リスクの回避
早いものでもう7月。
2010年も半分が過ぎ去り、後2ヶ月もすれば、リーマンショックから2年が経過することになります。
一向に改善しない景気。
昨日の日経平均は年初来最安値を記録。
ウォールストリート・ジャーナルや日経新聞は投資家がリスクを回避し安全資産に向かっていると報じています(『こちら』)。
以下は日本の個人投資家Aさんの話。
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「生損保などの法人、年金基金、ファンドなどの機関投資家は、1年単位で運用成績を明らかにして、出資者に対する説明責任を果たす。
個人にはそういった“縛り”が無く、もう少し長い目で相場を見ることが出来る。
そういった“個人の目”からしても、今後2~3年を見通すことが極めて難しくなってきている。
企業は本当に切羽詰まってくると無配にするものだ。
そういった意味で例えば東芝には『無配にしてまで、必要とされる半導体投資は行おう』というギリギリの姿勢が感じられた。
一方、リーマンショックでトヨタは創業以来とも言うべき、大赤字を出したが、無配にはしなかった。
この時、多くの投資家は、『トヨタにはまだ余裕がある。V字回復を狙っているのだろう』と感じたはずだ。
仮にトヨタの業績がV字回復するとした場合、これに牽引されて日本企業全体も業績を回復させ、日経平均は2010年度には、12,000円~14,000円のレンジへと回復していくだろう-そんな甘い期待を多くの投資家が持っていたのだ。
これを狂わせたのは、トヨタのリコール問題、中国株の不調(先行き見通しに対する不安)、更には欧州のソヴリン・リスクだ。
特に欧州の問題は世界経済全体に波及しうるだけに、今後どう進展いくのか、懸念している。
中国リスクは懸念材料だが、目先、アジアを中心とする新興国の経済は引き続き調子が良いので、企業業績は全般的には比較的好調に推移するだろう。
しかしそれがなかなか“業績相場”へと向かっていかない。
多くの企業が2010年度の第1四半期決算を発表する2010年8月上旬、あるいは上半期決算を報ずる11月上旬頃までに、欧州の問題が落ち着いてくれば、投資家心理は「素直に企業業績を評価する」方向に向かっていくかもしれない。
しかしそうならない可能性も高く、その場合には今後1~2年は株式相場の低迷を覚悟せざるをえないだろう」
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なお中国に関しては、『Beyond a Boom』と題する記事(『こちら』)をはじめとして、今週のニューズウィーク誌が特集を組んでいます。
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