本当に株安なのか
8月17日に『本当に円高なのか』とのブログ記事を書きました(『こちら』)。
それでは株価の方はどうなのでしょうか。
今日発売された日経ヴェリタスを読むと、
「日経平均株価はPBR(株価純資産倍率)が1の水準に近づいてきた・・。
これは企業の解散価値と同じだ・・。
9000円を下回った今、次の節目(防衛ライン)は、PBRが1となる8400円程度か・・」
といった内容の記事が目に付きますが、
PBRよりももっと意味のあるPER(株価収益率)でみるとどうでしょう。
PERとは株価を利益(1株当たり)で割ったもの。
アメリカで過去200年間の平均値が14。[先般ご紹介した 『へッジホッグ』 に出てきます(249頁ほか)]。
また Jeremy Siegel によると米国で過去130年間の平均は12.1。
1900年以降今日までのS&P500のPER平均は15であるとか、1900年から2005年までの平均は14であるとの記述もあります(『こちら』)。
要はアメリカが順調に成長してきた時のPERの平均はおおよそ 14 ということです。
現在の米国ダウ平均株価のPERは 12.02 です(『こちら』)。
これが平均値の14にまで回復すると、ダウ平均株価は、10,150 から 11,822まで上昇することになります(つまりPERで見ると、現在の米国株価はそれだけ安く評価されているということ)。
それでは日経平均のPERはどうでしょう。
『こちら』に出ていますが、日経平均のPERは 15.55 です。
すなわち企業が上げると予想している利益(1株当たり)の15倍以上の株価が付いています。
ということで、予想利益の割には今の株価は高いということになります。
米国のこれまでの平均値である14になると仮定すると、日経平均は、8,991円から 8,094円まで下落することになってしまいます。
要は日本企業はもっと利益を上げないことには、株価は上がっていかない。
逆に今の利益見通しの割には、株価は高くついている(値下がり余地がある)ということになります。
もちろん株価は市場の需給で決まるもので、PERは一つの指標に過ぎません。
しかしマーケット全体を見る上では、PBRよりは重要な指標であることだけは確かです。
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