敬老の日(その2)
9月19日の続きです。
老後にいったい幾ら必要なのでしょうか。
この問題は要するに
「自分が働かなくなった(あるいは働けなくなった)後に、どの位のお金が必要か」
ということだと思います。
現在の年金制度のもとでは、やがて
「65歳にならないと一切の年金がもらえなくなる」
といったことになります(昭和36年4月2日以降に生れた男性は公的年金は65歳になるまで一切もらえません)。
このため企業には65歳までの雇用確保が義務付けられました
(2006年施行の改正高年齢者雇用安定法)。
具体的には、
「企業は2013年4月1日までに65歳までの雇用確保措置を導入せよ」
といった内容となっています。
そこで、以下では 「65歳まで働く」 との前提の下で、いったい幾らのお金が以降必要になるのかを試算してみます。
まず現実に60歳代や70歳代の人がいま幾らのお金を使っているか調べてみます。
総務省の家計調査(『こちら』)を見てみましょう。
これによると世帯主が60歳代以上の2人以上の世帯の消費支出は月27万7000円、70歳代は24万円です(いずれも世帯としての支出額で夫婦の場合、夫婦2人分です)。
このうち食費は60歳代が6万9000円、70歳代が6万2000円。
支出項目の変化で特に目立つのが交通通信費で、60歳代(3万3000円)から70歳代(2万2000円)になると34%も下落するのが特徴的です。
以上の数字は「現実に60歳代や70歳代の人がいま幾らのお金を使っているか」ですが、一般に老後に幾らのお金を「使いたい」と人々が考えているかについては、現実の数字とは少し違ってきます。
財団法人「生命保険文化センター」が行った「生活保障に関する調査」(2007年12月、『こちら』)を見てみましょう。
これによると、一般的に考えられている 「夫婦2人で老後生活を送る必要な最低日常生活費」 は、23万2000円、 「ゆとりある老後生活費」 は、38万3000円です。
* * * * * *
以上の議論をベースにここでは夫婦2人で(1)月30万円使うという「ややゆとりコース」と(2)月24万円使うという「やや窮屈コース」の2つを考えてみましょう。
はたして老後にいったい幾ら必要なのでしょうか。
問題は例えば夫が先に亡くなった場合ですが、その場合の妻(単身)の生活費を月20万円と仮定します。
また要介護となって介護付き老人ホームに入ると月27万円になる(入居一時金がゼロのところに入る)と仮定します。
(1)「ややゆとりコース」
(仮定)夫は80歳まで介護不要(以降は介護付き老人ホーム)、87歳で他界。妻は85歳まで介護不要、92歳で他界。妻は夫より3歳年下。
65歳以降に必要となる資金は:
①夫が80歳まで:30万円×12ヶ月×15年=5400万円
②夫が87歳まで:
夫の分:27万円×12ヶ月×7年=2268万円
妻の分:20万円×12ヶ月×7年=1680万円
③妻が85歳まで:20万円×12ヶ月×1年=240万円
④妻が92歳まで:27万円×12ヶ月×7年=2268万円
となります(日本は現状デフレですが、インフレ率0%で計算しています)。
よって以上①~④を合計すると1億1856万円となります。
(2)「やや窮屈コース」
「やや窮屈コース」では上記の①のところが、
24万円×12ヶ月×15年=4320万円
となり、①~④の合計は1億776万円となります。
以上いずれの場合も1億円以上の老後資金が必要ということになります。
問題はこのうち「幾らを年金でカバーすることが出来るか」 です。
次回この辺を見ていくことにしましょう。
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