") と書いている

とありました。

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     (オーベロンとタイターニアの喧嘩)

このメールを受け取ったのが6月23日(水)。夏至は21日(月)でしたので、もう過ぎてしまっていた訳ですが、はて月曜日の晩はどんな夢を見たのか、と思わず考えてしまいました。

メールの内容は同窓会の知らせ。

早いもので卒業後もう30年になります。

なおシェイクスピアの "Whatever is dreamed on this night, will come to pass"ですが、これは、真夏の夜の夢(A Midsummer Night's Dream)に出てくる言葉のようです。

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    (A Midsummer Night's Dream act IV, scene 1)

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2010年6月19日 (土)

国際大学

ニューヨークの大手金融機関の国際部門のトップを務めるAさん。現在来日中で、お話してみると、「かつてメリルリンチの東京にいたことがある」とのこと。

更に彼が言うには 「もっと若い頃には新潟の国際大学に通っていた」 とか・・。

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実は今週だけで国際大学出身の米国人にお会いするのは2人目になります(もう一人はAさんを私に紹介してくれたBさん)。

* * *

若い頃日本で学んだ海外からの留学生がこうして世界の第一線で活躍している・・・。

興銀の中山素平さんなどが思い描いていた絵が現実のものになりつつあります。

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以下はウィキペディアの国際大学に関する頁(『こちら』)から。

最後のエコノミスト誌ランキングの下りは、私もいま初めて知りました。

* * *

「国際社会に貢献するために必要な、高度な相互理解と専門的且つ実践的な知識を持つ人材を養成することを主目的と」して、中山素平、水上達三ら財界有力者が発起人となって1982年に開学した。

大学院のみを設置している大学院大学としては日本で一番歴史が古く、講義・演習の全てが英語で(留学生に対しては日本語教育も)行われる。

日本のMBAスクールとしては唯一、英国のエコノミスト誌で世界のトップMBAスクールの100校中の1校としてランクインしている。

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2010年6月17日 (木)

BP

BPの問題が日本の新聞も賑わせています。

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日本ではあまり報じられていない点を幾つかご紹介します。

(1)オバマ大統領との関係

ニューズウィーク(日本版)の『こちら』のコラムは、オバマ大統領は民主党の方針である「環境懸念のため沖合油田開発には反対」という立場に反して「掘削推進派」だった、と解説。

さらに突っ込んだ形でオバマとBPとの関係に切り込んだのが、

The BP Money Trail と題するニューズウィーク誌の記事(『こちら』)。

BPとオバマ大統領との「これまでの」関係を the company enjoying close ties with lawmakers and a record of big spending, especially on one politician: Barack Obama と記しています。

BPとオバマ大統領との「この種の」関係を報ずる記事は米国では結構多く(たとえば『こちら』)、このため大統領として逆にBPに対して、より一層強くあたる必要があるのかもしれません。

にもかかわらず、「大統領はBPに対して戦う姿勢を十分に見せていない」と批判する記事も多くなってきています(たとえば『こちら』)。

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(2)WSJの記事

一昨日の記事で、

BP appears “to have made multiple decisions for economic reasons that increased the danger of a catastrophic well failure.”

と報じています(詳しくは『こちら』)。

(3)CNNの画像

CNNはBPが海底で原油を流出し続ける動画を何度も放映し続けてきました。この動画自体、存在するにもかかわらず、「BPはそのことを黙っていた」としてメディアに批判されています。

(4)日本への影響

問題を起こしたディープウオーター・ホライズンの権益は三井物産グループが10%保有。

詳しくは『こちら』の三井物産のプレス・リリースをご覧ください。

このため物産の株価も下落。

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(ここ1カ月の商事(赤線)と物産(青線)の株価動向図)

(5)ヨーロッパへの影響

BPの株価は大きく下落し、事故直前に17兆円あった時価総額は9兆円まで下落(16日付け日経新聞)。すでに8兆円の時価総額が喪失しました。

CDSも4%まで上昇(上記日経)。

ブルームバーグやCNBCに出演するアナリストたちは最悪の場合BPは倒産するかもしれない、誰も買収する勇気はないだろうとコメントを発し、昨日発売されたニューズウィーク日本版(6月23日号)でもバンクラプシーといった言葉が記事中に出るようになりました。

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ギリシャ、スペイン、ハンガリーに続いてヨーロッパは大きな問題を抱え込んだことになります。

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2010年6月14日 (月)

イスタンブール(その2)

一週間ほどイスタンブールに行ってきました。

ボスポラス海峡をゆったりと行き来する船を眺めていると日常の喧噪を忘れます。

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下の写真、海峡の対岸はアジアの大陸でアナトリア半島の先は、シリア、レバノン、イラク、イランへと続いていきます。

手前はヨーロッパ側で、200キロメートルほどすれば、ギリシャやブルガリアとの国境に行き着きます。

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イスタンブールのアジア側とヨーロッパ側を結ぶボスポラス橋が開通したのは、今から37年前の1973年。

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今でも多くの人たちはアジア側に住んで、橋を利用せずにフェリーに乗ってヨーロッパ側のオフィスに通勤してきます。

* * *

トルコは1990年代、年率100%を超えるインフレに苦しみ、2005年に100万リラ=1新リラのデノミを実施。

今では経済も大分落ち着きを見せてきていますが、人々の関心はやはり世界経済の今後のゆくえ。

はたして景気の2番底(ダブルディップ;double dip)があるのかどうか。

* * *

イスタンブールから北西に1200キロ、ウィーンで開かれていたIIF(Insititute of International Finance)の会議におけるジョージソロスのスピーチ。

