どこまで円高、株安になるか
「年内にいったいどこまで円高、株安になるんでしょうか。これをまず番組で取り上げるので、紙に書いてください」
一昨日の日経CNBC『日経ヴェリタス・トーク』の収録30分前にプロデューサーからこう言われて紙を渡されました。
番組をご覧になった方はお分かりでしょうが、私は円は79円台になることもあり得る、そして株は7900円台(8000円割れ)もあり得ると書いてプロデューサーに渡しました。
(こう紙に書いていた時の為替は84円80銭、日経平均は30日の終値 9,149円でした)
理由はこのブログでも書いてきましたが、為替の方は:
(1)実質実効為替レートで見ると、よく言われているような「過去15年で最大」といった円高にはなっていない(別言すれば、これから先もっと円高になってしまう余地がある)、
(2)先進各国が輸出促進によって景気回復を図ろうとしている(適度な自国通貨安が各国にとって望ましい。そしてこのための各国間の競争)、
(3)日銀によるデフレ退治のコミットメントが希薄(デフレとは物価の下落、通貨価値の上昇です)
一方、株価の方は:
(1)株価収益率(PER)で見ると、8000円程度の日経平均でもおかしくはない(それだけ企業の予想収益が弱い)
(2)国内のデフレがなかなか改善しない(政府や日銀によるデフレ退治のコミットメントが希薄)
(3)米国景気の不安(住宅減税終了による住宅関係諸指数の悪化、失業率の高止まり)
(4)欧州(アイルランド、ギリシャ、スペインなど)の問題は実は解決していない
(5)政府が出口戦略を急ぎすぎてしまった(例:消費税増税の議論を始めることは、やっと回復しかけた病人に対して、「これから走らなければならないマラソン大会の話」を始めるようなもの)
というものです。
まあ、為替とか日経平均とか、この種の予想はなかなか難しい(そして当らない)ものですが、これから先 4ヶ月間、いったいどういった状況になっていくのでしょうか。。。
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コメント
日経平均 今日は今のところは、下げ一服ですね。
勉強させてもらいました。 ありがとうございます。
投稿: 株式勝男 | 2010年9月 1日 (水) 10時58分