Prop 19
私はアメリカに計8年住みました。
駐在員として過ごしたシカゴでの5年間よりも、高校生、大学院生として過ごしたカリフォルニアの方が印象も強く、いまなお当時のアメリカ人たちとの交流も続いています。
さてそのカリフォルニアから11月2日を巡る話題を2つ。
11月2日の全米中間選挙の際、カリフォルニア州では州知事を選ぶ投票も行われます。
シュワルツェネッガー現知事は三選が禁止されている為、立候補できません。
知事選に立候補しているのは 民主党からは Jerry Brown 氏。
彼は、後に大統領になるロナルド・レーガン州知事の後に、36歳の若さでその昔カリフォルニア州知事になったことのある人です。
(Brown氏の父親もカリフォルニア州の知事を務めました。父親のPat Brown州知事を打ち破って1966年カリフォルニア州知事になったのがロナルド・レーガンです)。
Jerry Brown 氏は1975年から83年まで8年間カリフォルニア州知事を務め、今回また民主党から州知事に立候補しています(今回は年齢36歳ではなく、その 2倍の72歳)。
一方共和党からは、eBayの前CEO の Meg Whiteman 氏(53歳)が立候補しています。
ところで州知事が選ばれる11月2日。
この同じ日に、Prop 19 (プロポジション;住民投票 19 )に関する住民投票も行われます。
住民投票で過半の賛成が得られれば、the Regulate, Control and Tax Cannabis Act of 2010 が成立し、カリフォルニア州は全米で最初のマリファナ(大麻)の所持・消費等が合法とされる州となります。
具体的には:
(1)21歳以上の人が個人的に消費する目的でマリファナを所持するのは合法となる
(2)市や郡はマリファナの商業的栽培や販売を認可・規制・課税することが出来るようになる
(3)個人的に消費する目的で、州の住民は25平方フィート(2.3㎡ ; 0.7坪)の広さを上限として庭でマリファナを栽培することが出来る
以上のように、かなりのことが合法となります。
この Prop 19 を支持し推進している人の一人が、Oakland の Oaksterdam University (『こちら』)を創設した Richard Lee 氏。
もっともウェブサイトを覘いて分かるように、Oaksterdam University は日本ではとても大学としての認可が得られそうにもないところです。
Lee 氏によれば、アメリカは禁酒法時代を経験したが結局はアルコールを禁止できなかった。マリファナを合法化して課税すれば、1150億円ほどの税収が見込めるとのこと。
州知事に立候補している Brown、 Whiteman の両候補者はどちらも Prop 19 (マリファナの合法化)には反対の立場です。
ところが世論調査では Prop 19 の賛成派がどんどん増えていて、9月26日に発表された調査結果では賛成49%、反対42%と、なんと賛成が優勢の状況に・・。
『こちら』では、スタンフォード大学の医学部教授とリサーチフェローの2人が、賛成(フェロー)、反対(教授)に分かれて議論を戦わせています。
さて11月2日、州の住民はどのような審判を下すのでしょうか・・。
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