マーケットはどう動くか (ネナー氏の見方)
『マーケットはしばらくは上向くだろうが、1年くらい後には、クラッシュする。ダウ平均株価はその時、半値になるかもしれない』
と不吉な予想をするのは、チャールズ・ネナー・リサーチ・センター社長、チャールズ・ネナー氏。
彼は、今年3月の時点でも
『ダウは6000ドルくらいまで下落するかもしれない。早ければ4月にもそうなる』
と言っていました(『こちら』)。
しかし現実には今年の4月にそうなりませんでした。
ただ最近ネナー氏のコメントを米国のメディアでよく目にするようになってきたのも事実です(たとえば『こちら』や『こちら』)。
これは市場がそれだけ神経質になっていることの現れかもしれません。
ネナー氏とはどんな人物なのか、彼のウェブサイト(『こちら』)を見てみましょう。
彼は1990年代前半を Ofek Securities (イスラエル、テルアビブ)の市場部門で働き、1997年から98年にかけてオランダのRabobank の trading reseach のヘッドになります。
1998年から2001年にかけて Goldman Sachs London Office の fixed income (債券部門)の trading group で technical analyst を務め、2001年に チャールズ・ネナー・リサーチ・センター を設立。
以降、ゴールドマンのニューヨーク本社などを顧客に持ち、マーケット・リサーチに従事してきたとのことです。
彼の手法はいくつもの変数をモデルに組み込み、サイクルを予想するものですが、
「現在の米国は deflationary crisis にあり、日本のバブル崩壊時に酷似している」とか・・。
そして、「ここ3~5ケ月間はマーケットは好調だろうが、早ければ半年後にはクラッシュが起きる」とのことです(詳しくは『こちら』)・・・。
* * * * *
マーケットには100人のアナリストがいれば、100人がそれぞれ別の見方をする訳で、我々はネナー氏の予言を過大に評価する必要はまったくありません。
ただこういう見方をする人もいるということを頭の片隅に入れておいた方がよいと思います。
時おり「退職金を銀行に言われるまま、35%を定期預金、25%を海外債券の投信、25%を世界の株式投信、15%を外貨預金に分散投資したら、3割減価して、7割に減ってしまった」などという話を耳にします。
そういった方たちは、「何れは7割が元に戻る」ことを期待していても、よもやそれが「更に半値になる」などということは考えていないのかもしれません。
しかしマーケットはこれから先、どちらにも動きうるのです。
『あなたにとって重要なことまでもリスクにさらしてまでして、リスクを取ってはいけない。そんな価値はないから・・』
これは投資家ウォーレン・バフェットの言葉です(『こちら』)。
分散投資と言えば聞こえは良いのですが、上記の退職金の例では、為替リスク、債券の下落リスク(金利変動リスク)、株価下落のリスクなど、さまざまなリスクを思いっきり取ってしまっているのが実態です。(勧めている銀行は手数料で儲かるのです)。
お金に余裕のある人や若くて給料が上がっていく人ならまだしも、退職金で老後の生活設計を考えている人は、生活の原資となる貴重なお金をそんなリスクにさらしてしまってはいけません。
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