ブラジルとロスチャイルド
前回のブログ記事でご紹介した日経CNBCの『日経ヴェリタス・トーク』。
今週のトピックスはアグリビジネスでしたが、番組ではこのほかに「ヴェリタス・ディクショナリー」のコーナーでブラジルについて取り上げました。
キャスターの方がブラジルについていろいろと質問し、私がそれに答えるというコーナーなのですが、お話していて、ブラジルに仕事で何度か行った時のことを思い出しました。
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そのひとつ。興銀時代の話です。
私のチームに、総合商社から興銀に転職してきたという経歴を持つAさんが配属されてきました。
彼は商社及び興銀時代にブラジル駐在の経験があり、商社時代に築き上げたネットワークと銀行のネットワークの双方をフルに活かし、ブラジルに関するアドバイザリービジネスの情報をよく仕入れてきていました。
中でも目を引いたのは、ブラジル政府が通信の周波数帯の一部を民間に売り出すに際し、ブラジル政府のアドバイザーを求めているという情報。
調べてみると既に欧米の投資銀行や大手商業銀行10数社が手を上げようとしているとのことでした。
「我々も参戦しよう」と、日本からAさんと私とで首都ブラジリアまで出かけていってブラジル政府高官と面談。
政府が相手ですので、所定の様式にそって「金融機関としてどういった民営化アドバイスの経験があるか」などの質問に書面で回答していかなくてはなりません。
厳正な審査の結果、興銀は他の欧米の投資銀行に敗退してしまったのですが、実はその時の経験は、興銀が他のブラジル案件を獲得する上で役に立ったと記憶しています。
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ところで当時、ブラジル政府のアドバイザー案件を数多く獲得していたのはロスチャイルドです。
どうしてなのでしょう。
案件獲得はあくまでも政府による「厳正な審査の結果」なのですが、やはり豊富な情報を持つ投資銀行が有利なのだと思います。
ではなぜロスチャイルドが強いのでしょうか。
知人のロスチャイルド幹部に聞いてみると、「ロスチャイルドとブラジルとの関係は1820年代にまで遡る。ブラジルがポルトガルから独立する際にこれを金融面でサポートしたのはロスチャイルドだから」といった答えが返ってきました。
ロスチャイルドのウェブサイトを覘くとその辺の記述が出てきます(『こちら』)。
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次のワールドカップ(サッカー)と、次の次のオリンピック(夏期)は、いずれもブラジルで行われます。
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