彼岸
今日はお彼岸。
春と秋の彼岸になるといつも頭に浮かぶのが、
「暑さ寒さも彼岸まで」
の言葉。
昔の人はよく言ったものだと感心させられます。
さて21日の「老後にいくら必要か」というブログ記事を読んで、Mさんが電話をかけてきました。
「たしかに1億円くらいいる、とうのは雑誌でも読んだことはある。
しかし、あーやって数字を出されると暗くなるよ。
だいたい退職金だって、せいぜい出ても 3000万円だろう。
うちの会社じゃ 2000万円ってとこだ。
いま住んでいる家のローンを払い終わって売ったとしても、せいぜい4000万円か・・・」
こう話すMさんに私は言いました。
「でもMさんは年金という資産を持っているのです」
「えっ、年金が資産・・?」
「65歳から毎月30万円の年金をもらえれば、90歳まで生きたとして、9000万円になります。
それだけの“資産”をもっているのと同じことです。
退職金や、(失礼ですが)Mさんが持っている家に比べて、ずっと価値ある“資産”です」
「しかし俺が75歳で死んでしまえば、年金という“資産”にそんな価値は無いだろう?」
「そうです。しかしその場合、Mさんが必要とする“老後の資金”はぐっと減りますよね。
だからそれでもいいわけです」
「俺が死んだら、俺の妻が困るじゃないか?」
「Mさんが死んだ後でも、奥さんが生きている間は毎月ずっと、Mがもらっていた老齢厚生年金の75%が遺族年金として支払われます」
「えっ、そうなの? しかし、年金が資産だとはね・・」
* * * * * *
年金については若い世代が高齢者世代を支える仕組みであるとして、少子高齢化が進む日本では
今後制度が破綻するとか、そういったマイナス面ばかりが強調されています。
しかし年金には優れたプラス面があります。
一言で言うと 「長生きしてしまうリスク」を軽減するということです。
「長生きするリスク」などというと怒られそうですが、
85歳、90歳になって収入があり続ける人は、一部の政治家や天下り役人くらい(彼らの世界にもだんだんと年齢制限が設けられてきています)。
ほとんどの人は収入が無いまま高齢化時代を過ごして行かざるをえないわけですから、金融(ファイナンシャル・プランニング)の観点からすれば、
「長生きするリスク」
になってしまいます。
そしてこの長生きするリスクに対して、一番心強い「武器」は、あなたが一所懸命貯めて作った預金でもなければ、住宅でもありません。
65歳の時に築20年だった家は、85歳の時には築40年になっています。(少なくとも建物には価値が無く、毎年の修繕補修費が大変になってきます)
預金だって毎月降ろして使っていけばどんどん減ります。
毎月分配型の投資信託を購入した人は、いまや元本(基準価格)がどんどん目減りしていて不安になっていると思います。(儲かっているのは販売手数料や毎年の信託報酬を得ている金融機関だけです)。
これらに比べて一番頼もしいのは、実は、頼りなさげに思えていた年金なのです。
年金については、不幸にして早く死んでしまう人が、長生きしていく人を、社会全体として支える仕組みでもあるのです。
こんな仕組みは生命保険などの保険にもありません(生命保険は死ぬことで、残された遺族が助かる仕組みです)。
ほかの金融商品でもちょっと無い仕組みです。
「長生きしてしまうリスク」・・・
このリスクには「年金」という武器で立ち向かうしかありません。
そのためには私たちは年金のことをもっと良く知る必要があります。
たとえばいったいMさんは月30万円の年金をずっともらっていけるのでしょうか。
制度は破綻しないのでしょうか。
そもそも「平均的なサラリーマン」はいったい幾らの年金がもらえるのでしょうか。
次回はこの辺を見ていきましょう。
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