このスピーチ(下記;6月10日)がイスタンブールの経済人の間でも注目を集めていました。

『金融危機は終焉とは著しくかけ離れた状況にある(financial crisis is far from over)・・・

ユーロは著しく均衡から外れた状況にある(euro is in what I call a far-from-equilibrium situatiojn)・・・

これについては6月23日にベルリンのフンボルト大学で話す』

(ソロスのスピーチの全文は『こちら』)。

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2010年6月 7日 (月)

サルコジ大統領のコメント

印象派やポスト印象派の作品で有名なパリの「オルセー美術館」

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現在、オルセー美術館では修復工事が行われており(『こちら』)、その関係もあって、多くの作品が海外に出ています。

フランス・サルコジ大統領は次のようにコメント(『こちら』)。

「これらの絵画が(これほどまでに)まとめてフランスを離れることは(今後)2度とない」

特にゴッホ、ゴーギャン、セザンヌなどの一連の作品群が、 Post-impressionist Masterpieces from the Musée d'Orsay と題して、フランス国外で展示されています。

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(オルフェウス by ギュスターヴ・モロー)

実はこのイベントは昨年12月にスタートしていて、すでにオーストラリア(キャンベラ)での展示を終え、現在は(5月26日より)東京に来ています(この後、サンフランシスコに行き、来年1月に一連の海外展示を終えます)。

東京での展示は8月16日まで(『こちら』)。

通貨ユーロが安いので、「今年の夏休みはヨーロッパへ」と計画されている方・・・。

お目当ての絵画は日本に来ていて「フランスでは見れなかった」といったことのないように・・・。

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2010年6月 5日 (土)

4年ぶりの安値

ユーロの下落が止まらず、昨日のニューヨーク市場では対ドルで、1ユーロ=1.2ドルの水準を割り込み、1.1956を記録。

これは4年前、2006年3月につけた1.1920ドル以来の安値となりました(『こちら』)。

安いユーロは、フォルクスワーゲン(VW)やメルセデスなどのドイツの輸出産業などにとっては、価格競争力が増してプラスに作用するのですが、それ(安いユーロ)が

『スペインやギリシャの経済活性化 → 財政健全化』

と繋がっていくには時間がかかりそうで、世界の金融にとっては当面不安定な状況が続きそうです。

就業者数の4分の1、全人口の1割が公務員と言われるギリシャの状況については『こちら』の記事が参考になります。

* * *

この記事を読んでいて日本の公的セクターの大きさはどの位なのか、疑問に思いました。

国家公務員、地方公務員の人員だけであれば簡単に数字を拾えそうですが、

独立行政法人、公益法人(財団法人、社団法人)、あるいは株式会社であっても政府が株式を100%持つ日本郵政株式会社、過半(50%以上)の株式を持つ日本たばこ産業、3分の1以上を持つNTTなど、いろいろあってどこで線を引くのか・・・。

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2010年6月 3日 (木)

イスタンブール

イスタンブールについて調べています。

15世紀半ばの1453年5月。

10万を超えるトルコ軍がこの街を包囲しました。

しかしその約1000年前、西暦 413年に街を守る目的で造られた「テオドシウス帝の三重の城壁」は堅固で、しかもビザンチン側(コンスタンティヌス11世)は、海からの攻撃に備え、金角湾を鉄の鎖で封鎖。

これに対してトルコ軍を率いるメフメト2世は72隻もの艦隊に「山越え」を敢行させます。

すなわち彼は、ボスポラス海峡から現在の新市街地とされる地域の丘を越えて、金角湾内部に艦隊を進めさせ、敵の背後に付こうとしたのです。

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海辺から丘の上に向けて、丸太や木の板を並べた軌道を作り、 それにオリーブ油や獣脂を塗りつけ、72隻もの艦隊を数百頭の牛に引かせて、山越えをさせたのです。

こうして城壁の守りに絶対の信頼を置いてきたビザンチン側は、23歳のメフメト2世に敗れました。

1千年続いたコンスタンティノープルは陥落し、オスマン帝国の首都イスタンブールとして生まれ変わります。

ご関心のある方は『こちら』の本(↓)が面白いと思います。

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2010年6月 1日 (火)

Flashdance

一昨日紹介したスティーブ・ジョブズのスピーチは映画『フラッシュダンス』の音楽と共に始まります。(YouTubeの『動画』でまだ画面が暗いうちに15秒ほど流れる音楽です)。

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1983年に公開されたこの映画が大ヒットした時、私は米国に駐在していました。

この映画は当時の米国を非常によく現していると思います。1980年代の米国は社会全体がなんとなく自信を無くしていた時代でした。

映画は製鉄の町、ピッツバーク市を舞台とするものでしたが、製鉄業の凋落は既に始まっており、インランド・スティールは新日鐵との提携に何とか活路を見出します(『こちら』)。

自動車は日本とドイツ勢にやられ、家電も壊滅状態でした。

しかしその中で、アップル、インテル、マイクロソフト、サンマクロのような企業が続々と立ち上がり(あるいは、成長を遂げて)、その後の米国を引っ張っていきます。

* * *

さて現在の日本。

100年を超える歴史を持つレナウンが中国企業に買収されました(より正確には山東如意が41%の筆頭株主となる)。

日本でも30年前の米国のように、新しい企業群が起きてきて、日本全体を牽引していけるのかどうか・・。

産業構造の転換が進むのかどうか・・。

フラッシュダンスで溶接工(Welder)を演じるジェニファー・ビールズ(この時彼女はエール大1年生)を見ていて、そんなことを思いました。

* * *

Flashdance、『こちら』のYouTubeもお勧めです。

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